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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

三重県のリアス式海岸(志摩市―南志摩町―紀北町―尾鷲市―熊野市)を、路線バスに乗って観てきました。

三重県にあるリアス式海岸を、何回かに分けて観てきました。三重県リアス式海岸と言われても、思い浮かばない人がいると思います。また、思い浮かんだとしても、ほとんどの場合、志摩半島にある鳥羽市から志摩市の賢島までの海岸沿いのみだと思います。しかし、このリアス式海岸は、実際には、和歌山県との県境に近い熊野市まで続いています。

賢島から熊野市までにあるリアス式海岸について、思い浮かばないのは何故でしょうか?その原因は、近鉄志摩線の賢島駅(志摩市阿児町)からJR紀勢本線紀伊長島駅(紀北町紀伊長島区)までの海岸沿いと、紀伊長島駅から熊野市駅(熊野市の中心駅)までの海岸沿いとでは、違います。まず、前者については、鉄道路線がないために、この海岸線が認識空間にある人が少ないからだと推測します。

後者については、JR紀勢本線が通っていますが、その多くの区間がトンネルになってることが原因です。このため、電車に乗っても、リアス式海岸のほんの一部しか観ることができないために、印象が薄いのだと思います。例えば、JR賀田駅(尾鷲市曽根町)と、JR二木島駅(熊野市二木島町)の間には半島が突き出しており、リアス式海岸沿いに12キロの道があります。しかし、この半島の付け根にある二つの駅を結ぶ線路(4.2キロ)は、賀田駅周辺の一部を除いてトンネルになっています。なお、この半島の付け根には、中世の頃、志摩国紀伊国の境であったとされる甫母峠があります。


このように、志摩市から熊野市にかけてのリアス式海岸についての認知度は低いのですが、実際に観てみると、その風景は素晴らしいものでした。賢島駅から紀伊長島駅の間の海岸線と、紀伊長島駅と熊野市駅の間の海岸線に分けて記すことにします。

賢島駅から紀伊長島駅の間の海岸線のほとんどは、南志摩町に属しています。南志摩町は、平成の大合併以前は、南勢町と南島町という二つの自治体でした。旧・南勢町が志摩市に隣接しており、旧・南島町が紀伊長島駅の方向にあります。海岸線をバスで通ってみると、それぞれの海岸線には、異なる特徴があるように感じました。旧・南勢町の中心的な集落である“五ヶ所”の町並みは、以前は潤った地域であることを伺わせるものでした。そして、集落が面している五ヶ所湾の風景には、優美なものを感じました。これに対して、旧・南島町の海岸線は、手つかずのままの魅力があるように感じました。

紀伊長島駅から熊野市駅に至る海岸線は、紀北町から尾鷲市を経て熊野市になります。この海岸線の中では、特に、尾鷲市と熊野市の境界に近い地域の海岸線が素晴らしかったです。境界に近い所にある景勝地・楯ヶ崎の周辺の景観を、宿泊したホテル*1の御好意で、船から観ることができました。その印象は、正に「ワイルドぜい!」*2でした。


これらの海岸線を、気ままに観るためには車で行くことが最適です。しかし、私のように運転が得意でないものにとっては、リアス式海岸沿いのウネウネであり、しかも、高い場所にあることが少なくない道を運転することは容易ではありません。幸いにもこの海岸線には、2か所を除いて、三重交通のバス、または、自治体(南志摩町尾鷲市、熊野市)が三重交通に委託しているバスが運行されています。バスに乗れば高い位置から景色を観ることができるので、通常の車よりは眺めがよいです。なお、海岸線側の車線を通る方がより望ましいので、賢島駅から熊野市駅の方向に進むことを勧めします。

バス路線が途切れている2か所とは、ざっくりと言って、バス停・南島棚橋(南伊勢町棚橋竈)からJR紀伊長島駅までの17キロ*3と、バス停・梶尾(尾鷲市梶尾町)からJR二木島駅(熊野市二木島町)までの9.5キロ*4です。ちなみに私は、梶尾にある港から船に乗せてもらった後、訳があって二木島駅方面に送ってもらっています。ありがたいことです。


…ということで、三重県リアス式海岸は、鳥羽市から志摩市に至る、景勝地として知られる区間(約35キロ)だけでなく、志摩市から熊野市に至る区間(約130キロ)もお勧めです。なお、このリアス式海岸をバスを使って観る場合には、十分に計画を練ってから現地に向かわれることをお勧めします。バス路線が存在しない区間があると共に、バス路線がある区間でも便数が少ないからです。参考になるサイトを、以下にリストにします。

*1:尾鷲シーサイドビュー〔尾鷲市曽根町〕

*2:現時点(2012年5月)では、ピン芸人である"スギちゃん"の決まり文句として流行っています。

*3:大部分の区間が旧・紀勢町(現・大紀町の一部)にあります。

*4:ほぼ全区間が熊野市内