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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

傲慢さを感じるけれど、何度も繰り返し観たくなる「Q10」(キュート)第3話

Q10」(キュート)の第3話は、鹿浜橋高等学校の文化祭のお話です。前夜祭の呼び物は、男子校時代からの伝統である「天下取りの舞」と、ミスコンです。

「天下取りの舞」は、男子生徒が上半身で踊るものなので、胸に手術の跡がある深井平太(佐藤健)は参加するのに気が進みません。そんな気持ちを、Q10前田敦子)を介して知った中尾順(細田よしひこ)は、特殊メイクで自分に平太より大きな傷をつくって目立てばいいと考えます。平太は、中尾順の気持ちを、入院している久保武彦(池松壮亮)に「疲れたよ俺」と言葉では言いながらも、参加する気持ちになったようです。

ミスコンにも出たくないと思っている女生徒もいました。平太のクラスの代表になった河合恵美子(高畑充希)は、自分の容姿に自信がないので、代表に選ばれたことを嫌がらせのように感じてしまいます。アイドルの件で言葉を交わすようになっていた影山聡(賀来賢人)がこの件に賛成したことにも憤慨しています。影山聡は、河合恵美子のことが好きであり、きれいだと思ったので賛成したのですが、その気持は伝わりません。山本民子(蓮佛美沙子)は、河合恵美子が容姿に自信を持てないのは兄の影響だと知り、ミスコンの時に着る衣装を提供し、励まします。
前夜祭の日になり、河合恵美子の兄は、その衣装を洗濯機に入れて、妹のミスコンへの出場を妨害します。河合恵美子に濡れた衣装を見せられた山本民子は、衣装はどうにかするとに請け負うのですが、河合恵美子は気持ちが折れそうになります。その時、クラスの女生徒がやってきて、河合恵美子は「天下取りの舞」の会場に連れていかれます。そこでは、「河合は綺麗だ」と言いながら踊っている影山聡の姿がありました。これを見て、河合恵美子はミスコンへ出場する決意をします。
ミスコンの衣装として山本民子が用意したのは様々な高校の制服でした。意図がとれない河合恵美子に山本民子は、これらをアレンジしてオリジナルの制服を作ればいいと説明します。ステージに立った河合恵美子は自己紹介をしたあとに、山本民子によるギターの演奏で歌い始めます。山本民子は、カツラを脱いで赤毛になっています。河合恵美子が歌ったのは「風」(作詞:北山修 作曲:端田宣彦)でした。この歌は、「はしだのりひことシューベルツ」が歌った1969年のヒット曲のようです。観客席には、河合恵美子の兄の姿があり、影山聡も途中から現れます。
楽屋でバイオリンを持ち、この歌を聞いていたのは、次の出番である柴田京子(西平風香)でした。柴田京子は、平太の元カノでしたが、二年前の文化祭の際の一件で、別れてしまいました。そこへ、平太がやってきます。柴田京子はミスコンで優勝したらば、もう一度付き合おうと、平太に話します。しかし、平太は、二人が再び付き合っても2年間を取り返せるのか?、取り返すというのは次に行くことだと、断ります。そして、柴田京子は平太に「俺の手を払いのけてさ、あっちへいけよ。行って全部取り返そう」と促され、二年前とは反対に自分で平太の手を払いのけ、ステージに向かいます。
次の日になり、河合恵美子と一緒に歩く影山聡の姿が映されます。影山聡は河合恵美子の手を握ろうとするのですが、途中でそれをやめてしまいます。しかし、その手は河合恵美子により握り返されます。

この他に、文化際とは直接は関係がないのですが、藤丘誠(柄本時生)がヤバい話に巻き込まれようとすることを防ごうと、Q10が奔走する話も描かれます。このことには、最後には平太も加わります。これに関しては、詳細は省略します。


