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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

初週からの連続トップ50に入った週数が、一般層で流行した曲を知る手がかりになること(2013年の曲では、「恋チュン」がトップ)

最近、音楽の流行が分からないと、ぼやく人が増えてきました。その原因としてよくあげられることは、AKB48によるおまけ付きの音楽CD販売です。しかしながら、AKB48だけが問題なわけではありません。この件については後で記載しますので、現時点では、AKB48だけが問題ならば、週間売り上げランキングにおいて、AKB48系の曲を見ないようにすれば支障が起きない…と記載します。トップ10にAKB48系の音楽が入っていても、多くても2曲くらいでしょうから、情報量が大きく減るわけではないからです。


私は、それよりも大きい原因は、ある週のトップ10に入っている曲の大部分が、次の週には、姿を消していることだと思います。この現象には、曲の評価が初週の売り上げ順位で評価されるようになったことが、大きく影響しています。曲をできるだけ高い順位をするために、アーティストのコアなファンは、初週に購入を集中される傾向が強まってきたからです。このため、曲の販売枚数の中で、初週の売り上げが占める割合が、かなり高くなっています。

具体的に、どのくらいトップ10が毎週入れ替わるのかを見るために、オリコンのシングルチャート(週間)を調べてみました。対象にしたランキングは、今年の1月7日〜13日の週から、12月9日〜15日の週までの49週間分です。なお、週間ランキング(50位まで)は、オリコンの公式サイトが提供しています。

調べて分かったことは、この49週間に400曲が登場したことと(延べの登場曲:490曲)、2度以上登場した曲は60曲だけいうことでした。つまり、トップ10に初めて登場した曲が再び登場する可能性は、15%位だということです。


2週以上登場した曲の内訳は、以下のとおりです。

分類 曲数 備考
AKB48 19 乃木坂46前田敦子を含む
ジャニーズ系 16
EXILE 5
韓流 3 SHINee、少女時代、2PM
その他 17

予想通り、ファン層が大きいAKB48系とジャニース系が多いです。合わせて過半数(35曲)を占めています。良い曲であるか否かによらず、この2つの系列の曲は売れるのだと思います。

EXILEの曲が5曲入っていることについては、健闘していると見る人と、EXILE商法の結果であると見る人がいると思います。この判断に役に立つ情報は、以下で出てきます。


せっかくですから、トップ10に数多く登場した曲を見てみましょう。トップ10に4週以上登場した曲は、7曲です。以下の表に、トップ50に登場した回数も合わせて記載します。

アーティスト トップ10への登場数 トップ50への登場数
EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜 EXILE 8 16
君の名は希望 乃木坂46 5 7
恋するフォーチュンクッキー AKB48 4 17(更新中)
チョコの奴隷 SKE48 4 12
ピースとハイライト サザンオールスターズ 4 11
Calling/Breathless 4 9
賛成カワイイ SKE48 4(更新中) 4(更新中)


「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」(EXILE)は、トップ10に4回入り、トップ50には16回入っています。この情報から、この曲がロングヒットしたと考える人がいると思います。しかし、この曲は、「ロングヒットもどき」です。これについては、次の段落から説明します。むしろ、ロングヒットは、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)や「ピースとハイライト」(サザンオールスターズ)です。

「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」は、トップ10に4回入っていますが、連続して入っているわけではありません。トップ50に16回入っていますが、これも連続してはいません。この曲がトップ50に入った時期は、4つに分かれています。それぞれについて、週間ランキングの推移を表にします。

開始の週 期間における連続週の数
4月1日〜7日の週 5 1 11 24 42 40
7月1日〜7日の週 1 2
8月26日〜9月1日の週 5 6 9 3 1 3
10月21日〜27日の週 5 3 18 26 48 15


「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」は、ミリオンセラーになりましたが、それはミリオンセラーにするために工夫した結果です。特定流通盤の売り上げを集計しないサウンドスキャンの集計では、売り上げは8万枚弱のようです(「日経エンターテイメント2014年1月号 44ページ)。売り方が妙なのは、週間ランキングで1位になった9月16日〜22日の週におけるデイリーランキングの推移を、見ればよく分かります。火土日の3日は1位でしたが、その他の日は圏外になっているからです。この件についての解説は、「The Natsu Style」の以下の記事に書かれています。

