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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

AKB48に対する論客と言われている4人[小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、濱野智史]の発言の信頼性を考えるための資料(第5回選抜総選挙の順位予想の評価)

【意見を参考にするときには、信頼度を知る必要があること】

AKB48について論じる場合に、4人組で現れることが多い著名人がいらっしゃいます。具体的には、小林よしのり中森明夫宇野常寛濱野智史の4人です(以下、敬称を省略)。この中で、名前がよく知られているのは、漫画家の小林よしのり だと思います。

中森明夫は、小林よしのり よりは、一般的な知名度は低いは思いますが、アイドル評論家という肩書きの人です。したがって、小林よしのり よりは、AKB48を論じる資質があるのだろうと推測されます。

他のお二人(宇野常寛濱野智史)については、この4人組として登場されるまでは、大変に申し訳ありませんが、存じませんでした。「AKB48総選挙公式ガイドブック2013」 (講談社MOOK)では、宇野常寛は批評家、濱野智史は評論家という肩書きになっています。


多くの人が知っている分野においては、誰の発言の信頼性が高いとか、誰の発言は偏りがあるとか、誰の発言はスルーするべきだという共有知識のようなものがあると思います。例えば、サッカーファンならば、セルジオ越後さんの批評についての共有知識があると思います。

しかしながら、AKB48について発言する人については、そのような共通認識はないようです。AKB48について多くの関心を持って眺めている人は、小林よしのり についての共有認識はできつつあるように思うのですが、それほどは広がっていないと思います。一般層の多くによる彼の評価は、必ずしもスタンダードに近い意見の持ち主ではないというものだと、私は認識しています。この記事の趣旨は、それがAKB48に関する彼の意見についても当てはまるかについてを示すことではありませんが、結果的にそうなるかもしれません。


【4人の発言の信頼度を、AKB48選抜総選挙の順位予想から推測する】

この4人によるAKB48に関する発言の信頼度は、「AKB48総選挙公式ガイドブック2013」(講談社Mook)に掲載されている 第5回AKB48選抜総選挙の順位予想が、実際とどのくらい近かったを数値に表せば、明確になると思います。なお、この順位予想は、速報が発表前に行なわれたものです。

まず、実際の順位(16位まで)と、彼らによる順位予想を、以下に表で示します。なお、このガイドブックに掲載されているその他の予想を含んだ表については、以下の記事をご参照下さい。

順位 選抜総選挙 _ 小林よしのり 実際の順位 _ 中森明夫 実際の順位 _ 宇野常寛 実際の順位 _ 濱野智史 実際の順位
1 指原莉乃 渡辺麻友 3 渡辺麻友 3 大島優子 2 指原莉乃 1
2 大島優子 大島優子 2 島崎遥香 12 渡辺麻友 3 渡辺麻友 3
3 渡辺麻友 渡辺美優紀 15 大島優子 2 指原莉乃 1 大島優子 2
4 柏木由紀 山本彩 14 柏木由紀 4 篠田麻里子 5 篠田麻里子 5
5 篠田麻里子 松井珠理奈 6 篠田麻里子 5 高橋みなみ 8 柏木由紀 4
6 松井珠理奈 篠田麻里子 5 高橋みなみ 8 柏木由紀 4 高橋みなみ 8
7 松井玲奈 高橋みなみ 8 指原莉乃 1 小嶋陽菜 9 宮澤佐江 10
8 高橋みなみ 宮澤佐江 10 宮澤佐江 10 松井珠理奈 6 松井珠理奈 6
9 小嶋陽菜 小嶋陽菜 9 渡辺美優紀 15 板野友美 11 板野友美 11
10 宮澤佐江 横山由依 13 小嶋陽菜 9 宮澤佐江 10 小嶋陽菜 9
11 板野友美 板野友美 11 板野友美 11 渡辺美優紀 15 松井玲奈 7
12 島崎遥香 柏木由紀 4 松井珠理奈 6 山本彩 14 梅田彩佳 19
13 横山由依 松井玲奈 7 松井玲奈 7 松井玲奈 7 島崎遥香 12
14 山本彩 梅田彩佳 19 峯岸みなみ 18 横山由依 13 渡辺美優紀 15
15 渡辺美優紀 市川美織 57 横山由依 13 島崎遥香 12 横山由依 13
16 須田亜香里 指原莉乃 1 山本彩 14 高城亜樹 20 山本彩 14


表では、選抜総選挙において3位までに入った3人(指原莉乃大島優子渡辺麻友)を太字で示しています。実際には16位以内に入らなかったメンバーで、彼らが16以内位に予想したメンバーは、イタリックで示してあります。


