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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「名前」をキーワードとして、「Q10」(キュート)の第1話をまとめてみる

Q10」(キュート)の第1話については、すでに以下の記事を書いているのですが、今回は、違う観点で書いてみます。

で、脚本を書いている木皿泉さんのドラマは、各話にテーマand/orキーワードがあるようです。「Q10」(キュート)の第1話では、キーワードは「名前」であると思います。これをキーワードにして、第1話を振りかえってみます。


主人公の高校生・深井平太(佐藤健)は、理科準備室に置かれていたロボット(前田敦子)を偶然に起動してしまいます。そして、そのロボットに請われて「名前」をつけます。平太はロボットの足の裏に「Q10」と書かれていたので、「Q10」(キュート)と名づけます。「Q10」とはそれまでは、(恐らく、)単なる製造番号だったのですが、このロボットの「名前」という意味を持つようになります。その結果、ロボットには魂のようなものが宿ったのですが、もし、平太が20秒以内に「名前」をつけなかったらば、おそらく、魂が宿らぬまま、シャットダウンしてしまったのだと思います。
Q10は、平太と同じクラス(3年B組)の生徒になります。担任の小川訪(田中裕二)は、Q10をクラスの生徒に紹介する時に、「久戸花恋」という(漢字による)「名前」を付けます。平太がQ10に「名前」の書き方を教えると、Q10は平太と全く同じ筆跡で、「久戸花恋」と書きます。これではまずいと思った平太は、Q10に違うように書けと命じるのですが、Q10は上手く書けません。困った平太は、病気のために留年して2年生となっている久保武彦(池松壮亮)に「久戸花恋」と書いてもらい、これをQ10に覚えさせます。
平太、小川訪、久保武彦がQ10の生みの親と言えると思います。

Q10は、3年B組の生徒の中に、担任の小川訪に「名前」を呼ばれない生徒がいることに気が付きます。この生徒(柄本時生)は、藤丘誠という「名前」持っているのですが、授業料を払えていないので、出席簿に「名前」が載っていません。そのため、小川訪は藤丘誠の「名前」を呼ばなかったのでした。で、小川訪は、ヘリコプター騒ぎ(上記記事を参照)のあとになり、言い訳をしながらも、藤丘誠の「名前」をよぶようになります。なお、ヘリコプター騒ぎの際に流された「戦争を知らない子供たち」(ジローズ1970年、作詞:北山修、作曲:杉田二郎)の歌詞には、「僕らの名前を覚えて欲しい」というフレーズがあります。

久保武彦は下校の際に平太と会い、一緒に歩いている時に、Q10に会います。久保武彦はQ10を気にいったのか、密かに自分の「名前」と電話番号、メイルアドレスを書いた紙をQ10に渡します。あとで、この紙を見た平太は、これを取り上げて、ガムを包んで捨てます。「何故、捨ててしまったのですか?」と問いかけるQ10に、平太は「ごめん、だいじょぶ、番号なら俺知っているから」と答えるのですが、Q10は、「ナンバーならメモリーが残っています。紙が良かった」と話します。自分で書こうとする平太に、Q10は、「字が違います。久保くんの字でないと同じではありません」と主張します。メモリーに保存されているのは単なる情報なのですが、本人が書いた名前などはそれ以上の意味合いを持つということを、Q10は理解したようです。

その後、一言も話さなくなったQ10を見た平太は、久保武彦の病室に行き、もう一回、書いてくれるように頼みます。「お前が書いたやつが欲しいんだって」「お前の字で書いたのがいいんだってさ」と聞いた久保武彦は、嬉しさを悟られないようにしながらも、紙に書き込みます。その姿を見ている平太は、微妙な感覚を覚えます。そして、平太の独白が始まります。

(前略)
...俺はそれがばれないように、歯をくいしばって作り笑いをした。食いしばった時、僕の方でスイッチが入るのがわかった。
そんなものがあるなんて、誰も教えてくれなかったスイッチが入った。

やはり、佐藤健さんは上手いですね。

平太の独白の後、ドラマのエンディングが始まる前に、歯を磨き終わるところのQ10が映されます。実は、Q10が話さなかったのは、ガムで口がベトベトになってたからでした。それを柳栗子(薬師丸ひろ子)に取ってもらった後に、Q10は歯の磨き方を教わったのでしょうね。


上記のように、「名前」をキーワードとして、ヘリコプター騒動にあまりふれないで第1話をまとめてみると、第1話はわかりやすいですね。