第一期(4月1日〜7日の週から始まる5週)においては、この曲は、ライブチケット付きのCDとして売られたようです。AKB48のおまけ付きCDの売り方を悪質だと捉える人ならば、より悪質だと見なすと思います。それから、オマケ付きでCDを売っているアーティストは、現在ではAKB48だけではありません。このことで、第1段落で「AKB48だけが問題なわけではありません」と述べた件については、ご理解いただけたと思います。


上に書きましたように、「恋するフォーチュンクッキー」と「ピースとハイライト」は、真のロングヒットになっています。これを、説明するために、週間ランキングにおける順位の推移を表にします。

曲名 トップ50の連続週の数
ピースとハイライト 11 1 4 6 8 11 14 16 20 37 37 43
恋するフォーチュンクッキー 17 1 2 5 7 11 11 13 13 18 19 24 27 36 36 41 32 27

ピースとハイライト」は、1度も途切れることなく、トップ50に11回入っています。順位は、同じ順位が1度続いた他は、下がり続けています。この推移は、典型的なロングヒットのものです。このことは、「恋するフォーチュンクッキー」も、第15週までは同様です。第16週、第17週が順位を上げていることには、日本レコード大賞の候補曲になったことが、プラスに働いた可能性があります。

恋するフォーチュンクッキー」は、AKB48の最近の曲では珍しく、一般層にも非常に人気があります。したがって、第一段落において、「週間売り上げランキングにおいてAKB48系の曲を見ないようにすれば支障が起きない」としたことは、別の意味で間違えです。

この曲は、カラオケでも、デジタルダウンロード販売レコチョクiTunes)でも人気があります。ダウンロード販売のランキングについて述べるのは、これを一般層における人気を知るために利用する人が、最近増えてきたからです。理由は、CDとは違って、おまけ付きでないためです*1

カラオケでは、発売(8月21日)の直ぐ後から、週間ランキング(joysoundDAMオリコン)でトップを続けています。レコチョクの月間ランキングでは、8月から11月まで、1位、2位、3位、5位と推移しています。iTunesでは、年間ランキングでは、3位になっています。2013年後半のランキングがあれば、おそらく、1位だと推測します*2


デジタルダウンロード販売のランキングに触れましたが、残念ながら、これだけで、一般層における曲の流行を知ることはできません。理由は、以下の4つです。

一つ目は、デジタルダウンロード販売をしていないアーティストがいることです。私が知っているところでは、ジャニーズ系が該当します。2つ目は、デジタルダウンロード販売をあまり利用しないファンが多いアーティストがいることです。これには、演歌歌手が該当します。3つ目は、デジタルダウンロード販売限定の曲があることです。当然、CDを発売しない曲よりも、デジタルダウンロード販売のランキングでは有利です。最後の4つ目の理由は、曲の販売がデジタルダウンロード販売に偏っているアーティストがいることです。例えば、きゃりーぱみゅぱみゅ です。彼女の「にんじゃりばんばん」は、iTunesの年間ランキングでは1位ですが、オリコンの年間ランキングでは、トップ100に入っていません。


上にふれたデジタルダウンロードのランキングの特性を考えるならば、一般層にも流行った曲を知るためには、オリコンなどのCD売り上げランキングを主な情報にして、他の情報(デジタルダウンロード販売、カラオケ)を加味して判断することが現実的です。

なお、CD売り上げランキングには、上でもふれたサウンドスキャンによるランキングもあります。このランキングは、ライブチケットCD(EXILE)による売り上げなどを、集計から外しているので、私としては嬉しいです。しかしながら、ほとんどのメディアは、オリコンのランキングを基に報道しています。例外として私が知っているのは、日経エンターテイメントくらいです。


一般層にも流行った曲を知るためには、オリコンのCD売り上げランキングに、他の情報を合わせて判断する必要があります。でも、年間などの長いスパンにおける流行を知りたいのならば、オリコンのランキングだけで、ある程度のところまではできます。

このためには、上でも使った「初週から連続でトップ50に入った週の数」を使います。まず、そのやり方が上手くいくことを、オリコンの年間ランキングのトップ10に適用することで示します。


以下の表は、オリコンの年間ランキングのトップ10に、初週から連続でトップ50に入った週の数を追記したものです。なお、週数の右の括弧の中に示した数字は、トップ50に入った週の数であり、連続であったかは問いません。

