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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

日本航空の経営破綻について思うこと

日本航空が経営破綻しました(2010.1.19)。

機構が再生支援…負債2兆3221億円 運航は継続

 日本航空は19日、主要子会社の日本航空インターナショナルジャルキャピタルの2社とともに、東京地裁会社更生法の適用を申請し、地裁が即日、更生手続きの開始を決定した。負債総額は3社の単純合算で2兆3221億円に上り、2000年のそごうグループ22社の1兆8700億円を上回り、金融会社を除いた事業会社として過去最大の経営破綻(はたん)となった。今後は官民折半出資の企業再生支援機構の支援を受けて、運航を継続しながら再建を目指す。
(後略)
(2010年1月20日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100120-OYT8T00345.htm

日本航空の再建のためには、公的資金が使われることになるのだと思います。なお、私は飛行機をあまり利用することのないので、日本航空がなくなってしまっても基本的に構わないです。日常生活においては、国内線で日本航空しか運航していない区間は利用することはありません。また、海外旅行をするにしても、日本航空しか運航していないところに行くこともないと思います。

日本航空の経営破綻を生みだした原因としては、日本航空自体の問題と、必要の少ない所に空港を作る航空行政とそれを望む地方自治体、赤字であったも路線を持続させようとする地方自治体の問題があると思います。航空行政と地方自治体の問題は、全日空も同様に被っているのにもかかわらず、全日空は経営破綻をしていませんから、日本航空自身の問題が経営破綻に大きく影響していると思います。日本航空の関係者とファンの方としては、経営破綻の原因は、国と地方自治体にもあるのだから、再建のために、公的資金が使われることも“やむなし”と思っている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、それ以外の人にとっては、国と地方自治体の問題が影響して破綻した日本航空の再生のために、公的な資金を使うのは“いい加減にしろ”ということになります。

日本では、必要が少ない所に飛行場を作りすぎました。飛行場を作るためには金がかかるのと同様に、作ってしまうと維持費もかかります。飛行場ができると、路線を開設してくれという強い圧力が政府、政治家を通して航空会社にかかり、一旦、路線を開設してしまうと、大きな赤字になっても、路線の減便、廃止は、容易に認められません。この結果、航空会社には赤字路線を多数抱えることになります。地方自治体は、乗客をある程度に維持するために、補助金を出す必要があります。このように、必要が少ない所に飛行場を作ると、巨大な出費が必要になることは、誰が考えても明らかです。国や地方自治体が出費することは、国民、県民が出費するのと同値ですから、空港関係者と建設業者の他のほとんどの人の損害となっていることになります。

とにかく、必要が少ない空港を作りすぎました。利用客の少ないと思われる地域、既に既存の交通機関が存在するところに空港を作ってしまうことを妥当とした根拠は不可解です。*1。必要の少ない空港として、直ぐに思い浮かぶのは、前者(利用客の少ないと思われる地域)では石見空港島根県)、後者(既に既存の交通機関が存在するところ)では静岡空港、両方に該当するのが但馬空港兵庫県)です。現在、石見空港では東京便が一日一便、但馬空港では伊丹便が2便あります。便数が少ないのは、利用客が少ないからです。

伊丹−但馬便は、日本航空により運行されているので、廃止される可能性が高いです。但馬空港は、兵庫県の但馬地方の中心である豊岡市の中心駅・JR豊岡駅から7キロの所にあります。したがって、代替の交通機関がありますから、伊丹−但馬便が廃止されても大きな影響がある人は極めて少ないと思います。今までは、廃止/減便をしたい日本航空と、それを食い止めたい自治体との2者関係でした。公的な資金日本航空の再建に使われるとなると、利害者が全国民に広がりますから、廃止の方向に進むのではないかと思います。

静岡空港(2009年6月4日に開港)からは、日本航空は、現在、千歳便と福岡便が運航されています。しかし、日本航空は、今年の3月いっぱいで、静岡空港から撤収することを、既に決定しています。千歳便は採算ラインの搭乗率を超えており、福岡便は採算ライン程度でしたので、静岡県はこの決定には不満だったと思います。しかし、静岡空港には、代替交通として東海道新幹線があります。そして、大きく利益を生み出さない空港からは撤退するというの日本航空の判断は経営戦略として「あり」だと思います。なお、この日本航空の決断には、静岡−福岡線(1日3往復)の搭乗率が70%を下回った場合に静岡県が税金で日航に支援金を払う「搭乗率保証」の約束を、静岡県知事が撤廃することを要求したことが影響していたと思います。将来、問題が起きそうな静岡空港とはお付き合いをやめるということなのだと推測します。

静岡空港からの一方的な撤退は民法の信義則違反。搭乗率保証を白紙にしてもらいたい」
昨年12月17日、東京・東品川の日本航空本社24階応接室で行われた静岡県の川勝平太知事と日航の西松遥社長の会談。知事は、静岡−福岡線(1日3往復)の搭乗率が70%を下回った場合に県が税金で日航に支援金を払う「搭乗率保証」の撤廃を迫った。だが、西松社長は10年3月末の撤退方針を変えず、知事の要求も突っぱねた。
 搭乗率保証は、就航への消極論もあった日航を説得するため、昨年2月に石川嘉延知事(当時)が導入を決めた。地元の自民党国会議員らが推進派に名を連ね、昨年6月に開港した静岡空港。だが、以前から「需要予測が甘い」との不要論は根強く、県側は「日航が飛ばないと、大変なイメージダウン」と搭乗率保証の覚書を結ぶ異例の措置に踏み切った。
 しかし、民主党などの推薦で昨年7月に当選した川勝知事は見直しを公約。日航が撤退を決めたのは「いずれ保証がなくなり、採算が合わなくなる」と判断したためとみられる。
(後略)

日航破綻:/下 空港乱立で赤字膨張−毎日jp(毎日新聞)

なお、日本航空が運航していた2路線は、地元資本のフジドリームエアラインズ (FDA)が受け継ぐようです。経営に問題がある日本航空よりも、地元のことを知り、小回りが利く地元資本が運航にすることになったのは、静岡県にとっても良かったのではないかと思います。

*1:利用客が少なくても、生活路線である、離島路線については配慮がされるべきです。