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記事一覧

人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

テレビ東京が「スターズ・オン・アイス2010」の放送において編集した件の報道について

テレビ東京による「スターズ・オン・アイス2010」の放送(2010.4.11)において編集があったことが、スポーツ新聞などにおいて報道されました。サンケイスポーツのものを貼っておきます。

「テレ東、真央ら3選手の演技映像をつなぎ合わせ」
                       サンケイスポーツ(2010.4.24 00:33)
フィギュアスケートアイスショーを放送したテレビ東京の番組で、浅田真央ら3選手の演技の映像を編集し、別の日の演技をつなぎ合わせていたことが23日、分かった。
 番組は11日放送の「スターズ・オン・アイス2010」。同局によると、9〜11日に東京都内で開催されたショーのうち、9日分を中心に制作した。9日は浅田選手が3回転ジャンプを、小塚崇彦選手ら2人もジャンプを失敗したため、その部分だけ、成功した10日の演技の映像と差し替えた。放送では演技の映像を編集したことなどの説明はしなかった。
 テレビ東京の島田昌幸社長は23日の定例会見で「あくまでショー。選手の妙技をより良い姿で見せたもので、問題はない」と説明。
 森川貞夫元日本体育大教授(スポーツ社会学)は「今のテレビはスポーツの娯楽性に偏り、記録性を軽視しがちだ。ショーであっても編集したことを明らかにしていない以上、視聴者を欺いたことになる」と指摘している。

http://www.sanspo.com/geino/news/100424/gnj1004240146001-n1.htm

この記事の第一印象は、「わかりにくい記事」というものでした。この記事では、浅田真央さんの9日の演技全体を11日の演技全体と差し替えたのか、9日の演技の3回転ジャンプの部分だけを11日の演技の3回転ジャンプと置き換えたのかが特定できません。後者の場合には高い映像技術を要するので、前者であると私は推測しますが、後者であると解釈する人もいると思います。いずれにせよ、複数の解釈ができる文章は失格です。また、意図的にそのような文章を書いたのであれば問題だと思います。

森川貞夫元日本体育大教授の指摘ですが、この指摘だけを単独で読むと適切なコメントです。しかし、上の文章の後に追加すると、事実誤認する人がいると推測します。フィギュアスケートを含むスポーツのテレビ中継(ショーは含まない)において、記録性よりも娯楽性を優先しているテレビ局は存在しています。そして、そのテレビ局の中には、私の認識ではテレビ東京は入っていません。しかし、そのことを知らない人が、この記事の中の森川貞夫元日本体育大教授の指摘を読むと、他のテレビ局よりも、テレビ東京が問題であるような印象を持つ懸念があると思います。
なお、フィギュアスケートの競技会の中継に関しては、サンケイスポーツと同じフジサンケイグループに入っているフジテレビは行っていますが、テレビ東京は行っていないと私は認識しています。

テレビ東京の島田昌幸社長が23日の定例会見でこの件について述べたのは、週間朝日(4月30日号)の記事が発端なのではないかと、私は推測します。私は、この記事はまだ入手できていませんので、「ときどき黒猫」さんの記事にリンクを張っておきます。なお、週間朝日と同じグループに入っているテレビ朝日フィギュアスケート中継は、娯楽性を重視していると、私は認識しています。


上記のサンケイスポーツの記事は、2010.4.24 00:33 における記事なのですが、4時間半後(05:01)のものは、内容が若干変わり、タイトルは「テレ東、アイスショー真央転倒を偽装」と、センセイショナルなものになっています。