年間順位 アーティスト 初週から連続トップ50の週数(トップ50の週数)
1 さよならクロール AKB48 9(9)
2 恋するフォーチュンクッキー AKB48 17 [更新中](17)
3 ハート・エレキ AKB48 7(7)
4 So long ! AKB48 8 (9)
5 EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜 EXILE 5(16)
6 Calling×Breathless 9(9)
7 チョコの奴隷 SKE48 9(12)
8 美しい稲妻 SKE48 7(12)
9 僕らのユリイカ NMB48 6(10)
10 Endless Game 8(8)


10曲のアーティスト別の分類では、AKB系が7曲(AKB48:4曲、SKE48:2曲、NMB48:1曲)、嵐が2曲です。AKB48系の曲が多いことの理由は、特典を求めて購入するファンが多いためだと推測します。1位の曲がAKB48選抜総選挙の投票権が入っている「さよならクロール」であることは、この象徴だと思います。

特典という点では、「さよならクロール」以外のAKB48の3曲は同じです。この3曲の中で、「恋するフォーチュンクッキー」が一番上である2位となったことは、この曲が一般にも人気があったためです。

ジャニースの曲のトップの2曲が嵐の曲であることには、この2つの曲が他のグループの曲より良かったためか、嵐が人気があるためなのかは、私には分かりません。ただ、毎年のように嵐の曲が他のグループの曲より上にある傾向を見ると、後者のような気がします。なお、この曲は、サウンドスキャンによる年間ランキングでは、1位でした。

AKB48系と嵐の曲の他にトップ10に入った曲は、「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」(EXILE)だけです。この曲も日本レコード大賞の候補曲なのですが、候補曲になる前は、知らない人がほとんどだったようです。参考のために記載すると、候補曲の中で知っている曲を、「恋するフォーチュンクッキー」と「にんじゃりばんばん」(きゃりーぱみゅぱみゅ)だけだとする人が多かったようです。

この10曲の中で、初週からのトップ50連続週数がトップである曲は、「恋するフォーチュンクッキー」です。この曲の連続週が17週(更新中)なのに対して、他の曲が9週ですから、ダントツです。結論としては、この曲が、一般層にも人気がある曲だと検出しました。私は、この検出を妥当だと判断します。以下、この指標を使って、今年の曲で一般層に人気があった他の曲を探すことにします。


今年発売されたCDの中で、初週から連続トップ50の週数が10週以上のものは、「恋するフォーチュンクッキー」を含めて6つでした。この6つについて表にまとめます。オリコンの年間ランキングの順位と、iTunesの年間ランキング(トップ100以内)も記載しました。なお、「自由への進撃 」(Linked Horizon)の順位は、収録されている「紅蓮の弓矢」 の順位です。

「恋するフォチュンクッキー」の他の曲は、オリコンだけではなく、サウンドスキャンのトップ10にも入っていない曲です。私は、この2つのランキングのトップ10よりも、一般層に人気のあった曲がより含まれていると思います。参考にしていただけるならば、幸いです。

年間順位 アーティスト 連続トップ50の週数*3(トップ50の週数) iTunesの年間順位
2 恋するフォーチュンクッキー AKB48 17[更新中](17) 3
13 ガールズルール 乃木坂46 14(14) -
17 ピースとハイライト サザンオールスターズ 11(11) -
29 Mistake!/Battery SMAP 12(15) -
30 自由への進撃 Linked Horizon 15(15) 8
39 潮騒のメモリー 天野春子(小泉今日子 12(12) 16


恋するフォーチュンクッキー」と「ピースとハイライト」の週間ランキングの順位推移は、既に示しましたので、他の4曲について、以下に示します。

曲名 トップ50の連続週の数
ガールズルール 14 1 9 5 11 14 21 11 21 13 16 20 19 18 28
Mistake!/Battery 12 1 5 15 16 33 35 29 14 33 21 24 37
自由への進撃 15 2 3 10 16 24 17 26 30 27 26 27 23 29 27 35
潮騒のメモリー 12 2 9 8 19 12 21 25 28 27 24 34 41


ざっと見てみると、「ガールズルール」における第5週から第9週の推移がかなり怪しいです。調べたとろ、第8週のデイリーランキング順位では、月曜と木曜は、それぞれ、4位と7位なのですが、それ以外は圏外になっていました。このことは、「The Natsu Style」に記録されているデイリーランキングを追えば分かります。

