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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

木皿泉さんを取り上げたAERA(10月25日号)の「現代の肖像」を読んで、二つの謎が解けました。

先週末から放送が始まったドラマ「Q10(キュート)」(土9、日本テレビ)の脚本を書いている木皿泉さんが、AERA(10月25日号)の「現代の肖像」(文:島崎今日子、写真:白谷達也、P62-66)で取り上げられました。木皿泉さんについては、夫婦の脚本家である事以外は、ベールに包まれていたのですが、今回、両者の名前などが明らかになりました。ここでは、木皿[男]、木皿[女]と記することにします。

2週間前に書いた記事(「ドラマ「Q10」の前祝いに、「二度寝で番茶」(木皿泉)を読みました - 夏かしのブログ」)でも、触れたのですが、木皿泉さんは寡作です。「Q10(キュート)」を別にすると、過去10年間に書いた連続ドラマは、「すいか」(2003.7-9)、「野ブタ。をプロデュース」(2005.10-12)、「セクシーボイスアンドロボ」(2007.4-6)の3本だけです。この寡作さは「大いなる謎」です。なお、すべての作品において、プロデューサーは、河野英裕さんでした。
この私の記事に対していただいたコメントには、「木皿泉さんが寡作なのは謎ですよね。私が思いつくのは、木皿泉さんが評価して、木皿泉さんと上手くやっていけるプロデューサーが河野英裕さんくらいかもしれないということくらいです。」と応答したのですが、私の推測はほぼ当たっていたことが、AERAの記事を見てわかりました。木皿泉さんは、遅筆で、かつ、プロデューサーの要望の通りに作品を直すことを好まないようです。そんな木皿泉さんに対応できる河野英裕さんと仕事ができない時期は、作品が生まれないということなのだと思います。で、「河野英裕さんと仕事ができない時期」というのは、どういう時期だったのかということは、以下のことのようです。

「すいか」(2003.7-9)は、ドラマファンには好評であり、2003年度の向田邦子賞などを受賞しました(受賞したのは2004年)。しかし、視聴率は低迷し、その結果、河野英裕さんは放送終了後、ドラマ局を2年間外されることになったようです。なお、木皿[男]は、2004年に脳出血により要介護度5(現在は、要介護4)になります。

次の作品の、「野ブタ。をプロデュース」(2005.10-12が作られたのは、「すいか」が終了してから2年後です。これは、現場に復帰した河野英裕さんが初めて手がけたドラマではないかと思います。その次の作品である、「セクシーボイスアンドロボ」(2007.4-6)は、1年半あとの作品ですから、この間は比較的短いです。そして、今回の「Q10(キュート)」(2010.9-12)までは、3年半の間があります。この間、河野英裕は、木皿[女]から絶交を言い渡されていた時期があったようです。つまり、「河野英裕さんと仕事ができない時期」というのは、河野英裕さんがドラマの仕事が出来なかった2年間と、木皿泉さんが河野英裕さんと絶交をしていた時期でした。寡作という謎は、ほぼ完全に解けました。


さて、木皿泉さんについては、もう一つ、わからないことがありました。「セクシーボイスアンドロボ」(全11話)の3話分を他の脚本家にまかせたことです。当時、河野英裕さんは、初めからそのように決まっていたと説明していたのですが、自分の作品にこだわりがある木皿泉さんが、人任せにするというのは妙だと思っていました。それから、「セクシーボイスアンドロボ」は初めの方の回と、最後の方の回とではテイストが少し違うのです。初めの方は人生やモノゴトに対してやや前向きな雰囲気があったのですが、あとの方では滅びとか移ろいに対する礼賛のようなものを感じたのです。これに関しては、木皿[女]が、「セクシーボイスアンドロボ」を書いている時に、うつ病にかかったということがわかり、納得しました。結果として、8話分しか書けなかったようです。そして、初めの方と、後の方ではテイストが違ったと私が感じた理由もわかりました。


で、色々大変なこともあるかもしれませんが、これからもいい作品を作品を期待しております。