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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「おくりびと」がアカデミー賞・外国語映画賞を受賞した理由について

昨日書いた、『「おくりびと」のアカデミー賞・外国語映画賞受賞の報道への違和感は、フィギュアスケートの報道への違和感と同じだと気付きました - 夏かしのブログ』では、「おくりびと」のアカデミー賞・外国語映画賞の受賞理由について、マスコミでは解説されていないと書きましたが。この件について分かったことを書きます。
まず、昨日の記事を書いたすぐ後に、テレビ朝日の「報道ステーション」をちらっと観たらば、アメリカ(もしかしたたば、ハリウッド)の厭世ムードと関係があるのではないかという解説のようなものがされていました*1。プール雨さん(id:poolame)がコメントに書きこんでくださった情報によると、同じ趣旨のことが朝日新聞にも書かれていたようです。ただ、これに関しては、それほど納得できる説明になっていないように思います。

次は、プール雨さんが昨日の私の記事のコメントに書かれた情報による、映画評論家の町山智浩さんの発言「アカデミー賞はハリウッドの内輪の賞であって、ロビー活動をきっちり行えば受賞できる」です(ソースは不明)。町山智浩さんの発言についてはこの他に、2ch(「http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1235443827/」)に、町山さんが「TBSラジオ ストリーム」において「5500人のアカデミー会員に対する徹底的な、ターゲットを絞り込んだキャンペーンの成果だと僕は思いますね」と発言されたという書き込みがありました。“アカデミー賞はハリウッドの内輪の賞”というのは何となく納得できるように感じます。
最後は、ロサンゼルス・タイムス(Los Angles Times)の映画評論家、トム・オニール(Tom O'Neil)さんの発言です。goo 映画においては、アカデミー賞の発表の前に、トム・オニールさんが、「おくりびと」の受賞を示唆したという記事を書いています(2009年2月22日(日) 21:16)。

 ロサンゼルス・タイムス紙の著名映画評論家、トム・オニール氏が内密に読者に伝えたところによると、オニール氏の知っているアカデミー会員の友人たちは、外国語映画賞においてほとんどが下馬評の高かったフランス作品の映画『ザ・クラス』、そしてイスラエル作品の映画『戦場でワルツを』には見向きもせず、日本作品である映画『おくりびと』に票を投じたとコメントした。
 アカデミー外国語映画賞は、必ずノミネート作品の試写を見に行った会員のみが投票できるという厳しいシステムになっている。オニール氏がタイムス紙で語ったところによると、知人のアカデミー会員たち、そしてその知り合いでアカデミー会員の人たちは、下馬評先頭ランナーである『ザ・クラス』について、「カンヌ映画祭で大賞を取ったものの、下馬評は別としてあまりおもしろくない」という意見が多かったと語り、「『おくりびと』が良かった、という意見が多かった。」と話している。
 オニール氏は、ハッキリとは名言しないものの、彼の予想では『おくりびと』が受賞するのではという旨を示唆しており、同氏いわく、そのもう一つの理由として、下馬評トップである『戦場のワルツ』について、「作品はアニメーション作りになっており、過去の例から言ってアカデミー会員たちは実写は実写、アニメはアニメと部門がきちんと設けられているものへのジャンル分けに対して非常にうるさく、今回アニメ部門でなく外国語映画賞にノミネートされた『戦場のワルツ』への風当たりが強くなるのではと推測している」と伝えている。オーストラリア作品『リヴァンシュ』、そしてドイツ作品『バーダー・マインホフ 理想の果てに』に対しては、「ほとんど(受賞ライバルとしての)懸念はないと思う」と予想した。

http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFCN0017040/index.html

この記事の信ぴょう性はいかがなものであろうかと考え、英語のソースはないかと調べてところ、Los Angles Times のサイトの中に、上記の記事とある程度は一致するような趣旨の記述(by トム・オニール)がありました。

8:20 p.m.— Hooray! Our biggest longshot prediction of the night came through — that "Departures" would win best foreign-language film over film critics' darlings "Waltz with Bashir" (winner, best picture from the National Society of Film Critics) and "The Class" (winner, Palme d'Or, Cannes Film Festival)! We bet on "Departures" because of two factors: it may have been the underdog, but it was the movie with the most emotional tug, plus there's the matter of how this winner is decided, which is different from most Oscar categories. The vast majority of other categories are determined by a popular ballot checked off by all academy members. But categories like foreign film, shorts and documentaries are determined only by those academy members who attend special screenings. That means voters are less swayed by buzz and other outside factors. They're really focusing on what they see on the screen, thus giving underdogs — like "Departures" — a chance. This is the first real, big win for Japan in this category. The nation won three times back when the award was bestowed as a kind of special award, but this is the first victory since all nominees were announced.

Live blogging the Oscars | Gold Derby | Los Angeles Times

【追記 2009.2.26 1:29】
今さっきみつけた、“こづかい3万円のひび”さんの感想が案外一番、的を得ているような気もします。

 正直なところ、『おくりびと』を含めてぼくはどの作品も観ていないからコメントする資格はないんだけれど、それでもこのラインナップなら「暗い映画ばっかりでやだなあ...この日本映画にしとこうっと」とアカデミー会員の癒しを求める票が『おくりびと』に集中したからこその受賞なのでは...と安易な推測をしてしまう。

『おくりびと』と同時にアカデミー外国語映画賞にノミネートされていた四本の映画 - こづかい3万円のひび

*1:私は、解説の最後の方しか見ていません