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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

二人の死刑囚の執行が行われたことに際して(2010.7.28)

2007年死刑が確定した二人の死刑囚の執行が、7/28に行われました。篠沢死刑囚による事件は2000年6月、尾形死刑囚による事件は2003年8月ですから、すでに10年と7年の時間が経っています。被害者の家族の方にとっては長い月日であったに違いがありません。「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだった千葉法相が、昨年9月の政権交代で就任してからは初めて死刑執行命令を出したことが、千葉法相が参議院選挙で議員としての身分を失った直後であったことが様々な憶測を呼んでいます。しかし、千葉法相の意図はどうであれ、被害者の家族にとっては、良い決断であったと思います。

千葉法相は、今後、死刑制度の存廃を含めた制度のあり方を研究する勉強会を発足させると発言しているようですが、内閣府が今年の2月に発表した世論調査によると(以下に朝日新聞の記事を添付)、死刑を「やむを得ない」と容認する人の割合が過去最多の85.6%となったとのことです。したがって、死刑制度の存廃についての民意は明らかですから、勉強会で研究する必要はないと私は思います。

「死刑「やむを得ない」過去最高の85.6% 内閣府調査」
                  朝日新聞(2010年2月6日19時29分)
死刑制度に対する意識を探る内閣府の昨年の世論調査で、死刑を「やむを得ない」と容認する人の割合が過去最多の85.6%となったことがわかった。同府が6日、結果を公表した。同じ質問で1994年から5年ごとに調査が続けられているが、回を追うごとに容認派が増えている。結果からは、犯罪被害者の憤りに対する共感や、死刑を廃止すると凶悪犯罪の増加につながりかねないとの不安がうかがえる。
 調査は昨年11月末から12月初旬にかけて、全国の20歳以上の男女3千人を対象に面接の形で実施した。有効回答は1944人(64.8%)。
 死刑の是非は三つの選択肢を示して尋ねた。「場合によっては死刑もやむを得ない」を選んだ容認派は85.6%で、2004年の前回調査から4.2ポイント増。「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」とした廃止派は5.7%で0.3ポイント減だった。「わからない・一概に言えない」は8.6%で3.9ポイント減だった。
 容認派にその理由を尋ねると、廃止すれば被害者やその家族の気持ちがおさまらない▽凶悪犯罪は命で償うべきだ▽廃止すれば凶悪犯罪が増える――との理由が上位に並んだ。また、「将来も廃止しない」と答えた人は60.8%で、「状況が変われば廃止してもよい」の34.2%を上回った。
 一方、廃止派の理由は「生かして罪の償いをさせるべきだ」が最多で、「裁判に誤りがあったとき取り返しがつかない」「国家であっても人を殺すことは許されない」と続いた。
 国際的には近年、死刑廃止の流れが定着している。08年には国連規約人権委員会が日本政府に「世論に関係なく廃止を検討すべきだ」と勧告するなど風当たりは強まっているが、政府は「世論の支持」を根拠に存続の姿勢を崩していない。

http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY201002060263.html

むしろ議論するべきことは他のことであり、これには大きく言って二つあると思います。一つには、執行が行わていない死刑確定者が107人も存在することをどう考えるかということです。私としては、これほど多く存在することは問題だとと思っています。そして、死刑が確定したならば、法務大臣の指令を待たずに自動的に執行することにしたほうが良いのではないかと思っています。
もう一つは、死刑確定までに要するプロセスについてです。もちろん、間違った判断をしないために最大限のことをするべきですから、そのために必要なことは行うべきです。しかし、事件の凶悪性に議論の余地がなく、事件ついての事実認識に間違が起きる可能性が微塵もない場合には、死刑を迅速に確定することにためらう必要はないと思います。
例えば、これには「秋葉原 無差別殺人事件」(2008年6月8日)が該当すると思います。事件の凶悪性について議論の余地がなく、犯人が間違えようがないこの事件ですが、2年強も経た現在において、被告人質問が始まったばかりです。この被告人質問により、被告が小さい頃から母親にキツイ仕打ちを受けていたことや、自分の存在のよりどころである掲示板を荒らされていたことが、証言されました。しかし、これらの事実は、全く判決には影響がないことです。私は、本来の目的のためには必要がないことのために、時間が費やされているように見えます。


さて、毎日新聞の社説(2010年7月29日)は、「世界の3分の2を超える国が法律上、または事実上の死刑廃止国だ。先進国で死刑を存置しているのは、日本と米国である。」と、死刑に対して反対の立場をとっているように見えます。死刑廃止を主張する人の多くがこのことを理由の一つに挙げているのではないかと思います。しかし、多くの先進国は同じ歴史や文化の上に存在していますが、日本はそれとは異なります。したがって、先進国は...という議論は無意味だと思います。それらの国では死刑は必要がないのかもしれません。でも、日本は、日本の実情と民意によって決めればいいのだと思います。