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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

東国原知事の定例記者会見についての産経新聞の記事に違和感を感じたので、会見の動画を見て確認しました。

昨日(5/18)の夜は宮崎県の東国原知事の定例記者会見(5月)の動画を3時間かけて見ました。実際の動画は1時間強でした。しかし、宮崎県庁のホームページにある「知事の部屋」に置いてある動画は、アクセスが多かったためか、途切れ途切れにしか観ることができなかったので、3時間を費やすことになりました。


だからといって、私は東国原知事の支持者ではありません。どちらかというと、彼の衆議院への出馬騒動などのために、印象はよくありませんでした。そんな私が、今回の定例記者会見を観ようと思ったのは、産経新聞によるこの記者会見についての記事に違和感を感じたからです。

東国原知事「寝てない!けんか売ってんのか!」 大荒れ記者会見」
                                産経新聞(2010.5.18 13:42)
感染拡大が続く口蹄(こうてい)疫に対し18日、非常事態宣言を発した宮崎県。「このままでは県の畜産が壊滅する」と宣言では危機感を鮮明に出した。一方、会見した東国原英夫知事は、連日の拡大防止などへの対応に疲労困憊(こんぱい)の様子。今後の対応を迫る報道陣に対し、「けんかを売ってるのか」と声を荒らげ、退席しようとする一幕もあった。
 非常事態宣言は「懸命の防疫措置を講じてきたが、拡大が止まらない」として、消毒を徹底することや県民に対し不要不急の外出を控えることを記した。
 会見で東国原知事は、殺処分かワクチン接種かなど今後の防疫体制について「検討します」との言葉を繰り返した。
 しかし記者から、知事の判断ではないかと問われると、徐々にヒートアップ。最後には「我々は一生懸命やっているんです。毎日寝ずに」と怒鳴り、机をがんと叩いて「以上です」と会見を打ち切ろうとした。
 制止する報道陣に対し、「けんか売ってるのはそっちだ」と声を張り上げたが、職員らに促されて再び、会見の席に着いた。
 国の支援策などについて聞かれると、ようやく落ち着きをみせ、最後には「速やかに一歩踏み込んだ対策を出したい」と話した。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/100518/bdy1005181342005-n1.htm

今までは、宮崎県で発生している口蹄疫に対する報道を積極的には行ってこなかった(ように私には見える)全国紙、そして全国ネットのテレビ局ですが、先週末頃から、この件についての報道が増えてきたように思います。しかし、これまでされてきた報道に較べると、口蹄疫が拡大した原因を宮崎県の初動の遅れとする記事が目立つような印象を受けています。これに対して、政府の対応の遅れを指摘することが少ないので、被害の拡大の責任は国よりも宮崎県にあるように印象付けようという意図があるように、私は感じてしまいます。
そして、産経新聞のこの記事も、タイトルからして、東国原英夫知事に問題があるような印象を与えるものです。しかし、記事に印象操作の意図があるという私の受け止め方は誤りである可能性もあります。そこで、東国原知事の定例会見の動画を見ることにより、私の直感があっているか否かを確認したかったのです。結果としては、少なくてもこの記事においては私の直感はあっていたと思いました。

定例会見は、普通の会見と同様に、東国原知事の話と、記者との質疑応答から構成されていました。東国原知事の話は分かりやすかったです。質疑応答は、初めのうちは何も問題なく進んでいました。記者の質問に東国原知事は真摯に答えていました。しかし、場の雰囲気は、南日本新聞の前田記者の質問により、がらっと変わりました。前田記者の話し方は、知事に対するリスペクトを感じさせず、その代わりに傲慢さを感じされるものでした。質問の仕方は何か自分が権利者であると勘違いしているようなものでした。そして、質問の内容にはいかがなものかと感じるものでした。この後、女性記者の頭の悪い*1質問が続き、東国原知事は声を荒げることになります。私は、この二人の質問に憤りを感じましたし、声を荒げた東国原知事に非があるとは思いませんでした。前田記者が自分に正義があると勘違いして、東国原知事を糾弾しようとする姿は不快でした。

東国原知事とこの二人の記者の具体的なやり取りについては、「一平の雑記録」さんが書き下していますし、該当部分の動画がニコニコ動画にありますので、以下にリンクを張っておくだけにとどめます。お時間がありましたらば、字面だけではなく、どのような口調で質問がされたかを、動画で確認することをお勧めします。


  (前田記者の質問は、1:37頃から)

定例会見の動画を観て感じたことは、東国原知事を筆頭とした宮崎県の人が、様々な制約があるのにもかかわらず、今回の件に懸命に取り組んでいるということでした。そして、東国原知事に対する私の好感度は上がりました。
彼らに課されている制約の一つは法律です。例えば、家畜伝染病予防法は、種牛を安全な場所に移すことの障害になりました*2。そして、その他の制約としては、十分でない資金、獣医、埋葬する土地、時間などがあります。宮崎県が行った判断の中には最適でないものがあったかもしれません。しかし、それは結果論に過ぎないように思います。
今回、産経新聞が、記事で伝えなくてはならなかったことは、東国原知事が言葉を荒げたことではないと、私は思います。

今までは、ニュースソースに読者がアクセスすることができない時代が続いていましたが、今は違います。産経新聞の記者は、東国原知事と前田記者(南日本新聞)とのやり取りを見て、前田記者に理があると判断されたのかもしれません。それは、一つの見識だと思います。しかし、もし、それがニュースソースにアクセスする大部分の人の見識と異なっているとしたら、多くの人が参考にするメディアであると判断されるのかは疑問です。

*1:上手い表現ができなくて申し訳ありません。

*2:東国原知事は、4/27に上京した時に、特例を認めて種牛の移動を認めて欲しいという要望をしたそうなのですが、それが6頭のエース級の種牛に認められたのは、赤松農林水産大臣が宮崎入りした5/10以降でした。