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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

イアフォンで音楽を聞きながら自転車で第4種踏切を通った学生が、電車にはねられた件の報道について

9/4の夕方、秩父鉄道(持田―熊谷駅間)の第4種踏切を自転車で通った大学生が、電車にはねられて、意識不明の重体になりました。学生はイアフォンで音楽を聞いており、踏切における一時停止や、左右の確認はしなかったようです。なお、第4種踏切とは、遮断機と警報機がない踏切です。

この件をこのブログで取り上げることにした一つの理由は、報道により事柄の印象がだいぶ違ってくるという一例であるからだと思うからです。ネットでは、この件について一つのニュースソースの情報だけを読んで、十分に把握しないで、意見を述べている人を少なからず見かけました。
もう一つの理由は、私自身が事故のあった区間の秩父鉄道に乗ったことがあるからです。この時は、東武鉄道佐野駅から秩父鉄道の熊谷駅まで、羽生駅で乗り換えていきました。途中、線路の近くにおいて不適切な振る舞いをした人達のために、電車が一度停まりました。今考えてみれば、そこは第4種踏切であったのではないかと思います。

秩父鉄道では、事故防止のために第4種踏切の全廃をめざしているようですが、踏切を管理する自治体との話し合いがなかなか進まないようです。地元の人は利便性を確保するために、廃止をして欲しくないのだと思います。もちろん、遮断機と警報機のある踏切に全ての第4種踏切を変えることがベストだと思います。しかし、秩父鉄道は、現状の運賃のままでは、それを実現することは不可能ではないかと推測します。


この事故について、私は、毎日新聞、読売新聞、共同通信(47News)、東京新聞の記事をネットで読みました。この中で、事故の原因が秩父鉄道にあるか、学生にあるかを判断するに必要な情報が客観的に、かつ、簡潔に書かれているのは読売新聞であるように、私は感じました。まず、この記事を引用します。

「イヤホンの学生、遮断機ない踏切ではねられる」
                     読売新聞(2010年9月9日12時46分)
 8日午後4時半頃、埼玉県熊谷市曙町の秩父鉄道持田―熊谷駅間の踏切で、自転車で渡ろうとした同市に住む大学4年の男子学生(22)が、下り普通電車(3両編成)にはねられ、全身を強く打ち、意識不明の重体になった。
 熊谷署の発表によると、現場は警報機も遮断機もない踏切。運転士は数十メートル手前で、左側から年配の女性が自転車で横切ったため警笛を鳴らしたが、直後に右側から学生が進入してきたという。学生は耳にイヤホンを付け、ポケットにある携帯型の音楽プレーヤーが再生状態になっていた。
 同署は、学生が音楽を聴いていたため、電車の接近に気づかなかったとみて調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100909-OYT1T00317.htm


読売新聞では、「運転士は数十メートル手前で、左側から年配の女性が自転車で横切ったため警笛を鳴らしたが、直後に右側から学生が進入してきたという。」ということが記載されていたので、運転手が出来る限りの努力がしたということが伝わってきますが、他の3紙はそうではありませんでした。
毎日新聞と、東京新聞では、秩父鉄道の第4種踏切では、少なからず事故が起きていることが記載されており、秩父鉄道が行っている対策についても書かれています(東京新聞において詳しいです)。
今回の事故における本質的な問題は、学生がヘッドホーンで音楽を聞きながら、一時停止をしないで踏切を通りすぎようとしたことにあると思います。東京新聞の記事では、周辺における自転車の運転マナーについても書かれています。