この6曲の中で、一般に人気があった曲だと私が認識しているものは、「恋するフォーチュンクッキー」の他は、「潮騒のメモリー」です。この曲は、朝ドラ「あまちゃん」の挿入歌です。この曲は、「恋するフォーチュンクッキー」とともに有線でも聞きましたし、iTunesの年間ランキングで、16位になっています。

この2曲の他に、iTunesのトップ100に入っている曲は、「紅蓮の弓矢」(「自由への進撃」に収録)です(8位)。この曲は、テレビアニメ「進撃の巨人」の前期オープニングテーマだったそうです。カラオケ年間ランキング(joysound)でも6位に入っています。人気の層が幅広いかについては、私は分かりません。

カラオケ年間ランキング(joysound)について少しふれますと、今年発売の曲、特に後半に発売された曲は不利です。7月10日に発売された「自由への進撃」に収録されている「紅蓮の弓矢」が6位に入れた理由は、joysoundでは6月5日から配信されたためです。なお、デジタルダウンロー販売でも、4月中から配信されたようです。

これに対して、「恋するフォーチュンクッキー」(8月21日)は、週間ランキングにおいて、発売週から現在までトップを続けているのにもかかわらず、13位になりました。「潮騒のメモリー」(7月31日発売)は、11月の月間ランキング(トップ30)でも21位に入っているのですが、年間ランキング(トップ30)には入っていません。なお、11月の月間ランキングでは、「恋するフォーチュンクッキー」は1位、「紅蓮の弓矢」は8位です。他の3曲はランクインしていません。


最後に、AKB48のシングル(2010年〜)に対して、初週からの連続トップ50の週数を利用してみます。

AKB48の曲の売り上げは、AKB48選抜総選挙の投票券が入っている曲が大きくなるので、売り上げだけでは、曲の人気がわかりません。このため、この指標が役に立つと考えたからです。なお、2010年から調べた理由は、この年は、カラオケの人気曲である「ヘビーローテション」が発売された年だからです。


連続週数のトップ10を表に示します。9位が2曲なので、9位までの記載になります。

順位 発売日 連続トップ50の週数*4(トップ50の週数)
1 ヘビーローテーション     2010年08月18日 44(45)
2 ポニーテールとシュシュ    2010年05月26日 19(38)
2 ギンガムチェック        2012年08月29日 19(19)
4 恋するフォーチュンクッキー 2013年08月21日 17[更新中](17)
4 Beginner         2010年10月27日 17(19)
6 Everyday、カチューシャ 2011年05月25日 15(22)
6 UZA            2012年10月31日 15(16)
6 風は吹いている      2011年10月26日 15(15)
9 フライングゲット       2011年08月24日 13(20)
9 桜の木になろう        2011年02月16日 13(13)

初週から連続44週である「ヘビーローテション」が、ダントツでトップです。この曲に、初週から連続17週である「ポニーテールとシュシュ」と「ギンガムチェック」が続きます。2012年の日本レコード大賞は、「真夏のSounds good !」(初週から連続9週、表になし)ですが、「ギンガムチェック」(19週連続)の方が一般層には人気があると、この指標からは判断されます。

恋するフォーチュンクッキー」は、現時点では「Beginner」と共に、初週から連続17週です。今週もトップ50に入ることは確実だと思います。今週(12月16日〜22日)のデイリーランキングにおける順位の推移が、14位(月)、31位以下(火)、20位(水)、12位(木)、12位(金)、17位(土)、19位(日)だからです*5。この勢いは、今年中は続くでしょうから、少くても、19週連続にはなると推測します。そうならば、2位タイということになります。

私が意外だったのは、「フライングゲット」の連続週が、13週目(2011年11月14日〜27日)で途絶えていることです。この曲は、「ヘビーローテション」ほどではないのですが、カラオケのヒット曲だからです。この後、第28週(2013年12月19日〜25日)から、再び連続週が始まり、第24週(1月30日〜2月5日)まで続いています。


−−以上−−

*1:レコチョクのランキングについては、レコチョク自体が、オマケをつけているので、厳密には違います。

*2:年間ランキングになると、去年からのヒット曲や、今年発売の曲に較べると不利になります。

*3:初週からという意味

*4:初週からという意味

*5:火曜日は31以下になっていますが。しかし、火曜日は初登場の曲のフラゲの日なので、初週以外の曲は順位を下げるのが通例です。