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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

チリの地震による津波に対する警報、報道、電車の運休、道路の通行止めなどについて考えたこと

一週間前のことですが、日本時間2月27日(土)午後3時34分に、チリ中部沿岸でマグニチュード8・8の巨大地震起きました。28日(日)の朝、気象庁大津波警報(一部地域)と津波警報を発表しました。警報から予測するほどの大きなものではありませんでしたが、津波は日本に到達しました。幸いに人的な被害はありませんでしたが、三陸地方では養殖業になどに被害がありました。また、多くの鉄道は運休し、道路は通行止めになり、多くの人に影響が出ました。

この件については、私が欲しかった情報がそろった時点で、書くつもりでしたが、1週間経っても得ることができないので、現時点において書くことにしました。なお、確認したかったことができない時点で、文章にしますので誤りがある可能性があります。その際には、ご容赦ください。

「太平洋側各地に津波 52万人に避難指示」
                          共同通信(2010/03/01 01:32)
南米チリで27日に発生したマグニチュード(M)8・8の巨大 地震で28日、北海道から沖縄の太平洋側各地に津波が到達した。岩手県大槌町によると、大槌港で1・45メートルの津波があった。気象庁は、岩手県の久慈 港と高知県の須崎港で1・2メートル、仙台港鹿児島県志布志港で1・1メートル、北海道根室市の花咲港で1メートル、青森県八戸港で90センチの津 波を観測。
 北海道の花咲港や岩手県久慈港、長部港、両替港、宮城県気仙沼港で岸壁や周辺道路などが冠水した。千葉県鴨川市の加茂川河口では、海からの波が川をさかのぼる現象を確認、津波の影響とみられる。
 気象庁は、3メートルの津波の恐れがあるとして午前9時33分、青森県から宮城県にかけての三陸地方の沿岸部に大津波警報を発表。約9時間半後の午後7時すぎ、津波警報に切り替え、3月1日未明に注意報に変更した。
 警察庁によると、人的被害の情報は入っていない。
 共同通信のまとめでは、10都道県の計約19万9千世帯、約52万2千人に避難指示が出た。北海道から九州にかけての太平洋沿岸を中心にJRが運転を見合わせるなど交通機関に影響が広がった。
 気象庁は、三陸地方以外の太平洋沿岸全域と日本海沿岸の一部に津波警報を、北海道のオホーツク海沿岸や中四国の瀬戸内、九州の一部沿岸などに津波注意報を出した。警報は1日午前1時すぎまでに高知県を除きすべて注意報に切り替えた。

http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022801000052.html

この件についての私の意見をまとめると以下のようになります。

  1. 多くの鉄道、道路が使えなくなった結果、多くの人に影響が置きました。鉄道会社、道路を通行止めにした組織は、今回の措置が妥当であったかを、各路線、各道路のレベルで調査・検討し、次回の危機に備えるべきだと思います。また、今回は日曜日であり、外出する予定の人が外出してから、運休、通行止めが発表されました。これは、気象庁の発表が午前9時33分だったためだからでしょうが、津波が来るのは前日からわかっていたのですから、どうにかならなかったのかと思います。
  2. どのような大きさ(2m,1m,...)の津波が来るかについての予測は気象庁によりされました。しかし、防潮堤が日本各地に作られている現在では、防潮堤がつくられていない時代と同じレベルの被害を被ることはありません。地域の実情に合わせて津波の危険度を算定する仕組みが必要だと思いました。これが可能になれば、避難のための移動が困難である人に避難を強いることもなくなるでしょうし、必要以上の鉄道路線が運休になったり、道路が通行止めになることはなくなると思います。
  3. NHKなどで行われた当日の放送は、私にとっては、気象庁の発表以上のものをもたらしませんでした。この自治体では、防潮堤がしっかり作られているとか、各自治体の出しているハザードマップなどに基づいて、提示できる情報はいくらでもあったのではないかと思います。
  4. 津波で完遂した魚市場など漁港の周辺についての報道がされました。しかし、これらの海と共に生きる人たちのいる地域には特殊事情があります。普通の海岸沿いでは、防潮堤により海と住居エリアを分離することにより、津波の被害が起こりにくくすることができます。しかし、海と共に生きる人たちのいる地域では同様に分離をしてしまうと仕事に支障が起きます。したがって、ある程度は危険性と付き合っていかなくてはなりません。例えば、漁から戻ってきた漁船が横付けをすることができる魚市場は、被害が起きる可能性が存在します。このような事情に触れずに、被害についてだけ報道するのは片手落ちのように思いました。


