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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

節電のためにテレビ局は停波した方がいいという意見について

福島原発事故の結果、東京電力などが供給できる電力が例年より少なくなりました。そして、使用電力のピーク値を抑えるために、「電力使用制限令」が出されました。これに応じるために、企業や家庭で、エアコンの使用を控えることなどによって節電が行われています。

しかし、節電に協力するために、エアコンを使用を抑えることはやむなしと思いながらも、他のことでも節電が可能ならば行うべきであるという意見も出されています。その代表的なものがテレビ放送です。この中には、テレビ放送を停波せよという過激な意見もあります。
何故、テレビ放送がやり玉にあげられるかと言うと、電力使用がピークになる時間(例:午後1時から5時)に、テレビの視聴率は低くなるので、この時間はテレビ放送を停波しても支障が少ないという考えからです。

調べてみると、確かに午後1時から5時くらいの間はテレビの視聴率は低いです。私がこれに関して得ることができた資料としては、NRI(野村総合研究所)による「放送業界の脱ガラパゴス化〜電波に依存しない放送メディアへの変化〜」(NRI−知的資産創造2009年3月号 36〜51頁)があります。この37ページに、「時間帯別のテレビ視聴率という図」があります。これは、平日の時間帯別視聴率を男女別、年代別(20代、30代、40代)で図に表したものです。

この図を見ると、朝は7時にピークがある視聴率は10時までは下がり続け、その後は昼食の時間帯を除けば、夕方の4時(女性の30、40年代)、または、5時(女性の20年代、男性)までは低い値であり続けます。したがって、午後1時から5時までテレビ放送がなくても、他の時間帯よりは支障が起きる程度は低いという意見は正しいということがわかりました

それでは、テレビ放送を停波することが、大きく使用電力を減らすことができるかということですが、これはテレビ放送をするために必要な電気量と、テレビ放送を見るための電気量に分けて考える必要があります。私は前者については分かりませんのでこの記事では触れませんが、後者については資料を見つけましたので以下に記載します。

見つけた資料というのは、資源エネルギー庁による「家庭の節電対策メニュー」(平成23年5月)というものです。これによると、夏の日中(14時ごろ)の消費電力の5%がテレビになっています。したがって、テレビ放送を午後の1時から5時ごろまで見なければ、家庭においては、ピーク時の使用電力を5%削減することが可能になります*1

ただ、テレビを見なければ電力使用量を5%減らせると言っても、テレビ放送があれば見てしまう人もいると思います。確実に5%削減を可能にするためには、過激かもしれませんが、テレビ放送を停波することが有効だと思います。調べてみると、石油ショックの時には、時間を限って、テレビ放送を停波をすることが行われたようです。
政府とテレビ局は、試しに、テレビ放送を午後の1時から5時ごろまで停波する実験を行ってみたらばいかがかと思います。政府は、「高速道路 無料化社会実験」を長い間に渡って行ったのですから、テレビ方法を停波する実験を4時間くらい行っても、大きな問題は起きないと思います。


それから、念のために付け加えておきますと、今回の「電力使用制限令」はピーク電力量を抑えるためのものです。したがって、電力の供給量に余裕がある時間帯には、節電する必要はありません。むしろ、お財布に余裕があるのならば、電気を使うことにより、東京電力に利益を上げさせ、原発事故の被害者への補償を自力で行える割合を増やした方が望ましいです。
ですから、深夜にはくだらない番組があるから、テレビ放送を停波した方がいいという意見は、この機に便乗した意見だと思います。まず、テレビ番組がくだらないか否かの判断は個人より異なります。そして、深夜には電力の供給量に余裕があるので、節電する必要がありません。

――以上――

*1:つけ加えておくと、夏の日中(14時ごろ)の消費電力の53%がエアコンによるものです。したがって、テレビをつけないならば、エアコンによる使用電力を2割減らすだけで、15%の節電をすることが可能です。節電のために、エアコンをこの夏は全く使わないと決意している人がいるようですが、そこまでも無理をしなくても十分なのです。