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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

とても良かった子供時代の布美枝(「ゲゲゲの女房」第1話−第6話)

ゲゲゲの女房」の第1週(第1話−第6話)では、主人公・飯田布美枝の子供時代が描かれました。7歳の布美枝(昭和14年)を演じたのは菊池和澄さん、10歳の布美枝(昭和17年)を演じたのは佐藤未来さんです。二人の演技はとても良かったです。第1週が素晴らしい出来栄えであったことには、この二人の子役の功績が大きいと思います。

布美枝の生まれたのは島根県の大塚村です。調べると、大塚村は、安来町(現在は、安来市)の7キロくらい南にあったようでした。布美枝は呉服屋を営む飯田家(二男三女)の三女でした。厳格な父の源兵衛(大杉漣)、控え目な母のミヤコ(古手川祐子)、そして、優しい祖母・登志(野際陽子)がいました。布美枝は引っ込み思案で、大家族のなかでは存在感が薄くなりがちでした。そして、10歳になり背が高くなった布美枝は、それをコンプレックスに感じ、一層の引っ込み思案になります。
懐かしさを感じさせる大塚の風景の中で、3つのエピソード、「安来への冒険」、「盆踊り」、「姉・ユキエの結婚」が、2話づつで描かれました(題名は私が勝手につけています)。「安来への冒険」は7歳の時、その他の2のエピソードは10歳の時のものです。

「安来への冒険」は、安来の商家に嫁いだ叔母・輝子(有森成実)が体調を壊したという噂を聞いた布美枝が、ラジオ体操の皆勤賞で貰ったミルクキャラメルを持って会いに行くものでした。布美枝は、輝子が元気であることは確認できたのですが、店の者にミルクキャラメルを託しただけで、輝子とは話すことができずに大塚への帰路につきます。安来に向かう時は一生懸命で気にならなかったのですが、帰りになると人通りのない道で心細くなります。そして、人のいない道で妖怪「べとべとさん」に追いかけられて怖い思いをします。しかし、出会った青年に勇気づけられ、無事に大塚まで戻ってきます。なお、この青年が、布美枝が後に結婚することになる水木しげるのようです。

「盆踊り」では、踊りの好きな布美枝が楽しみにしていた盆踊りの話です。でも、背が高いことを近所の悪童にからかわれて、布美枝は踊るのをやめようとします。このことを知った祖母の登志は布美枝を励まします。そして、布美枝は友達のチヨ子と共に盆踊りに出ることを決心します。盆踊りにおいて、悪童は邪魔をしようとするのですが、先祖の霊が布美枝を守ります。このエピソードは、お盆に来てくれた先祖を送り出す精霊流しの場面で終わります。調べたところ、精霊流しを行った伯太川は、大塚から安来に向かって流れる川です。なお、精霊流しの写真(ドラマから半世紀後の昭和63年)を、「たよさん日記 | 『ゲゲゲの女房』−ふるさとは安来−」に見つけました。

「姉・ユキエのお見合い」では、布美枝と二女・ユキエ(足立梨花)との絆が描かれます。ユキエはこの時代の女性の生き方に飽き足らず、自由な生き方をしたいと考えていました。そして、優秀なユキエは学校の教員になりました。しかし、見合いに興味を示さないユキエを見て、父の源兵衛は教員を無理やり辞めさせてしまいます。怒ったユキエは叔母・輝子の家に家出をしてしまいます。ユキエの家出により家の雰囲気は悪くなり、家出を手助けした布美枝は悩みます。
そんな折、見合い相手の横山(石田法嗣)が訪ねてきます。家の前で横山と会った布美枝は、(横山とは卵の件で知り合いだったので、)見合いを断わってくれと頼みます。横山は最初は憤慨するのですが、布美枝に事情を聞き、頼みを聞き入れます。
ある日、母のミヤコがミツバチに刺されて倒れます。飯田家では、入手が難しくなっていた砂糖の代わりに蜂蜜を採ることを考え、ミツバチを飼っていたのです。近所の医者は安田村に往診に行っていたので、布美枝が呼びに行きます。安田村に着き、必死に医者を探していた布美枝に横山が気が付きます。横山は安田村の農家の息子だったのです。横山は医者をおぶって飯田家に駆けつけ、おかげでミヤコは助かります。
ほっとして、祖母の登志と横山がなごんで話していると、家出していたユキエが叔母の輝子と、横山の悪口を言いながら戻ってきます。横山は何も言わずに立ち去りますが、布美枝はいたたまれなくなり、事情を打ち明けます。そして、直ぐに横山を追っていきます。
横山に追いついた布美枝は懸命に謝ります。布美枝に声をかけようと近寄る横山でしたが、途中で立ち止まります。追いかけてきたユキエに気がついたのです。そして、ユキエは横山を見つめ頭を下げます。(この場面は役者さんの演技も、撮り方も絶妙です)
その後、お見合いはやり直しになり、二人は結婚をすることになります。ユキエは、母を懸命に看病する父の姿を観て結婚も悪くないと考え直し、また、この一件で横山を結婚するに値する人物であると判断したようです。
ユキエを演じた足立梨花さんについては、「ふたつのスピカ」(2009年6− 7月、NHK)において、万里香を好演していたので期待はありました。しかし、このドラマでの演技は期待以上でした。足立梨花さんの出番が今週のみであることは残念です。なお、来週からは、もう少し大人になったユキエを星野真里さんが演じます。


ゲゲゲの女房」の第1週を観て、このドラマが良いなぁと思った理由の一つに、台詞などにおける言葉の選び方がいいことが挙げられます。脚本家は物書きの専門家だから言葉の選び方が上手いのは当然だと思われる方もいると思いますが、日本語の不自由な脚本家さんって案外いるのです。特に、前作の「ウェルかめ」には添削したくなるような台詞が少なからずありました。
「姉・ユキエのお見合い」におけるセリフでは、ユキエが布美枝に裁縫箱を譲る場面のものが特に良かったです。裁縫箱の中に、ユキエが大事にしていた映画「モロッコ」のリーフレットがあることに気がついた布美枝に、ユキエが次にような言葉をかけます。この言葉には、ユキエの聡明さがよく表されています。
「私は(「モロッコ」のリーフレットは)もうええの。モロッコまで行かんでも、いい人が見つかったけん。布美ちゃんが連れてきてくれたんだよ。安田から来たけん、ゲーリークーパーとは、ほど遠いけどな」


ということで、来週も期待して観ることにしたいと思います。