気になった新聞記事についてコメントを加えます。

津波警報、防潮堤閉鎖せず 東京都、外側に福祉施設
2010/03/03 06:34(共同通信
チリ大地震に伴い2月28日に東京湾岸に津波警報が出た際、東京都が大田区東糀谷の防潮扉を閉鎖せず、半開きの状態にしていたことが3日分かった。
 防潮扉外側の海に面した敷地には、お年寄りら約300人が入所する福祉施設や工場がある。都港湾局は「閉鎖すると車の出入りができないと判断した」と説明。津波被害を十分防げなかった可能性があり、以前から指摘されていた福祉施設の立地環境の適否が、現実の問題として浮上した形だ。
(後略)

http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030301000017.html

防潮堤の外に、福祉施設や工場があるというのは、何のための防潮堤なのでしょうか??
【追記 2010.3.7 22:22】この福祉施設サンタフェガーデンヒルズ)と防潮堤に関する記事は、2009/01/10 の記事(47news=共同通信)の記事に詳しく書かれていました(何故、上の記事からリンクをしないんだい?)。防潮堤が建設されたのが1960年代後半、この福祉施設が開業したのが2007年4月のようです。

善光会(=福祉施設の法人名)は、防潮施設として施設のビル1階の周囲に既存の防潮堤と同じ高さの擁壁を設置、「安全性に問題はない」と主張するが、港湾局幹部は「擁壁は防潮施設としては不十分といわざるを得ない」と指摘する。

http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011001000515.html

...ということのようですから、論理的には防潮堤は占めて構わなかったということになりますね。でも、本当に閉めてしまったらば、批判をする人はいるでしょうし...。

「早く いつもの海に 宮城・チリ大地震津波
         河北新報(2010年03月03日水曜日)
  (前略)
◎床上浸水の加工場掃除/南三陸
 南三陸町南町の旧志津川魚市場のそばにある海産物加工業「丸寛商店」。加工場が防潮堤の外側にあり、津波で床上浸水した。2日は高橋寛社長(50)らが海水に漬かった床や道具をホースの水で洗い流す作業に追われた。

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/03/20100303t13033.htm

  加工場を防潮堤の外に作るリスクは承知で作ったのですから、残念ですが、仕方がないです。

チリ大地震:各地に津波 海が上がり港冠水−−北海道・根室、浜中」
            毎日新聞(2010年3月1日 北海道朝刊)
(前略)
午後3時48分に90センチの津波が押し寄せた根室市花咲港。海水が防潮堤の下からしみ出し、道路にあふれ出た。岸壁は海水ですっかり覆われ、近くに止め てあった乗用車は、タイヤの下から3分の2が水につかった。防潮堤のコンクリートには海水の跡がくっきりと刻まれ、高さは50センチにも達していた。
(後略)

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100301ddr041040004000c.html

「防潮堤の下からしみ出し」って、防潮堤の不備なのでしょうか?

「避難、交通…問題点あらわ チリ大地震津波・現場ルポ」
           河北新報(2010年03月03日水曜日)
(前略)
◎通行止めで孤立状態に/陸前高田
 岩手県陸前高田市気仙町の国道45号。2月28日午後6時半ごろ、通行止め解除を待つ100台以上の長い車列に巻き込まれた。気仙沼市方面へ行こうにも県境付近で通行止め。迂回(うかい)路もない。孤立状態に陥った。
 津波浸水の危険などのため、国道45号は同日午後0時半から青森、岩手、宮城3県で部分的に計21区域、延べ126キロが通行止めとなった。
  警察官に尋ねても見通しは分からない。一向に動かない車列にドライバーは疲れた表情で、いら立ちを募らせていた。3時間以上待っているという女性は「小さい子どものトイレが大変だ」とこぼした。通行止め場所を移動し、午後7時20分すぎには動けるようになったが、岩手県内で解除されたのは午後9時。東北地 方整備局三陸国道事務所は「安全第一を使命にやっている」と話すが、立ち往生するケースはほかの場所でもあったという。
 安全最優先は言うまでもない。ただ、もう少し現場の状況を踏まえた柔軟な対応や周知はできないか。また、トイレや食料の確保など長期化を想定した備えも含め、道路事情が必ずしもよくない東北での交通規制の在り方を検討すべきだと思う。

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/03/20100303t73025.htm

今回は、「安全最優先」というか、問題が起きた時の批判を回避するために、現場の状況を考慮しないで、そこらじゅうで通行止めが行われたという感じがします。記事に書かれている「通行止めされた計21区域、延べ126キロ」の中のどれだけが、本当に必要であったかを調査・検討する必要があると思います。