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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

映画「コクリコ坂から」を観ました。

スタジオジブリによる映画「コクリコ坂から」(監督:宮崎吾朗 脚本:宮崎駿、丹羽圭子)を観ました。


あまり期待しないで観ましたが、普通に良かったです。ただ、万人向けではないと思います。原作は、同名の漫画(作画:高橋千鶴、原作:佐山哲郎)です。「コクリコ坂」というタイトルを聞いた時には、どういう映画なのかと思いましたが、原作のタイトルを踏襲しただけのようです。


物語の舞台は、丘のある港町です。その丘の上にある洋館に住む高校二年の少女・松崎海が主人公です。ドラマの前半では松崎海の母は不在であり、下宿屋・コクリコ荘となっている洋館を、海が切り盛りしています。時代は、道が舗装されておらず、オート三輪が走り、商店街に肉屋や魚屋が普通にあった時代です。映画のホームページを見ると1963年となっていました。映画の進行と共に、舞台は横浜の港の近くだということが分かってきます。

松崎海が通う学校には、カルティエ・ラタンという昔ながらの建物があり、文化系の部の巣窟になっています。しかしながら、カルティエ・ラタンの住人に女生徒がいないことは不思議です。カルティエ・ラタンを取り壊そうという学校側の計画があり、これに反対している主な人物が、新聞部の風間俊と、生徒会長の水沼史郎です。しかし、カルティエ・ラタンの存続運動は生徒の過半数の支持を得ているわけではありません。

学校では「メル」と呼ばれている松崎海は、風間俊と知り合い、惹かれ始めます。そして、新聞を作る手伝いをし始めます。二人の交流が始まるようになり、他の女生徒もカルティエ・ラタンに関わり始めます。女生徒の協力により、カルティエ・ラタンは掃除をされ、整備も行われ、見違えるように生まれ変わります。

しかし、風間俊の松崎海に対する態度は、突然、丁寧でありながらも、そっけなくなります。それは、風間俊が松崎海の家のパーティーに招待された時に、松崎海の父が写っている写真を見たことが原因でした。風間俊は、その写真に書いてある名前「沢村雄一郎」が松崎海の父の名前であると説明を受けたのですが、その名前は、風間俊が育ての親から、実の父の名前と聞いていたものと同じでした。なお、松崎海は母方の苗字を名乗っているので、父の苗字は松崎ではありません。


韓国ドラマならば、どろっとした展開が起きるのでしょうが、さらっとしたテイストで話は進みます。やがて、事情を知る松崎海の母が帰国し、松崎海と風間俊の関係性とカルティエ・ラタンの存続の件が、映画の最後に向かって、回収されていきます。


この記事の始めに書いたように、普通に良い作品だと思います。だだ、映画で描こうとしていたこと(映画のホームページから推測)は、十分に描けてはいないと思います。この映画のホームページにおける「ストーリー」には以下のような文章が書かれています。

翌年に東京オリンピックを控え、人々は古いものはすべて壊し、新しいものだけが素晴らしいと信じてい­た。そんな時代に、横浜のとある高校で、小さな紛争が起きていた。古いけれど、歴史と思い出のつまった文化部部室の建物、通称カルチェラタン。それを取り壊すべきか、保存­すべきか。そんな事件の中で、海と俊は出会う。俊はその建物を守ろうと学生たちに訴える。海はその建物の良さを知ってもらおうと大掃除を提案する。徐々に惹かれ合うふたり­に、ある試練が襲いかかる。

コクリコ坂から −ストーリー−

しかしながら、映画を見ているだけでは、「翌年に東京オリンピックを控え、人々は古いものはすべて壊し、新しいものだけが素晴らしいと信じてい­た。」という時代背景が伝わってきませんでした。その結果、「文化部の巣窟であるカルチェラタンを守ろうとしている風変りな少年・風間俊に松崎海が出会い、徐々に惹かれ合うふたりに、ある試練が襲いかかる。」という映画としか受け取ることができませんでした。結果として、ノスタルジーを味わうための映画という印象が残りました。

それから、映画の舞台は横浜にする必要はなかったように思いました。むしろ、港のある地方の都市、例えば、函館など方がよかったように思いました。松崎海と風間俊が通うような、バンカラな男生徒がいる学校って、横浜にあったのかなぁと思ってしまうのです。まぁ、1963年の横浜を知らない私が、根拠もなく推測しているだけなのですが…。


…という風に、少し批判的になってしまいましたが、楽しめる人は楽しめる映画だと思います。私の評価は、5段階評価で3.5から3.8くらいです。平均点以上ですが、4をつけるのは苦しいという感じです。
この映画に対する批判的なレビューをネットで見受けますが、それらを気にせずに、直感に従い、この映画を見るか否かを、決めることが肝要かと思います。


最後になりましたが、話題作りのためか、声優に俳優を多用していることについては感心しません。なお、松崎海の声は長澤まさみさんでしたが、予想したより良かったです。