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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「独占密着30日 指原莉乃、博多へ。」(Quick Japan 9月号)によって明らかになった、彼女の移籍のいきさつ

クイック・ジャパン 103 指原莉乃の写真を背景として「独占密着30日 指原莉乃、博多へ。」と書かれている「Quick Japan」 9月号(太田出版 〔2012/8/10〕)を読みました。この号には、表紙に書かれている通りのタイトルである、35ページに渡る特集記事(p12-56)が掲載されています。

この特集記事は、指原莉乃AKB48からHTK48へ移籍することが決まってから企画されたものだと、私は思い込んでいました。しかし、冒頭の見開き(p12,13)に書かれている説明によると、初めに企画した際には、「あの人の、10代最後の夏―――」というタイトルであり、前号(6月12日発売)の予告もそうだったそうです。なお、私としては、オリジナルな企画の特集記事も読んでみたかったです。

とは言え、今回の特集記事が「独占密着30日 指原莉乃、博多へ。」となったことは、非常に有意義なことだったと思います。指原莉乃の移籍について理解するために重要なことが、彼女と秋元康によって語られているからです。私の知る限りでは、明らかな形としては初めて、メディアに掲載されたものだと思います。このブログ記事においては、このことに絞って記載したいと思います。なお、このブログ記事に書いたことは、特集記事のごく一部に関してです。特集記事における、それ以外の部分も興味深い内容だと私は思います。


指原莉乃HKT48への移籍については、深夜のラジオ番組(オールナイトニッポンニッポン放送〕、6月16日)において、秋元康指原莉乃に告知する形で発表されました。彼女の移籍については、内容が予想外であったことに合わせ、発表がこの異例の形であったことにより、大きな話題となりました。HKT48は、国民的アイドルグループであるAKB48の姉妹グループでありながらも、知名度が低かったのですが、指原莉乃の移籍により、多くの人に知られることとなりました。通常であればAKB48にとってマイナスになると思われることも宣伝に使ってしまうやり方は、AKB48らしいと思います。

しかし、このAKB48流の宣伝には弊害もありました。指原莉乃の移籍が決まる経緯が、彼女に大きな関心と理解を持っている人以外には、分かりずらくなったからです。このことも要因となり、彼女への処分を甘いとする批判が、普段はAKB48に関心がない人からも起こりました。


Quick Japan の記事において記載されているのは、コトの発端となった週刊文春の記事についてではありません。週刊文春の記事については、ラジオ放送における彼女の以下の言葉で、全てを言いつくしているように、私は思います。

(記事の)中身に関しては事実じゃないこともたくさんありましたが、その人とお友達だったことは本当です。

AKB48による指原莉乃に対する事情聴取は、このラジオ放送の前に既に終わっており、処遇の内容も既に決まってたと思われます。したがって、この放送において彼女がするべきことは、AKB48のファンに対する謝罪と、彼女のファンが納得する説明でした。他のメンバーのファンよりは年齢層が高いとされている彼女のファンの多くは、この説明を聞くだけで事情を察して、それ以上の説明を求めなかったようです。


週刊文春の件については、指原莉乃のファンが納得するだけの説明だけで十分だと私は思います。しかし、それに対する処分については、AKB48のファンの過半数が納得するような説明が、AKB48の運営よりされることが望ましいです。従来から、AKB48においてはこの種の説明が十分にされない傾向があります。そして、今回も同様でした。

このような場合、一般社会でしたらば、批判の対象は運営に向かいます。しかし、不思議なことに、処分が甘いという批判の矛先は、指原莉乃に向かいました。指原莉乃は、AKB48の世界では出る杭であり、彼女を叩ける材料は全て利用しようと考えている方々がいらっしゃるようです。今回も処分が甘いといういう理由で、多くの批判と中傷が彼女に浴びせられました。

指原莉乃の処分が決まるまでの経緯は、Quick Japanの記事によると以下のようです。まず、指原莉乃は、最初はAKB48を辞めようと思ったということです(p44)。週刊文春の記事における真実の割合がどうであるかは別として、そのような記事とされたことに責任を感じたためです。彼女の考えを聞いた秋元康は「辞めたいなら辞めてもいい。」「本気で芸能界にしがみつきたいと思う人しか残らなくていい」と話したそうです。