私なりに第3話をまとめると、上のようになりますが、このように書いてしまうのと、このドラマの主人公は平太であり、ヒロインはQ10なのに変だなぁと思う方もいらっしゃると思います。「ドラマにQ10は、必要ないんじゃないの?」ということは、アンチの方の大きな攻撃材料になると思います。アイドルオタクである河合恵美子が歌ったのが、40年も前のヒット曲である「風」というのも、さらなる攻撃材料になると思います。私は、このドラマを好きですし、何回も繰り返して観ていますが、この件について、「Q10」(キュート)の脚本家である木皿泉さんとプロデューサーの河野英裕さんを擁護するつもりはありません。
木皿泉さんと河野英裕のコンビ(実際はトリオ、以降はチーム木皿)は、攻撃力はあるけれど守備には興味がないサッカーチームみたいなものです。そ〜ゆうチームは、ファンは多いし、成績も悪くはないけれど、優勝することはありません。優勝するするチームは、試合は面白くないけれど、失点はしないチームであることが多いです。
チーム木皿の作品は、宝石のようなセリフが散りばめられた素晴らしいものだと思います。でも、腑に落ちない所や、突っ込みどころがあります。つまり、そんな問題点があっても楽しめる人が観ればいい作品であり、視聴者を選ぶ傲慢な作品と言えると思います。もちろん、多くの視聴者に受け入れられる作品を作ることもできると思いますが、それには関心がないというか、それよりも優先度が高いものがあるという感じがします。
番組のサイトにあるスタッフ日記の河野英裕さんの日記を読むと、木皿泉さんが書いた第3話の脚本には、2回分くらいの内容が詰め込まれていたようです。

脚本の木皿さんから初稿が届いた時の最初の一言が「怒らないでね」。
それは、「書きたいこといっぱいあって、
2回分くらいの内容を全部つめちゃった」ということ。
大丈夫かなぁ、と心配する木皿さんでしたが、
読んでみたら、まあすごい台本でした。
毎度の事ながら、読めば読むほど、面白い。

Q10 スタッフ日記 | Q10

きっと、河野英裕さんがおっしゃるようにスゴイ脚本だったと思います。できれば、私も拝見したいものです。でも、放送するときには、放送時間の枠に押し込めなくてはならないのです。放送時間の尺より長い脚本の場合、たくさんのカットを入れなくてはならなくなるので、意味がとれなくなったり、歪みが出てしまうと思います。第1話は意味が取れないところがありましたし、第3話は「Q10」(キュート)ではなく、「河合恵美子ものがたり」になってしまっています。
それならば、チーム木皿の作品の場合は、放送時間の延長を可能にしたらばいかがでしょうか?野球放送の延長の場合には、その時にならないと延長時間がわからないのです。でも、いくら遅筆の木皿泉さんが脚本を書いても、1日くらい前までにはドラマの尺がわかるでしょうから、放送時間延長のドラマとしても、被害を受ける人は少ないと思います。これを可能にするためには、一度くらい視聴率を30%以上にして、河野英裕さんが、日本テレビの人の偉い人を納得させられるようにする必要がありますけどね。

さて、「Q10」(キュート)の脚本(第1話−第3話)が、「月刊ドラマ」(映人社)12月号に掲載されることを、2ch経由で知りました。私は、「月刊ドラマ」のことを初めて知ったのですが、もし、掲載される脚本が木皿泉さんが河野英裕さんに渡したversionなのであれば、購入してでも読んでみたいです。


最後になりますが、第3話の感想を書いておきます。今回は、なんといっても、河合恵美子を演じた高畑充希さんがよかったです。河合恵美子が自分のことをブスだと思い込んでいるのは、あれだけ綺麗なんだから、普通は変だと感じてしまうと思います。でも、高畑充希さんが自信を持てないオドオド感を今まで上手く出していたので違和感はありませんでした。ミスコンのステージに立った時の姿は、可愛かったです。柴田京子も綺麗であり、社会人のミスコンならば彼女が間違いなく選ばれたと思いますが、高校のミスコンならば、二人はいい勝負だったのではないかと思います。もちろん、高畑充希さんが本来の歌唱力で、アイドルの歌を歌ったらば、間違いなく河合恵美子が優勝になったと思います。
しかし、彼女が歌ったのが「風」というのはやっぱりアリエナイと思います。今の高校生で「風」のことを知っているのは殆どいないと思います。でも、第1話で流れた「戦争を知らない子供たち」が唐突に出てきたのに比べれば、「風」は今回のテーマに合っているという意味でよかったです。
それから、中尾順(細田よしひこ)は効いていました。「深井だって僕のことを心配して走ってきてくれたじゃない。走っちゃいけないのにさ」というセリフの中の「走っちゃいけないのにさ」と、文化祭の時に見せてくれた上の方の髪の毛を結んだ髪型は最高でした。影山聡(賀来賢人)も、「天下取りの舞」で頑張りました。柳栗子(薬師丸ひろ子)が、影山聡に対して言った「当たることは考えない、ただただ飛ばすことを念じるの」という言葉は意味深でしたね。柴田京子を演じた西平風香さんが棒だったという意見もあるようですが、私は役柄に合っていたと思います。