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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

小笠原諸島の母島で木の枝110本折られたことと、AKB48の握手会におけるメンバーへの嫌がらせ

小笠原諸島が、ユネスコ世界遺産に自然遺産として登録されたこと(2011年6月24日)については、祝福をしながらも、小笠原諸島の自然に対してマイナスになることを懸念していることを記事にしました。

残念ながら、私が懸念していたこと以上のことが起きました。

小笠原諸島母島で木の枝110本折られる被害」
読売新聞
(2012年3月22日14時06分 読売新聞)
小笠原諸島(東京都小笠原村)・母島で、世界自然遺産地域の登山道沿いにある木の枝が約110本折られていることが確認された。
 うち約20本は母島にのみ生息するボタンなど固有種の枝だった。環境省は「枝を折るのは法律違反です」と注意を呼びかけている。
 同省によると、折られた枝は太いもので3センチほどで、母島・乳房山周辺の登山道で今月3日、民間のガイドが見つけた。観光客が登山の邪魔になるため手で折った可能性があるが、一帯は規制の最も厳しい国立公園の特別保護地区にもなっており、枝を折ると自然公園法違反になる。
 環境省は近く同法違反で刑事告発する方針で、警視庁小笠原署も被害の把握を進めている。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20120322-OYT1T00623.htm

「小笠原の樹木損傷、環境省が刑事告発」
      産経新聞(2012.3.23 19:50)
世界自然遺産に登録された小笠原諸島(東京都小笠原村)に自生する樹木の枝が折られた問題で、環境省は23日、自然公園法違反罪で容疑者不詳のまま、警視庁小笠原署に刑事告発した。林野庁も警視庁と合同で、森林法違反で捜査を始める。
 環境省によると、同諸島は国立公園に指定されており、樹木伐採や植物採取の場合は、環境相の許可が必要。自然公園法によると、違反した場合は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。
(後略)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120323/crm12032319510020-n1.htm

世界遺産に登録されると、今までは見向きもしなかった人が興味を持ちます。その中には、世界遺産に登録されたことをキッカケにして、登録された地域に価値があることを理解した人達もいると思います。しかし、世界遺産に登録されたという観点のみにおいて、興味を持つ人達が存在することも確かです。それらの人達は、世界遺産を観に行ったことを自慢したくて、または、誇りに思いたくて、その世界遺産に我先に殺到しがちです。
例えば、石見銀山世界遺産に登録された直後には、島根県、または、周辺の県の人達が殺到しました。このため、遠くからの観光客が混雑のために十分に見学ができないような事態が起きました*1


小笠原の場合には、近隣の人達が殺到する懸念はありません。しかし、島に入れる人の数に限りがあるために、小笠原の自然に敬意を持たない観光客が多数を占めるようになることは生じます。この結果、小笠原の自然に悪影響が起きることを私は懸念していました。でも、小笠原の自然を意図的に傷つける人が現れるとは、思っても見ませんでした。

しかしながら、考えてみれば、人気アイドルグループであるAKB48の握手会にメンバーへの嫌がらせをするために行く人もいるようですから、世界遺産に登録された小笠原に自然を傷つけるために行く人がいても、不思議なことではありません。


AKB48があまり人気がない時には、握手会に来る人は全員がファンだったに違いがありません。しかし、AKB48に人気が出てくると、ファンでなくても、有名なAKB48のメンバーに会ったことを自慢したいために、握手会に行く人も出てきたのではないかと思います。握手会に行くためには、CDレコードを購することにより、握手権を得なくてはならないようですから*2、ある種の権利者意識をもってメンバーに接する人もいるのかもしれません。
さらに、最近では、メンバーに嫌がらせをするために握手会に行く人も現れているようです。おそらく、現在は超人気グループとなったAKB48のメンバーに嫌がらせをするので、ポイントが高いと思っているのではないかと推測します。嫌がらせをするために、CDレコードを多数購入し、旅費を使うなどというのは、無駄使いのように思いますが、したい人はするのでしょうね。もちろん、勧めはしませんし、親しい知人が計画をしているのならば反対をします。


AKB48の握手会に行くために必要な費用を私は知りません。しかし、それより以上に、小笠原に行くには時間と費用がかかると推測します。例えば、小笠原への船便を運行している小笠原海運が主催するツアーでは、5泊6日の日程で、最低でも6万円かかるようです。

5泊もしなくてもいいと思われる方もいるかもしれません。しかし、小笠原へは船での移動距離が長いので、行きと帰りで1回ずつ船中泊しなくてはなりません。また、船の便が頻繁にありませんので、現地では帰りの便を待つために3泊しなくてはならないようです。したがって、小笠原への旅行は、最短でも5泊6日の日程になるのです。

今回の事件を起こした人は、そのことだけが目的だったかは分かりませんが、それだけのコストをかけて小笠原に行ったわけですね。その人は、小笠原が世界遺産に登録されるまでは、それだけのコストをかけて、小笠原に行くような人ではなかったかもしれません。このことを考えると、今回の件は、小笠原が世界遺産になったことによって起きたことだと、言えるのではないかと思います。

―――以上―――

*1:私の感覚では、観光地の住人は観光客が少ない時に観光できるので、観光客が多い時には観光しないということが、観光地の住人の正しいあり方です。

*2:このことの是非については今回はふれません