【4人の順位予想を定性的に評価する】

実際に3位まであったメンバーを、全て3位までに予想していたのは、宇野常寛濱野智史の2人です。濱野智史は1位を指原莉乃にしており、ビンゴでした。なお、この3人を3位までに予想することは、それほど難しくはないと、私は思っています。私も上手く予想できていました。マスコミが掲載していた順位予想では、そうではないものが大部分でしたが、予想者を選ぶ見識に問題があったためだと、私は考えています。

中森明夫は、指原莉乃を7位に予想し、その代わりに島崎遥香を2位に予想しています。1位(渡辺麻友)、2位(島崎遥香[実際は12位])としたのは、アイドル好きにありがちな予想に感じます。

小林よしのり は、指原莉乃を16位に予想し、その代わりに渡辺美優紀を3位に予想しています。指原莉乃を16位にしたのは、彼が指原莉乃のアンチだからだと思います。渡辺美優紀を3位(実際は15位)にしたのは、彼がNMB48好きだからだと推測されます。何故ならば、渡辺美優紀は、彼が4位にした山本彩(実際は14位)と同様に、NMB48に所属しているからです。

実際には16位であった須田亜香里については、4人の誰も16位以内にしませんでした。彼女を16位以内に予想するのは、4人だけではなく、多くの人にとって難しかったようです。なお、小林よしのりは、島崎遥香(実際は12位)も16位以内ではなく、枠外である17位に予想しています。

小林よしのり を除く3人は、実際には16人枠外だったメンバーを1人、16位以内に予想しています。これに対して、小林よしのりは、16人枠に入らなかった2人を16位以内に予想しています。具体的には、梅田彩佳(実際は19位)を14位に、市川美織(実際は57位)を15位に予想しています。


以上のことから判断するならば、4人のうちで妥当な予想をしている可能性があるのは、宇野常寛濱野智史であるという印象を、私は持ちました。そして、小林よしのり の予想は極めて偏っているように見えました。中森明夫の予想については、偏りがあるものの、参考とする予想から排除する必要は、必ずしもないレベルに見えました。しかしながら、これらのことは、私の主観かもしれません。このため、評価値による客観的な評価も行うことにしました。


【数値として順位予想を評価する】

まず、表の形式を変換して記載します。実際の順位をこの4人がどのように予想したかが分かるようにします。16位の須田亜香里の順位予想については、難しかったようですから、評価対象から除きます。

なお、私が速報前に行った順位予想も、参考までに評価対象にします。4人の順位予想の相対評価ではなくすためです。私はAKB48のファンではないので、選抜総選挙に投票したこともありませんし、握手会にも行ったことがありません。これはマイナスのようにも見えますが、お金をつぎ込んでいないために、客観的な予想ができている可能性もあります。

順位 小林よしのり 中森明夫 宇野常寛 濱野智史 _ natuka_shinobu
1 指原莉乃 16 7 3 1 3
2 大島優子 2 3 1 3 1
3 渡辺麻友 1 1 2 2 2
4 柏木由紀 12 4 6 5 5
5 篠田麻里子 6 5 4 4 4
6 松井珠理奈 5 12 8 8 7
7 松井玲奈 13 13 13 11 6
8 高橋みなみ 7 6 5 6 10
9 小嶋陽菜 9 10 7 10 9
10 宮澤佐江 8 8 10 9 11
11 板野友美 11 11 9 7 8
12 島崎遥香 17 2 15 13 12
13 横山由依 10 15 14 15 13
14 山本彩 4 16 12 16 16
15 渡辺美優紀 3 9 11 14 15


評価値としては、基本的に2つのものを用意しました。TypeA、TypeBです。両方とも、実際の順位予想と差を評価するものですから、数値が少ないほど評価が高くなります。

TypeAは、ベイシックな評価値です。これに対して、TypeBは、簡単に言えば、順位の高いメンバーの予想が当たっている場合には良い評価になり、順位の低いメンバーの予想が外れてもそれほど悪い評価にはならないものです。

この2つの他に、TypeA(除く指原)とTypeB(除く指原)も用意しました。これは、指原アンチである小林よしのり の評価が、指原莉乃の順位を16位にしたことが要因で、低くならないように考えたものです。この2つと、TypeAとTypeBとの違いは、具体的には、指原莉乃の順位予想を評価の対象外して評価したところだけにあります。

TypeAとTypeBにおける具体的な評価値の出し方については、記事の最後に記載しますので、ご興味とお時間のある方は御覧ください。

小林よしのり 中森明夫 宇野常寛 濱野智史 _ natuka_shinobu
TypeA 6.40 4.21 2.56 1.93 1.37
TypeB 6.48 3.88 2.40 1.79 1.35
TypeA(除く指原) 5.27 4.05 2.59 2.00 1.31
TypeB(除く指原) 3.33 2.91 2.05 1.60 1.03