鉄道事故:自転車で音楽聴き踏切渡る、大学生はねられ重体−−熊谷・秩父鉄道 /埼玉」
            毎日新聞(2010年9月9日 地方版)
 8日午後4時半ごろ、熊谷市曙町2の秩父鉄道熊谷−持田間の踏切で、自転車に乗って踏切を渡ろうとした熊谷市の男子大学生(22)が、羽生発熊谷行き普通電車(3両編成)にはねられた。大学生は頭を打ち意識不明の重体。踏切は遮断機や警報機のない第4種踏切だった。
 熊谷署によると、大学生が身につけていた携帯音楽プレーヤーが再生中だったため、大学生は音楽を聴きながら自転車に乗っていたとみられる。事故との関連を調べている。
 秩父鉄道の第4種踏切では、99年以降13人が死亡しており、今年5月にも秩父市の高校1年の男子生徒(15)が市内の第4種踏切を自転車で渡ろうとしてはねられ死亡した。この事故を受け秩父鉄道では、踏切に音声装置やLEDランプの点滅装置を設置するなどの対策を進めていた。【平川昌範】

http://mainichi.jp/area/saitama/news/20100909ddlk11040244000c.html

携帯音楽聴き線路進入か 電車にはねられ大学生重体
      共同通信(2010/09/09 00:13)
 8日午後4時半ごろ、埼玉県熊谷市曙町の秩父鉄道の踏切で、自転車に乗っていた法政大4年の男子学生(22)=同市=が羽生発熊谷行き普通電車にはねられた。学生は頭などを強く打ち意識不明の重体。
 熊谷署は、学生の肩に携帯音楽プレーヤーのイヤホンがかかっていたことから、電車に気付かず踏切に進入したとみて、事故原因を調べている。
 同署によると、現場は遮断機と警報機がない、歩行者や自転車用の小さな踏切。運転士が大学生に気付いてブレーキをかけたが、間に合わなかったという。

http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090801001210.html

秩父鉄道第4種踏切 統廃合進まずまた事故」
            東京新聞(2010年9月10日)
警報機も遮断機もない「第四種踏切」を多く抱える秩父鉄道。自転車や歩行者を危険にさらすとして第四種の全廃を目指しているが遅々として進まず、八日にまた大学生が電車にはねられる重体事故が発生した。便利さのために安全性を犠牲にし続けるのか、沿線自治体や住民の選択が問われている。(柏崎智子)
 八日の事故は、熊谷市曙町二にある幅二メートルの歩行者と自転車用の第四種踏切で起きた。同市の大学四年の男性(22)が自転車で進入し、普通電車にはねられ意識不明の重体に。熊谷署によると、男性はヘッドホンステレオを携帯しており、音楽を聴くなどして電車の音に気付かなかった可能性もあるという。
 同踏切は、警報機と遮断機付きの第一種踏切に挟まれた位置にあり、下り側踏切との距離はわずか六十六メートル。警報音は十分聞こえる。が、あまり意味をなしていないようだ。
 九日、現場では、警報音が鳴り響く中、イヤホンを着け自転車に乗った若い男性が一時停止も減速もせず渡っていった。ヘッドホンを着けた別の自転車の男性も同様に列車の通過直前なのに、安全確認なしだった。
 歩行者や自転車の“自己責任”で渡る秩父鉄道の第四種では事故が頻発。二〇〇〇年度から〇九年度までの十年間で二十一件発生し十二人が死亡した。同鉄道は全踏切の数が三百十一カ所と多く、線路二百六十一メートルごとに一カ所ある計算で、間隔が県内一短い。その三分の一に当たる百二カ所が、第四種だ。
 同鉄道は、事故防止のため第四種の全廃を目指すが、踏切に接続する道路の管理者である自治体との協議でつまずいている。今年も六、七月に各自治体を回ったが、付近の住民が遠回りすることを嫌うとしてまとまらないのだ。十年間で統廃合できたのは、第一種への格上げも含め十八カ所しかない。
 事故のたび、秩父鉄道では注意表示の取り付けや、沿線の学校に生徒への安全教育を依頼するなどしてきた。今年七月には踏切に人や自転車が近づくと「右、左を確認して」と呼び掛ける音声装置を導入、これまでに二十一台設置した。しかし、ヘッドホンを着けた人には聞こえない可能性が高く、根本的な解決にはなっていない。同鉄道は「統廃合を自治体と粘り強く交渉したい」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20100910/CK2010091002000066.html