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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「Q10」(キュート)の第4話

Q10」(キュート)の第4話の主な話は以下の二つです。そして、この二つが、「若旦那が心を入れ替えてちゃんとした人になる場所(落語の唐茄子屋政談)」に似ている風景の場面で、一つに収束するような感じです。なお、今回、Q10は平太のことを若旦那と呼んでいます。

  • 平太が、Q10前田敦子)がロボットではないかと中尾(細田よしひこ)に疑惑を持たれ、あたふたすること
  • 高校3年の2学期になったので進路志望を提出することになり、平太(佐藤健)たちが悩むこと

この他に、藤丘誠(柄本時生)の貧乏話や、平太の父の武広(光石研)が「愛獣」という店に勤める件があるのですが、これらについては省略します。


平太は、中尾に、Q10がロボットでないのならば泣くところを見せて欲しいと要求されます。中尾はロボットならば泣くことはできないと思ったようです。中尾の推測に反して、Q10には「泣く」機能がつけられていることが分かりますが、Q10によると、泣くようなことを言ってもらえないと泣けない設定になっているようです。しかし、平太は泣かすような言葉をQ10に言うことができません。Q10は自分はロボットなので、どんな言葉を言われても平気だと平太に言うのですが、平太はできません。

進路志望票を提出する期限が迫りますが、平太は決められないでいます。そして、これからのことについてどうでもいいとQ10に話すと、Q10は涙を流して、それが止まらなくなります。結果として、中尾の疑いは一時的に解消されるのですが、Q10の涙が停まらないことを見たクラスメートは、泣かせた原因を作ったのが平太であると考え、平太に非難の視線を浴びせます。

平太は、Q10の涙がとまらないことを、校長である岸本(小野武彦)と柳栗子(薬師丸ひろ子)に相談します。柳栗子から「抱きしめたらいいんじゃないの」というアドバイスをもらいますが、平太はQ10を抱きしめることができせん。なんやこやあった後、Q10は、平太と一緒に行った神社で、男の人に追突されます。その人は、Q10が倒れることを防ぐためにQ10を抱きとめ、これにより、Q10の涙は止まります。平太は、傷つけた人(=平太)でない人に抱きしめられても涙が止まることに唖然としますが、Q10はそういう設定になっていると説明します。現実世界でもありそうな部類のことのように思いました。

Q10の涙に関する一件に触発されて、中尾は工学部に行くという決意をし、担任の小川訪(田中裕二)に伝えます。理数系がダメである中尾のこの時期における決断に、小川は驚き、問いだたします。すると、中尾は涙を流すロボットが作りたいからだと説明します。難色を示す小川に、中尾は「人はなれるものになるんじゃない、なりたいものになる。違いますか? 拷問されても変えませんからね。」と決意を表明します。
Q10が涙を流したことにより、中尾はQ10が人間であると納得したように思われました。しかし、中尾は、Q10により、手作りのルナちゃんグッズを売っている藤丘誠の弟・勇人のところに連れて行かれた際に、Q10がロボットである決定的な証拠を目撃してしまいます。


進路志望票を未だ出すことができない平太、影山聡(賀来賢人)、山本民子(蓮佛美沙子)が教室に残されていると、そこへ何故か、引きこもりの富士野月子(福田麻由子)がやってきます。そして、これをキッカケに、影山聡は自分の決断を進路志望票に書くことを決め、山本民子は帰ってしまいます。
影山聡は、付き合い始めた河合恵美子(高畑充希)が、学園トップの成績であるのにもかかわらず、彼女よりは成績が低い自分と同じ大学に行くことを考えていることに困惑していました。彼は、河合恵美子に似つかわしいレベルの大学を目指すことにより、この件を解決しようと決めました。

教室を出て行った山本民子は、病院へ友達を見舞いに行った際に、入院中の久保武彦(池松壮亮)に会います。久保の苦悩を聞いているうちに、山本民子は自分はロックを目指そうと決めます。学校に戻った山本民子は、将来結成するロックバンドの名前「ナース」を書いた調査票を、担任の小川に渡します。初めは「ナース」と書いてあることに驚いた小川ですが、山本民子から意図を聞くと、音楽関係の仕事をしている友達に連絡をしてみると話します。どうせ笑われるだけだと思っていた山本民子は驚きます。そんな山本民子に、小川は「人はなれるものになるんじゃなくて、なりたいものになる」という言葉をかけます。誰の言葉ですかと尋ねる山本民子に、小川は「中尾(の言葉)」だと応えます。

教室に残った平太に、富士野月子は、物理の理論的な観点から、「この世界に永遠はない。 いずれ宇宙は終わる。」と説明します。このことに衝撃を受けた平太は、家に帰っても食事が喉をとおりません。平太は突然、食卓を立ち、Q10が住んでいる小川の家に行きます。そして、小川の母親(白石加代子)から、「若旦那が心を入れ替えてちゃんとした人になる場所(落語の唐茄子屋政談)」に似ている風景のところにQ10がいると聞き、そこへ向かいます。Q10を見つけた平太は、宇宙が永遠でないと知った衝撃を話します。そして、話しているうちに、永遠でないからこそ、大切な物は繋ぎとめておかなくてはならないことを悟り、Q10を抱きしめます。


書き下しはしませんでしたが、Q10を抱きしめる時の平太の独白はいいです。でも、私にとっては、「中尾(の言葉)」と端的に山本に答える小川の言葉の方が印象的でした。そして、この名言の作者である中尾も、いつものように効いています。
前話までは、「戦争を知らない子供たち」、「風」と北山修さんの歌が出てきましたが、今回は中原中也さんの詩が、小川と柳栗子のやりとりの中で出てきました。使われた詩のことは私は知らなかったのですが、ノスタルジックでよかったです。

濃いシロップでも飲まう。
冷たくして、太いストローで飲まう。
とろとろと、脇見もしないで飲まう。
何にも、何にも、求めまい。

私が、「戦争を知らない子供たち」に違和感を感じたのは、この歌の歌詞が、まだ評価が定まっていない時代の価値観を匂わせていることが一因だったと思います。これに対して、中原中也さんの詩は評価が定まっている時代のものであるために、違和感を感じなかったのだと思います。


さて、「Q10 視聴率」で検索してくる人がいらっしゃるので、第4話の視聴率を書いておきます。11.2%でした。初回の視聴率(15.3%)から5%程下がった第二回の視聴率(10.2%)から、第3話、第4話と0.5%ずつ上昇しています。
で、私の関心は、視聴率よりも、どういう人が観ているかということです。何せ、「Q10」(キュート)は、60歳くらいである木皿泉さんが、視聴者の理解力などは殆ど考慮せずに脚本を書いているドラマだと思います。したがって、若い年代の人で、「Q10」(キュート)のような群像劇に慣れていない人には分かりにくいのではないかと懸念されます。しかし、それでも、10%以上の視聴率を保っているのは不思議です。「Aera」のインタビュー記事になったり、本を出版したことが、木皿泉という脚本家を知らしめるために有効だったのでしょうか? いずれせよ、視聴率のような前時代的なデータよりも、役に立つデータが欲しいです。