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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「日経エンタテインメント」(2014年1月号)における、年間ヒットランキング[音楽]の概要と考察

日経エンタテインメント」(2014年1月号)には、年間ヒットランキングが、ドラマ、音楽、映画などについて示されています。私にとっては「音楽」が興味深かったので、この概要について紹介します。

なお、この号の特集は「2013年ヒット総まくり」であり、総合番付が示されています。各分野におけるランキングは、この番付の素データに該当します。


「音楽」のランキング(p44-47)では、CD売り上げランキング(サウンドスキャン)を、第1のデータとして扱っています。そして、以下の5つのランキングも参照して、議論しています。その5つランキングは、「ダウンロード販売」(レコチョクiTunes)、ミュージックビデオ再生(Youtube)、歌詞検索(歌ネット)、カラオケ(joysound)です*1

記事のタイトルは、「 嵐がシングル ・ アルバムともにナンバーワン、 AKB48指原莉乃センター曲が広く浸透」であり、タイトル付きのセクションは、以下の4つです。これらのことから、記事のおおまかな内容は、推測できると思います。

  • 配信でも人気の「恋チュン」
  • セオワカ、きゃりーが躍進
  • アルバムのヒットも縮小
  • あまちゃん」は音楽もヒット

私はアルバムには興味が無いので、前半(p44-45)について、記載します。記事の最後では、最近のデータを補足することにより、ランキングに補正を試みます。


CD売り上げランキング(サウンドスキャン)のトップ3は、「calling/breathless」(嵐)、「さよならクロール」(AKB48)、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)の3曲でした。それぞれの売り上げは、約88万枚、約80万枚、約59万枚でした。

トップ20までに、ジャニーズ系が12曲、AKB48系が6曲入っています。この2つの系列のCDは、作品の良し悪しによらず売れます。このため、一般的の人の多くは、この18曲の大部分について、あまり興味がないと思います。

この18曲の中で、今年、一般の人にも流行った曲は、「恋するフォーチュンクッキー」でした。記事のタイトルに「広く浸透」と書かれていますように、他の3つのランキングにおいて、10位以内に入っています(詳しくは、後述)。記事では、この曲が流行った一番の理由を、「センターが指原莉乃だからこそ共感できる前向きな片思いの歌詞」としています。なお、この曲についての記載量は、「calling/breathless」よりも多いです。


この2系列の他にトップ20に入った曲は、9位に入った「ピースとハイライト」(サザンオールスターズ)と、14位に入った「自由への進撃(紅蓮の弓矢、自由の翼 など)」(Linked Horizon)です。

恋するフォーチュンクッキー」と共に日本レコード大賞の候補曲になっている「EXILE PRIDEこんな世界を愛するため」は、サウンドスキャンによる集計では8万枚弱しか売れていないと記されています。これは、ミリオンに届いているオリコンによる集計とは、かなり違います。記事ではこの違いを、オリコンは限定流通盤を集計対象にしているが、サウンドスキャンはしていないためであるとしています。

EXILEが、今年、ライブチケット付きのCDを発売したことについても、記事では記載しており、「発明」と描写しています。この「発明」による売り上げは、サウンドスキャン集計には含まれていないようです。


記事では、複数のランキングに登場している今年発売の曲として、「恋するフォーチュンクッキー」と「紅蓮の弓矢」の他に、「にんじゃりばんばん」(にんじゃりばんばん)、「SEKAI NO OWARI」(RPG)について記しています。「スターラブイレーション」(ケラケラ)も該当するのですが、「セオワカ、きゃりーが躍進」というセクションでは、記載されていません。

5つのランキングにおいて、3つ以上でトップ10に入っている曲は、「恋するフォーチュンクッキー」、「にんじゃりばんばん」、「SEKAI NO OWARI」、「スターラブイレーション」、そして、発売日が今年ではない「女々しくて」(ゴールデンボンバー)です。

