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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

第195回地震予知連絡会における報告と、それについてのマスコミによる報道

本日(5月31日)、地震に関する3つ?のニュースがマスコミにより報道されました。その全ては、昨日(5月30日)に行われた第195回地震予知連絡会において報告されたことのようです。

地震予知連絡会のホームページにある「地震予知連絡会|公開のお知らせ」よると、今回の定例会の内容は以下のものであったようです。

(抜粋)
1.地殻活動モニタリングに関する検討
* 地殻活動の概況
* プレート境界の固着状態とその変化
* その他の地殻活動等

2.重点検討課題 『プレート境界に関するわれわれのイメージは正しいか?(その3)相模トラフ周辺・首都圏直下』

地震予知連絡会|公開のお知らせ

なお、定例会の議事録は以下のページからリンクされるようなのですが、まだ掲載されていません。

地震予知連絡会というものについては私はほとんど知りません。極めて役に立っている組織という印象はないのですが、それは私の知識不足のためなのかもしれません。wikipediaの該当ページをリンクしておきます。


議事録が入手できれば、定例例会の内容を理解できるのですが、できませんので、私なりにマスコミの報道を基に、解釈をすることにします。マスコミによって報道されているのは、(会議で行われた)以下の組織による報告についてのようです。なお、国土地理院の報告と、産業技術総合研究所の報告というように見えているのは、実は単一の報告なのかもしれません。


まず、気象庁による報告についてです。読売新聞による報道は以下のものです。

「関東の一部、地震活動活発…震災後に多く観測」
   読売新聞(2012年5月31日08時13分)
千葉県・銚子付近や茨城・福島県境など関東地方の一部地域で、東日本大震災後から現在にかけて地震活動が活発な状態が続いていることが、気象庁の解析でわかった。
 30日の地震予知連絡会で報告した。
 関東地方直下では、陸のプレート(地球を覆う岩板)の下に、南と東から海側のプレートが沈み込んでいる。
 解析によると、震災前は目立った地震活動のなかった千葉県の銚子付近や茨城・福島県境で、震災直後から陸のプレート内部を震源とするマグニチュード2以上の地震が多く観測された。関東地方東部では、海側のプレートで起こる地震も増えている。いずれも大震災でプレート内部にかかる力が変化した影響とみられる。
 地震活動は徐々に低下しているが、気象庁は「大きな地震の可能性は否定できないので、注意してほしい」と呼びかけている。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120530-OYT1T01024.htm

この報告の内容は、気象庁のサイトにある「震度データベース検索」の使い勝手が良ければ、誰でも引き出せるような内容に、若干の解釈を加えたようなもののように見えます。もしそうであれば、あえて報道する必要はないように、感じました。

次に、国土地理院による報告についてです。

「房総半島沖で大地震の可能性」
    NHKニュース(5月31日 6時19分)
関東地方の沖合で起きる地震について、国土地理院は、地殻変動のデータを分析した結果、関東大震災を引き起こした震源域とは別に、千葉県の房総半島沖で大地震が起きる可能性があるとする研究成果をまとめ、今後、地震の規模などさらに詳しく調べることにしています。
これは、30日開かれた地震予知連絡会の定例会合で報告されました。それによりますと、国土地理院がGPSのデータを解析した結果、房総半島の先端付近の地点が観測を始めた平成9年から14年間、毎年3センチ程度北寄りに移動し続けていることが分かったということです。
房総半島沖では、陸側の岩盤の下に南からフィリピン海プレートと呼ばれる岩盤が潜り込んでいることから、国土地理院は、岩盤が押されて地震を引き起こすひずみがたまり続けているとみています。神奈川県の三浦半島付近も、同じようにひずみがたまり続けていますが、大正12年にマグニチュード7.9の関東大震災が起きてひずみはいったん解放され、一方、房総半島沖では、少なくとも300年間は大地震が起きていません。
このため、国土地理院では、関東大震災を引き起こした震源域とは別に、千葉県の房総半島沖を震源域とする大地震が起きる可能性があるとみて、今後、地震の規模や繰り返し間隔などを詳しく調べることにしています。
西村卓也主任研究官は「この地域で地震が起きた場合、マグニチュード8クラスの地震になる可能性がある。観測の精度を高めて地震想定の見直しに役立てるようにしたい」と話しています。

