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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

旅行して地方交通について考えること

私は旅行するときは基本的に公共の交通機関を利用します。レンタカーを借りるだけの金銭的な余裕がないこともあるのですが、電車やバスや船に乗るのが好きであることも理由の一つです。田舎では、路線バスはお客さんを沢山、乗らせることができるようなルートをとるので、集落を縫いながら進んでいきます。その結果、人々の暮らしにふれることができます。
レンタカーを借りて観光をすると自由度が増えます。しかし、カーナビに従って運転すると大きな道をたどるとことになります。大きな道は新しく車のために作られたことが少なくありませんので、これらの道沿いには、必ずしも昔からの集落がありません。この結果、これらの集落を見逃してしまうことになりがちです。このようなレンタカーの際には見逃してしまう集落を路線バスは通るので私は好きです*1
また、山奥の道や、曲がりくねった海岸沿いの道を運転するのは気をつかうので、それよりも、路線バスで通った方が景色をのんびりと眺めることができます。例えば、以前、足摺岬に行った時に、中村駅(高知県四万十市)でレンタカーを借りて、海岸線の道を利用して、土佐清水市、大月町、宿毛市と辿りました。景観は美しく、特に大月町周辺の景色は素晴らしかったです。しかし、運転にはかなり気を使わなくてはならなかったために、運転している間はドライブを楽しむ余裕はあまりありませんでした。今回の年末、年始の旅行では、甲浦駅高知県東洋町)から、室戸岬を経て、安芸駅まで海岸線の道を路線バスを使っていきました。道沿いの景色は良かったですし、なによりも良いのは居眠りもできることです。
路線バスを利用して旅行をすると気がつくことは、最近、路線バスの路線が縮小し、本数が少なくなっているということです。また、以前はバス会社の路線バスが運行していたが、採算が合わなくなって、自治体が運営するコミュニティーバスに置き換わっているということも少なくありません。本数が少ない所は、往復のどちらかにタクシーを使わざるをえなくなります。例えば、脇町(徳島県美馬市脇町、最寄駅は穴吹駅〔JR高徳線〕)の“うだつ”の街並みを見に行ったと時には、往路はタクシーを使いました。なお、タクシーにおいては、路線バスでは通らない、吉野川にかけられている潜水橋を通ってもらいましたから、観光のためにも役に立ったことは確かでした。

私は観光客であり、その時だけタクシーを利用すればいいので1000円くらいの出費でしたらば、レンタカーを借りるよりは安いので許容範囲の出費です。しかし、自家用車を利用できない地元の人は、定常的にタクシーを使うと多額の支出を強いられることになります。車を持ってっていない人、車を運転できなくなった高齢者の方には多くの負担がかかってくると思います。この辺の事情が、「深町秋生のベテラン日記」さんの『都会へ向かう老人 地方に向かう若者』では書かれています。

21世紀における田舎は高齢者にとって、けっこう酷薄である。警察が高齢者に対して「免許を返却して」などと呼びかけているが、私のところにある巨大な公立置賜総合病院など、車でしかいけないような辺鄙なところにドーンとおっ建っている。

都会へ向かう老人 地方に向かう若者 - 深町秋生のベテラン日記

山形県置賜地方は昔ながらの風景が残っているところです。例えば、“まほろばの里”と呼ばれている高畠町などはのんびりした気分にさせてくれます。この地域で観光を来た人の中にはこの辺で暮らしてみたいと思う人もいるかと思います。しかし、車を利用できないならば、この地域で暮らすのには不自由さを感じると思います。なお、私は、基本的に公共の交通機関を使って旅行するので、この周辺の観光には苦労しました。

路線バスの路線と便数が少なくなることにより、高齢者が田舎で暮らすことは段々難しくなってきています。政府にはこの辺のことをよく把握していただき、長期的視野に立って政策を立てて欲しいと思っていますが、頻繁に首相が変わる今の政府にはあまり期待ができないことは残念なことです。現状では、できる限り権限を地方に移譲することが最善策かと思います。

*1:見知らぬ人が、観光地ではない集落に入ってきて、うろうろされても地元の人には迷惑かと思いますので、バスの上から眺めるのが妥当のように思います