では、具体的に4人の評価値を見ていきます。TypeAとTypeBの評価値はそれほどは違いませんでした。TypeAについて記すと、良い順に、濱野智史(1.93)、宇野常寛(2.56)、中森明夫(4.21)、小林よしのり(6.40) でした。濱野智史宇野常寛の評価値は良く、中森明夫は普通に悪く、小林よしのりの評価値はかなり惡いです。

濱野智史宇野常寛を少し上回った大きな要因は、宇野常寛松井玲奈の順位を6位外している(実際:7位、予想:13位)に対して、濱野智史が4位外しているだけにとどめた(予想:11位)ことです。松井玲奈に関しては、他の2人も6位外しているので、彼女の順位を低くするというのが、この4人組の特徴と言えます。

小林よしのりを救済するためにつくったTypeA(除く指原)とTypeB(除く指原)においても、彼の評価値が一番低いことは同様でした。結果として、彼の順位予想の精度は、指原莉乃の他においても低いことが分かりました。


私の予想の評価値は、この4人よりも良くなっています。これは、AKB48選抜総選挙は、私にとっては他人ごとなので、客観的に観ることができるからだと思います。これに対して、この4人は観測空間の中にいるので、観測が難しくなっている可能性があります。

それから、上にも書きましたが、この4人は松井玲奈の評価が低いようです。このことが、私よりも評価値を低くしている要因の1つになっています。松井玲奈の順位を低くする偏りは、日刊スポーツの記者さんたちが彼女の評価を高くしていることと逆の方向の偏りなので、面白いと思いました。



【4人の順位予想についての最終的な評価】

私の観点では、4人の順位予想を新聞の記事の信頼度に例えると、以下のようになります。

濱野智史宇野常寛 一般紙レベル (例: 朝日新聞、読売新聞 など)
中森明夫 スポーツ新聞レベル (例: スポーツニッポン、日刊スポーツ など)
小林よしのり タブロイド紙レベル (例: 夕刊フジ日刊ゲンダイ など)

確かなことは分かりませんが、濱野智史は、朝日新聞に記事を書いているようです。朝日新聞の選択は妥当なように思います。

小林よしのり による予想は、話のネタには良いのかもしれません。指原莉乃の順位を16位にしたり、NMB48の2トップを3、4位にしたことを、ネタとして考えているのならば、面白いという捉え方があると思います。しかしながら、一般紙が但し書きをつけずに彼の順位予想を引用すると、信頼を落とす可能性があると思います。なお、この評価はあくまでも、彼自身ではなく、彼の順位予想についての評価であることを、ご承知ください。


【評価値の具体的な算出の仕方】

TypeAは、15次元空間に実際の順位と予想順位をプロットして、実際と予想との距離を算出したものです(実際には「15の平方根」で割ります。)。各次元は、評価対象となる15人の順位に対応します。ただ、これだけでは直感的に分かりにくいと思いますので、この内の2次元空間を切り出した図を、以下に記します。

図は、指原莉乃の順位と大島優子の順位からなる2次元空間に、実際の順位(赤い丸)と、4人の順位予想のプロットを試みたものです。残念ながら、小林よりのり による順位予想は、指原莉乃の順位が低すぎるために、図の範囲内には入りませんでした。

図には、距離の算出例として、中森明夫における算出式を記しています。具体的には、「1-7」の2乗と「2-3」の2乗を足した値の平方根をとったものが距離になります。本来の15次元における距離の場合は、残りの13人における「予想順位と実際の差の2乗」をさらに足し合わせてから、平方根をとります。

実際に採用したTypeAの値は、距離を「15の平方根」で割ったものです。別の言い方にするならば、差の2乗の平均をとってから平方根をとったものです。


次にtypeBの説明です。TypeAは、説明しやすいのですが、「1位のメンバーにおける予想と実際の差の2乗」と、「15位のメンバーにおける予想と実際の差の2乗」が、同じ重みであるのことに違和感を感じる人がいらっしゃると思います。TypeBは、この問題を解消するために、重要度を加味した加重平均をとってから平方根をとったものです。重みは、「1位にメンバーにおける予想と実際の差の2乗」に最大の重みをかけ、順位が下がるに従って重みを減らします。

重みのつけかたには、色々ありえます。ここでは、15位のメンバーの重みを基準にすると、1位のメンバーの重みは15倍、2位のメンバーの重みは14倍というふうにしました。つまり、n位のメンバーの重みは(16 - n)倍になります。


−−以上−−