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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

東北新幹線の新青森まで延長によるストロー効果を考えていて、アクアラインにより木更津が受けたストロー効果を思い浮かべる

東北新幹線新青森まで延長されたことは、プラスの効果もマイナスの効果もあると思います。で、マイナスの影響として、ストロー効果を挙げる記事を見かけました。私がマイナスの影響としてすぐに思い浮かぶのは、並行在来線の民営化でしたので(前例:肥薩おれんじ鉄道)、ストロー効果については、すぐにはピンときませんでした。なお、ストロー効果の前例としては、秋田新幹線による秋田市の例が挙げられているようです。

「新幹線ビフォー&アフター (5)ストロー効果
               朝日新聞・マイタウン青森(2010年12月01日) 

JR秋田駅秋田市)から徒歩5分のビルの一室。立てかけてある「テナント募集」の看板は見るからに古い。
 「6年前まで県外企業の秋田営業所が入っていたんだけど。ずっと空き物件だね」。地元大手の不動産業「むつみワールド」の佐々木克巳社長は玄関を開けながら続けた。「もう、この辺の物件はあきらめてるんですよ」
 首都圏などの企業が秋田の営業所をたたむ動きが目立ち始めたのは、秋田新幹線が開業した13年前からという。盛岡や仙台との統合が進んだ。
 総務省事業所・企業統計調査によると、新幹線開業前年の1996年に4467カ所あった企業法人の支所は2006年、4029カ所に。約1割減った。

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000651012010001

私は、2年前に秋田市を訪ねたことがありました。確かに、木内百貨店の閉店時間が早く、買い物に行こうとした時には閉まっていたのには驚きましたが、街がそれほど寂れているという感じはしませんでした。もしかしたらば、もっと、賑わっていた以前のことを知らないためかもしれませんが...。


で、私にとってより実感として感じられる、関東地方におけるストロー効果の例を探してたところ、東京湾アクアラインの開通による木更津(千葉県)の衰退が思い浮かびました。青森市木更津市津軽半島を房総半島、新幹線の新青森延長を東京湾アクアラインの開通に対応づけると、イメージしやすいです。もちろん、青森県の県庁所在地である青森市(人口:30万人)がストロー効果で衰退したとしても、千葉県の地方都市(人口:12万5千人)である木更津における衰退よりも、度合いは小さいのではないかと思います。以下、木更津の件について述べます。

木更津は、以前は内房(房総半島の東京湾側)の商業などの中心地として栄えていたようです。木更津以南にある内房の人達は、木更津より北にある県庁所在地・千葉市に買い物に行くのではなく、その中間にある木更津で買い物をしていたようです。また、木更津にある映画館などの娯楽施設も賑わっていたようです。木更津の港からは、川崎との間にフェリーが運行されていました。木更津駅からフェリー乗り場の間の道は賑わっていたと思われます。
しかし、木更津の発展にも陰りが見えるようになってきました。それを一気に挽回する可能性を期待されたのが東京湾アクアライン(川崎−木更津)のようです。とてもありえないような通行量を前提として採算が計算された末に、アクアラインが建設されたと聞いています。地元の代議士である浜田幸一さんもアクアライン建設を実現するために努められたのだと思います。
さて、1997年にアクアラインが開通して木更津の街がどうなったかというと、すっかり寂れてしまったようです。駅の港側にあったデパート"そごう"は2002年に閉店し、元モーニング娘。保田圭さんの伝説が生まれたとされるマクドナルド木更津店も今年(2010年)の5月の末に閉店したようです。もちろん、ストロー効果だけではなく、郊外のショッピングセンターなどの影響もあると思います。
アクアラインにより川崎と間にストローが渡されたとしても、川崎にそれほどの吸引力があるとは思えないので、大きなストロー効果があるはずがないと思われる方もいらっしゃると思います。大きなストロー効果をもたらしたのは高速バスの運行でした。木更津からの高速バスとして、川崎駅への便だけではなく、羽田空港横浜駅への便が開設され、後に東京への便も開設されました。それでも、高速バスが全て木更津駅から出発したのでしたらば影響は少なかったと思われます。しかし、実際には、房総半島の他の地区からの高速バスの便もできました。その結果、房総半島は、川崎側(東京、横浜、川崎)から、アクアラインというストローを介して、大きな力で吸引されるようになりました。そして、高速バスのほとんどの乗客が木更津をスルーしてしまう結果、木更津は単なる通過点になってしまい、衰退が起きてしまいました。
房総半島の人は、アクアラインの開通により、便利になって非常に嬉しいと感じていると思います。しかし、千葉県の経済にとってはマイナスです。それから、羽田空港の国際便が増えると、房総半島の人は、成田空港ではなく、アクアラインを介して羽田空港を利用することが増えると思います。これも、千葉県の経済にとってはマイナスです。


さて、上にも書きましたように、アクアラインにより木更津市に起きたほどのストロー効果が、東北新幹線新青森延長により青森市に起きるとは私は思っていません。ストローの長さは、木更津の場合には、「木更津−川崎」の長さでしたが、青森市の場合には、それよりもかなり長い「青森−仙台」、または、「青森−東京」となると思います。吸引力はストローの長さが長いほど弱くなりますし、吸引に対する抵抗力は木更津市より青森市の方が格段に強いと思います。青森市にマイナスが起きるとしても1割くらいのマイナスくらいだと予想します。しかし、2015年に北海道新幹線新青森か−新函館)が開業すると、青森市は通過駅になります。この結果、青森市には厳しい現実が待っているかもしれません。それまでの5年間に十分な対策をとっておくことが良いのではないかと、私は思います。