[関連リンク]
◇  MEGAQUAKEⅡ 巨大地震第3回 "大変動期" 最悪のシナリオに備えろ(仮) NHKスペシャル (6月9日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120531/k10015498291000.html

この内容は、去年の12月16日付の朝日新聞の記事とほとんど同じように見えます。もしそうであれば、繰り返して報道する必要があるようには思えません。

「地殻のひずみ解消、3割だけ 房総南方沖、M8地震でも」
    朝日新聞(2011年12月16日7時41分)
首都圏を襲う地震震源域の一つとされる房総半島南方沖では、たまっていく地殻のひずみが、マグニチュード(M)8級の大地震が起きても2〜3割しか解消されない恐れがあることが、国土地理院の西村卓也主任研究官の分析でわかった。ひずみが多く残される結果、1500〜2千年間隔とされる従来の想定よりも早い時期か、より規模の大きい地震が起きる可能性があるという。
 この地域には相模トラフと呼ばれる海底地形があり、陸側の岩板が海側の岩板にくっついて地下に引き込まれ、ひずみが蓄積していることが、全地球測位システム(GPS)で観測されている。ほかに1923年の関東大震災(M7.9)が起きた震源域と、ゆっくりひずみが解放される房総沖の領域がある。
 房総半島南方沖は1703年、関東大震災震源域と連動してM8級の元禄関東地震を起こし、津波を伴って1万人以上の死者が出たとされる。この巨大地震が1500〜2千年間隔で繰り返すといわれ、地震によってひずみは解消され、次に起こるまでは時間があるとみられている。

http://www.asahi.com/science/update/1215/OSK201112150045.html

NHKニュースの下の方でリンクしてある番組を宣伝するのための記事と解釈するのが、一番すっきりします。


最後に、産業技術総合研究所の報告についてです。

「房総沖で未知のM8級地震、400年周期の可能性 産総研
      日本経済新聞(2012/5/30 20:39)
産業技術総合研究所は、千葉県の房総沖で未知のマグニチュード(M)8級の地震が、約400年の周期で起きてきた可能性があることを解明した。全地球測位システム(GPS)の観測データを分析した。房総沖などで起きる「元禄型関東地震」は、今後30年以内の発生確率がほぼ0%とされているが、見直しを迫られるかもしれない。
 30日に開かれた地震予知連絡会で発表した。
 国土地理院のGPS観測データから、房総沖でプレート(岩板)の動きがプレート間がくっつく「固着」現象のために遅くなる「すべり欠損」の速度を調べた。房総沖では年間3センチメートルと分かった。地震調査委によれば房総沖で地震が起きるのは元禄型関東地震のみで、その周期は平均で2300年とされている。
 ただプレート間が地震でずれる大きさを考えると、房総沖だけで約400年の周期で地震が起きてきた可能性が高いことが分かった。この場合、地震の規模はM8程度になる。
 房総沖のみで未知の地震が繰り返し起きていたとすれば、千葉県の外房地方などを津波が襲う頻度が上がる。

房総沖で未知のM8級地震、400年周期の可能性 産総研 :日本経済新聞

やっぱり、国土地理院の報告と同じようなものに見えるのですが…。もしそうならば、共同研究だったのでしょうか?


で、いつも書いていることなのですけれど、マスコミが報道すると何だかわからなくなってしまうのです。今回の件については、地震予知連絡会が議事録を掲載するまでは、解釈を保留しておこうと思います。そんなに緊急に知らなくてはならないことではありませんからね。問題は、議事録がいつ掲載されるかですが、遅くても、次の定例会までには掲載されると思われます。wikipediaによると、「年4回の定期会議と、必要に応じ随時連絡会を開催する。」となっていますから、待たなくてはならないとしても最大で3ヶ月ですね。

それから、地震予知連絡会によると、定例会の内容はテレビモニターシステムを介して別室で観ることができるようです(事前登録が必要)。できるならば、ニコニコ生放送で中継していただけると、私としてはありがたいです。

(抜粋)
第195回地震予知連絡会(平成24年5月30日開催予定)の模様をテレビモニターシステムを使用し、会議場と隣接する地震予知連絡会小会議室で公開いたします。公開中、地震予知連絡会小会議室に入室を希望される方は事前登録が必要となります。

今回の定例会のお知らせ