この言葉を聞いて、指原莉乃はもう一度考えたそうです。秋元康は彼女を慰留はしなかったようですが、直ぐにはプロセスを動かさなかったようです。その結果、彼は翌日、彼女の「やっぱりAKBで頑張りたい。」という言葉を聞くこととなります。これに対して、秋元康は何かのペナルティーがないとおかしいからと、「じゃ、こちらで対応を考えます。」と言ったそうです。そして、HKT48への移籍というペナルティーが、オールナイトニッポンで発表されることになりました。(「ペナルティー」という言葉に対して不快に感じたHKT48のファンもいらっしゃるかと思いますが、もう少し読んでいただければ、それは解消されると思います。

指原莉乃への処分について、過去の事例に較べて甘いと批判する人がいます。しかし、処分はケースバイケースですから、一般論で批判することは危険であり、また、無責任だと思います。AKB48の運営は、過去に処分を受けたメンバーに対しても、指原莉乃の場合と同様に、意志の確認をしたと思います。そのメンバーが辞めると答えたのならば、考え直す猶予を与えられたか否かはわかりませんが、その通りのプロセスが進んだと思います。逆に、辞めたくないと答えたならば、どのようなペナルティーを与えるかが検討されたと思います。結果として決まったペナルティーをメンバーが了承するならば、その通りになり、了承できないのならば、辞めることとなったと思います。もちろん、運営がペナルティーを検討したが、救うことができないという判断に至った場合があった可能性はあると思います。

以下、次の2点について、Quick Japanの記事に基づいて記します。

  • 指原莉乃が前言を取り消して、「やっぱりAKBで頑張りたい。」と考えた理由
  • 指原莉乃に対するペナルティーが決まる経緯

まず、指原莉乃が、「やっぱりAKBで頑張りたい。」と思い直した決断についてです。この決断は、秋元康が言ったような「本気で芸能界にしがみつきたい」というものとは、少し違ったようです。しかし、その決意の度合いは、「本気で芸能界にしがみつきたい」と同等であったと推測します。彼女が思い直したことには、アイドルオタクであった彼女の経験が大きな要因になったようです。なお、彼女は現時点でもアイドルオタクですので、素人のアイドルオタク時代の経験と言った方が正確な記載になります。

検索にかかることを防ぐために名前は伏せますが、指原莉乃はあるアイドルグループのあるメンバー・Kさんのファンでした。そして、Kさんが芸能界を突然辞めたことになり、大きなショックを受けたということです。実は、私も、Kさんが辞めることとなったことについては驚いたのですが、健康上の理由でしたので、致し方がないと思いました。指原莉乃は、自分が、もし、このまま辞めたならば、ファンに対する裏切りになると考えたようです。念のために書いておきますと、Kさんが引退したことを裏切りと思った人は、ほとんどいないと思います。

指原莉乃の場合、何故、裏切りになるかというと、27枚目のシングルの選抜メンバーを決めるAKB48選抜総選挙で4位となった直後に引退することになるからです。選抜総選挙において、彼女のファンは多くの金銭的な出費をしました。これは、去年の選抜総選挙で9位であった彼女が、さらに前のポジションで歌うのを願ってのことです。しかし、この時点においては、彼女は27枚目のシングルにおいて歌う姿を、まだファンには観てもらっていませんでした。彼女は、このことを、ファンに対する裏切りだと考えたのです。このファンへの思いがあるが故に、批判や中傷を浴びることを覚悟で、辞めないことを決意したのだと、私は思います。このことは、「本気で芸能界にしがみつきたい」と同等の意志がないと、できない決断だったと思います。

私は、この決断は正しかったと思っています。彼女のファンは週刊文春の記事の件で減ったことは確かですが、激減しませんでした。ネットでは、アンチによる猛攻撃をファンは受けましたが、多くのファンが生き残りました。そして、現時点では、彼女のファン数は、新たなファンも加えれば、選抜総選挙において彼女が4位となった時点よりも、増えているように見えます。


