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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「妄想姉妹〜文學という名のもとに〜」の最終話と総括

妄想姉妹〜文學という名のもとに〜」の最終話「瓶詰地獄」を、ネットで発信しているもので観ました。今までは、各話のタイトルとなっている小説が、その小説を読む姉妹の妄想という形で描かれていました。今回は、三姉妹は、父である小説家・市川草太郎の小説「白女」を読むことになります。市川草太郎私小説を嫌っていたのですが、「白女」は妻と3人の姉妹について描いた小説であり、3人のために書かれた小説と言えます。三姉妹は自分たちの母親はすべて違うと思い込んでいたのですが、この小説を読むことにより、全員同じ母親・アヤコであったことがわかります。
市川草太郎は慎ましやかなアヤコと出会い、愛しあい、やがて晶子が生まれます。草太郎は今までにない幸せを感じるのですが、それが幸いして小説が書けなくなります。それを知ったアヤコは家を出ていきます。
その後、アヤコは家に戻ってきますが、全く別の人格となっており、過去のことを全く覚えていませんでした。一種の精神疾患と言えると思います。今度のアヤコは奔放であり、草太郎はそれに触発されヒット作を連発します。藤尾という子供も生まれるのですが、アヤコは晶子も自分の子供であったことに気が付ます。自分の病気をことを知り、アヤコは家を出ていきます。
アヤコは再び家に戻ってくるのですが、異なる人格を持っていました。草太郎は全てのことを知りながらアヤコを受け入れ、やがて節子が生まれます。しかし、アヤコは病気で寝込むようになり、やがて全てのことを忘れ、白い女(空白の女?)になり、死んでいきます。
この小説を読んだ、晶子(吉瀬美智子)、藤尾(紺野まひる)、節子(高橋真唯)は、父の母への深い愛を知り、また、自分たちが愛されていたことを知ります。
ドラマの最後には、三姉妹の住んでいた家が市川草太郎記念館となり、彼女らは家を出ていきます。そして、発表すれば莫大な金額となるはずの「白女」を焼きます。それは、3人のために書かれた小説だったからです。

11話までの全体を振り返ってみると全体的には良いドラマであったと思います。ネットを通じて全話を発信するという試みには好感をもちました。第十話が発信されているのに上手く見えないのは残念です。
各話で取り上げられた小説の中には知らなかったものや、タイトルは知っていたのですが読んだことがないものがあり、それを3姉妹の妄想の中のものとはいえ知ることができたことは良かったと思います。小説を紹介するという形式のドラマという枠組みは非常に良かったと思います。
三姉妹に読ませる作品を通じて、彼女らに愛というものを教えるというのが草太郎の意図であったために、妄想のなかではエロいシーンもありましたが、興味本位の描き方ではなく、上品な描写であったので好感を持ちました。
三姉妹の中の人で一番良かったのは、節子を演じた高橋真唯さんでした。「白痴」(坂口安吾)のようなエロい描写がある作品も、「女生徒」(太宰治)のような清純な役?も上手くこなしていました。それに対して、紺野まひるさんは、エロい場面の演技に限界があり作品に支障があったように感じました*1吉瀬美智子さんはほぼ期待通りでしたが、高橋真唯さんの存在感に少し持っていかれたところがあったかと思いました。このドラマの主人公は吉瀬美智子さんであるとみなされている方もいるようですが、私は実質上の主人公は、高橋真唯さんであるように感じています。

*1:紺野まひるさんに限らず、宝塚出身の女優さんはエロい場面が苦手のようです。宝塚においては、他の演技は習得できるのですが、この種の演技は演じることがないのが大きな原因だと思います。彼女たちは要求されれば演じるのかもしれませんが、映画/ドラマの制作者側が彼女たちに演じされるのを遠慮してしまう結果、習得できないということもあるのもしれません。