この内、「SEKAI NO OWARI」と「スターラブイレーション」は、4部門でトップ10に入っています。「恋するフォーチュンクッキー」も、サウンドスキャンを含めれば、4部門でトップ10に入っています(レコチョクiTunes、ミュージックビデオ再生[Youtube]、サウンドスキャン)。


恋するフォーチュンクッキー」のカラオケ(joysound)における順位を、この記事では16位としています。しかし、joysoundによる公式発表(2013年12月2日発表)では、13位になっています。

この違いは、公式発表のランキングの集計が、2013年1月1日から11月30日であるのに対して、日経エンターテイメントの記事の集計が、11月10日までであるためです。つまり、この20日間だけで、この曲は順位を3つあげたことになります。

恋するフォーチュンクッキー」は、8月21日発売であり、発売週から先週(11月25日〜12月1日)まで、週間1位を続けています。今後も勢いが続くでしょうから、年末までの集計であれば、10位以内に入る可能性が、大いにあります。

この他、「恋するフォーチュンクッキー」は、ダウンロード販売であるレコチョクiTunesについても、発売から3ヶ月経っても好調です。ミュージックビデオ再生(Youtube)についても、再生回数を伸ばし続けています。公式MV(Youtube)は10月30日の公開なので、公開から1ヶ月しか経っていません。そして、最近でも、1日に約20万回 再生されています。

これらのことより、レコチョクiTunesYoutubeにおける「恋するフォーチュンクッキー」の順位は、現時点では、日経エンターテイメントに記されているランキング順位よりも上になっている可能性は大いにあります。以下、この3つのランキングの概要を記載したあと、私の知っている情報を使って、補正を試みます。


記事に記載されているレコチョクのランキング(集計期間:2012年12月1日〜2012年11月17日)の1位から3位までは、「女々しくて」、「恋するフォーチュンクッキー」、「にんじゃりばんばん」の順でした。今年の曲に限るならば、「恋するフォーチュンクッキー」がトップです。

ダウンロード販売における今年のヒット曲は、私の認識では、前半は「にんじゃりばんばん」であり、後半は「恋するフォーチュンクッキー」です。このランキングでは、集計期間が去年の12月1日から始まっていることが、「女々しくて」に有利に働いています。

恋するフォーチュンクッキー」は、11月の月間ランキングにおいて、5位でした。そして、先週のランキング(11/27〜12/3)においても、5位でした。今週(12/4〜12/10)についても、12/7までのデイリーランキングから推測すると(12/7は6位)、10位内である可能性は高いです。

恋するフォーチュンクッキー」は、年末まで、このレベルを維持する可能性があります。現時点においては、「女々しくて」と「にんじゃりばんばん」のダウンロード販売は少ないので、大晦日までに「恋するフォーチュンクッキー」がトップとなる可能性があります。


記事に記載されているiTunesのランキング(集計期間:2012年12月31日〜2012年11月10日)の1位から3位までは、「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」(Taylor Swift、2012年8月13日発売)、「女々しくて」、「恋するフォーチュンクッキー」の順です。順位の付け方は、ポイントのような指標に基づくのではなく、トップ10への登場数になっています。この3曲の登場週は、それぞれ、14週、12週、11週になっています。この他、「SEKAI NO OWARI」は10週で4位タイ、「にんじゃりばんばん」は9週で8位になっています。

11月11日以降の4週(11月11日〜12月8日)について補足することにします*2。データは、iTunesの順位などについて記録/解析している「The Natsu Style」のものを使います。これは、iTunesの公式サイトには、リアルタイムの順位は表示されるのですが、各週の順位に関する情報はないためです。

私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」のこの4週の順位は、10位、16位、11位、16位でした。このため、トップ10以内の回数が1回増えました「The Natsu Style」の記載によると、10位(11月11日〜17日)となったのは、テレビ番組「テラスハウス」の影響のようです。

恋するフォーチュンクッキー」の順位の推移は、14位、13位、7位、8位でした。トップ10以内の回数が2回増えました。この曲は、10月28日〜3日の週から、11月18日〜24日の週まで、4週間に渡ってトップ10から外れていたのですが*3、11月25日〜12月1日の週に7位となり、トップ10に復活しました。