続いて、HKT48への移籍というペナルティーが決められた経緯について記します。

秋元康によると、AKB48の運営によって検討されたペナルティーには、色々な案があったようです(p52)。もちろん、その中には解雇というものあったようです。指原のファン以外のAKB48ファンが、彼女がAKB48グループ内に留まることを容認できるようなペナルティーはどうなものかと考えた時に、彼女をAKB48グループに貢献させる形のものが望ましいという結論に至ったようです。そして、具体案として出てきたのが、HKT48への移籍でした。運営としては、この案には現時点では容認できない人もいるかもしれないけれど、AKB48グループを考えるファンならば、その大部分が将来的には容認できるものになる、という読みがあったと推測します。

HKT48は、AKB48の姉妹グループですが、CDの発売がされていないデビュー前であり、九州トップのアイドルグループでもありません。このため、テコ入れをするために、AKB48のメンバーを兼務の形で送り込むという構想があったそうです。これは、私が以下の記事において推測していたこととほぼ同じです。

送り込むメンバーとして、具体的に名前が挙がっていたのは、篠田麻里子(福岡出身)、柏木由紀(鹿児島出身)、指原莉乃(大分出身)だったそうです。しかし、どの3人もAKB48の本体には必須のメンバーですし、メンバー自身も兼務とはいえ、移籍を望まなかったと思われます。また、HKT48のファンも大歓迎というわけではないでしょうから、具体化はしなかったということだと思います(実際に、指原莉乃の加入に反発したファンは少からずいらっしゃり、現在もいらっしゃいます。)。

しかし、今回の件で指原莉乃への指令が可能になりました。さらに、彼女は今回の総選挙で4位となったので、9位であった時よりは、地元は受け入れやすくなったと推測されました。で、秋元康は、オールナイトニッポンの放送中に指原莉乃にこの件を提示することとなりました。そして、彼女が拒絶をしなかったので、成立したわけです。


さて、指原莉乃HKT48への移籍は成功したかというと、現時点においても予想以上の効果が起きているので、大成功だと思います。まず、HKT48の全国的な知名度は飛躍的に増えました。指原莉乃は、全国ネットの番組に登場するたびに所属名としてHKT48を、律儀に言及します。また、共演する芸人の多くは、彼女の移籍をネタにしてくれます。それだけではなく、メディアによるHKT48の扱いが格段に増えました。

週刊プレイボーイに連載されている指原莉乃をメインにした4コマ漫画「さしこ+」では、毎回のようにHKT48が題材になっています。また、雑誌「UTB(アップトゥボーイ)」では、vol.210(8月23日(木)発売)から、指原莉乃がHKT48のメンバーをプロデュースする連載が始まったようです。

指原莉乃の加入をキッカケにして、地元におけるHKT48への仕事のオファーは急増したようです。それだけではなく、全国レベルの仕事も増え、メンバー個人の活動も、徐々にですが可能になってきました。宮脇咲良兒玉遥は、指原莉乃が同伴した形ですが、全国レベルのテレビ番組に出演を果たしました。また、村重杏奈は、AKBドラマである「マジすか学園3」(テレビ東京系)に第5話から出演するようになりました。

秋元康も予想したように、HKT48のファンの中には、HKT48が以前のものからは変質してしまうという理由で、指原莉乃の加入に反発したファンがいました。外部から眺めるならば、HKT48が以前のままであり続けるのならば、その存続が難しくなる可能性が十分にあったと思われるのですが、人間の気持には理屈とは相反することがあるようです。しかし、彼女の加入による効果を実感し始めると、少なくてもHKT48全体のことを考えるファンにおいては、少なくなっているようです。

HKT48に何かが起きるたびに、その要因が指原莉乃であるとして批判する人は、AKB48のファンでありながら前田敦子を批判し続けた人がいるように、これからも皆無にはならないと思います。しかし、HKT48のファンの数が増えるに従って、その割合は減っているように思われます。


以上、指原莉乃の移籍のいきさつについて、Quick Japan 9月号によってわかったことを書きました。Quick Japanの記事に書かれていることは、指原莉乃のファンの方は理解していた人もいたかもしれませんが、印刷物としてなったものとして有用だと思います。

また、HKT48のファンの多くはあまり理解していらっしゃらないことではないかと推測します。指原莉乃の加入については、色々と思うことのある方もいらっしゃると思います。しかし、全てのことが思うようにならないことも現実です。そして、現実的な選択肢の中の有効なものの一つとして、「ともあれ来てしまった指原莉乃」の広告塔としての能力を活かすということがあると、私はあると思います。