「テレ東、アイスショー真央転倒を偽装」
                    サンケイスポーツ(2010.4.24 05:01)
女子フィギュアスケート浅田真央(19)らが出場し、テレビ東京が11日に放送した「スターズ・オン・アイス 2010」で、転倒した浅田の演技を差し替えて放送していたことが23日、分かった。
 同アイスショーは9日から11日まで東京・代々木第一体育館で行われた。同局によると、放送した9日の演技は、実際はトリプルフリップで転倒。その部分を成功した10日のトリプルフリップに差し替えるなど、計3選手で同様の編集を行った。同局の島田昌幸社長(65)は23日の定例会見で「あくまでショーなので問題はない。選手の妙技を見てほしかった」と説明した。

http://www.sanspo.com/geino/news/100424/gnj1004240502008-n1.htm

記事の本文では、「差し替え」と表現しているのですが、人目を引くようにという意図があるのか、タイトルには「偽装」が入っています。なお、フジサンケイグループ夕刊フジの記事のタイトルはさらに過激になり、「中国もビックリ?テレ東が真央トリプルフリップ“偽装”」となっています。


【ここまでの内容に関連した記事、サイト 】


「偽装」をタイトルにいれたサンケイスポーツ(フジテレビと同じグループ)の意図が、お仲間(日本テレビ、TBS、テレビ朝日)ではないテレビ東京の評判を落とすことか、単にセンセイショナルなタイトルをつけたかったかどうかは不明です。ただ、最近、産経新聞がセンセイショナルなタイトルをつける傾向があるかもしれないと感じた記事はありました。

その記事(「「鳩山首相の信頼はボロボロ」 いまや“日本けなし”の時代と米紙」)は、ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal )におけるマイケル・オースリン(Micheal Auslin)氏の記事に関するものです。産経新聞の新聞の記事では、「米紙ウォールストリート・ジャーナルのアジア版」と記述してありますが、該当記事は見つかりませんでした*1。その代わり、Wall Street Joural の本体の記事と、日本語版の記事は探し当てることができました。なお、アジア版において検索をすると、Wall Street Joural の本体の記事が出てきます。
産経新聞のタイトルにおける“日本けなし”は、Wall Street Joural の本体の記事における「Japan Dissing」を訳したものだと思いますが、Wall Street Joural の本体の記事を読む限りには、“日本けなし”という訳が妥当だと思えませんでした。なお、日本語版の記事では、「Japan Dissing」は、“日本切り捨て”となっていました。日本語版の文章を書かれて人いるが、本体の記事の意図を正しく理解されているのであれば、産経新聞の記事を書いた佐々木類さんの解釈は間違っているか、意図的に妥当でないタイトルをつけたことになります。私は、全国紙の中では、産経新聞の評価は高かったので、いずれにせよ、この記事については残念だと感じています。

「「鳩山首相の信頼はボロボロ」 いまや“日本けなし”の時代と米紙」
                 産経新聞(2010.4.23 09)
 【ワシントン=佐々木類】米紙ウォールストリート・ジャーナルのアジア版(電子版)は22日付で、現在の日米関係について「ジャパン・ディッシング(日本けなし)」と題する記事を掲載した。
 記事を書いたのは、米大手シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所」のオースリン日本部長。この中で、日米関係について「かつてはジャパン・バッシング(日本たたき)、ジャパン・パッシング(日本素通り)という時期があったが、今やジャパン・ディッシングともいうべき新しい時代に入った」としている。
 その理由として、「鳩山由紀夫首相の信頼はボロボロになり、米政府高官たちは日本人を内心でますます見放すようになってきている」からだと指摘。その上で、「米国との親密な関係がなければ、日本は(アジアにおいて)今以上に孤立することになるだろう。それは世界第2位の経済大国にとって健全な状態とはいえない」としている。
 記事はまた、「だれも日米同盟が崩壊するとは予測していないが、鳩山首相が現状を変えることができなければ、両国関係は明らかに棚上げされるだろう」と強調。「ワシントンとの話し合いができる状態になるか、鳩山首相が辞任しない限り、ジャパン・ディッシングは、アジアにおける数十年にわたる安定と繁栄を一変させる脅威となる」と結論付けている。
 ディッシング(dissing)の原形であるディス(dis)は、けなす、非難する、軽蔑(けいべつ)するといった意味の米俗語。

MSN産経ニュース

*1:本来ならば、Web記事の方でリンクを張っておくべきです