この4週分を加えて、ランキングを修正します。「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」は、1位のままです(15週)。2位には「恋するフォーチュンクッキー」が入り(13週)、「女々しくて」(12週)と交代しました。


ミュージックビデオ再生(Youtube)の集計(2013年1月1日〜11月12日)においては、1位から3位までは、「にんじゃりばんばん」、「SEKAI NO OWARI」、「インベーダーインベーダー 」 (きゃりーぱみゅぱみゅ、2013年5月15日発売)の順でした。この他に、「スターラブイレーション」(ケラケラ)が7位、「恋するフォーチュンクッキー」が9位になっています。

10位まで入った曲の中の、日本国内の作品である8曲について、現時点における再生回数を表にします(2013年12月8日 21時頃観測)。なお、日経エンターテイメントの記事における「恋するフォーチュンクッキー」の順位は、「Staff ver」の順位ですが、私が示した数字は公式版のものです。記事において、「Staff ver」の数字が使われたのは、11月12日の時点では、公式版[2013年10月30日公開]が公開されてから間もないために、こちらの再生数が多かったためだと推測します。

アーティスト 再生回数 日経エンタメの記事における順位
にんじゃりばんばん きゃりーぱみゅぱみゅ 26,364,702 1
SEKAI NO OWARI RPG 21,589,406 2
インベーダーインベーダー きゃりーぱみゅぱみゅ 16,087,562 3
ふりそでーしょん きゃりーぱみゅぱみゅ 15,215,053 4
友達より大事な人 剛力彩芽 12,035,711 5
スターラブイレーション ケラケラ 8,191,411 7
恋するフォーチュンクッキー akb48 9,536,492 9
イロトリドリ ゆず 6,308,380 10

きゃりーぱみゅぱみゅ による3曲の再生が多いのは、海外からの再生が多いためだと推測します。「友達より大事な人」(剛力彩芽)の再生数が多いのは、彼女のダンスを峯岸みなみAKB48)が「めちゃ2イケてる」の特別番組(10月16日)で真似をしたことが要因になっているという説がありますが、私はそれ以前の再生回数がわからないので、この真偽は分かりません。

現時点のデータにおいても、トップ3はかわりません。「恋するフォーチュンクッキー」については、上にも書きましたように、1日に20万回再生回数が増えていますので、来週の日曜日が終わる頃には、1100万回に近くなっていると推測します。年末に5位になっている可能性はあります。

この曲にはAKB48のメンバーが出演していない多くのMVが作られています。AKB48公式チャンネルに登録されている36本の再生回数を合計すると、今日の23時の時点で約3670万回になっていました。この数字を公式MVの再生回数を加えるならば、4600万回を超えます。なお、AKB48公式チャンネルに登録されていないMVも数多くあります。


最後に、12月6日に発表された「Billboard Japan Hot 100 Year End」(ビルボードジャパン)について触れます。これは年間チャートに対応します。「Billboard Japan Hot 100 」のランキングは、CD売り上げの他に、ダウンロードセールスと、エアプレイを判断材料にしているという特徴があります。

1位から3位までは、「恋するフォーチュンクッキー」、「さよならクロール」、「ピースとハイライト」の順でした。AKB48の曲では、「さよならクロール」ではなく、「恋するフォーチュンクッキー」がトップになり、全体のトップにもなっています。「さよならクロール」は、特典が付いていないダウンロード販売では弱かったので、予想通りの結果でした。

日経エンタテインメント」の記事は、明示的ではありませんが、今年のトップは、「恋するフォーチュンクッキー」であると主張しているように見えます。それと同じ結果が、「Billboard Japan Hot 100 Year End」においては、明示的な結果になったということになります。


−−以上−−

*1:この記事は「CD売り上げランキング」をリスペクトしていますが、前振りのような感じがしました。

*2:4週目のデータはこの記事を投稿する際には間に合わなかったので、あとで追加しました。

*3:AKB48としては次の曲となる「ハート・エレキ」が10月30日に発売された影響です。