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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

小笠原諸島(父島など)に行きました。

七夕である今日は梅雨空です(2014年7月7日)。時々、強い日差しが差し込みますが、同時に細かい雨も降ることもあり、傘が2種類の用途に使えるような天気です。関東地方では、今晩は雨は降らないかも知れませんが、星が見える可能性は少ないようです。

東京とはいえ、梅雨が開けていた父島小笠原諸島)には、星空がありました。父島の繁華街から離れた海岸にナイトツアーで行くと、街の光に全く邪魔されないために、沢山の星を観ることができました。父島は、東京都庁のほぼ南にあり、約1000キロ離れています。緯度では奄美大島沖縄本島の中間くらいにあるので、これらの地域と同じように、現在は梅雨が開けています。


小笠原への旅(5泊6日)は私の念願であり、ほぼ期待通りになりました。天気に恵まれて、素晴らしい自然を満喫することができました。

しかし、旅が梅雨明けになったことは、意図通りではありませんでした。夏は強い日差しのために、激しい日焼けを被るので、避けたかったのです。現地において実感したのは、日焼け止めクリームを塗っても、日焼けの程度を軽減するくらいにしか役立たないことです。特に、白い砂による照り返しがある場所では、短時間の間に驚くほど焼けます。

それでは、何故、梅雨明けの旅行になってしまったというと、小笠原への旅は、実現が容易ではないことが原因です。このため、小笠原には今年の初めから行きたいと思っていたのですが、それが可能になったが今の時期になりました。

小笠原へ観光へ行く人が使える交通手段は、6日に1度、竹芝桟橋(東京)から出発する「おがさわら丸」だけです。しかも、25時間半もかかります。つまり、船内で一泊、往復では二泊しないといけないということです。

ベットがある個室に泊まれれば、身体的な負荷が少ないと共に、安全性が高いです。しかし、私にとってはかなり高い値段でした。二等(ざこ寝)でさえ、片道(7月)の料金が3万円弱することから、値段の想像がつくと思います。

ざこ寝で安全なのかと考えてしまうと、なかなか直ぐには決断できる旅行ではありません。しかしながら、このような敷居の高さが、小笠原の自然を守る盾になっています。


小笠原諸島は、2011年にユネスコ世界遺産になりました。世界遺産になると、途端に観光に行きたくなのが、日本人のあり方です。その顕著な例が、石見銀山島根県)です。石見銀山については、世界遺産になる前は、ほとんどの日本人が関心を持つような場所ではありませんでした。ところが、世界遺産に登録されると、観光客が殺到しました。

小笠原諸島の場合も、世界遺産に登録されると、初年の観光客は、今までの1.7倍になったそうです。「管内概報 平成25年版」(東京都小笠原支庁) [http://www.soumu.metro.tokyo.jp/07ogasawara/common/pdf/25_h25gaiyou.pdf]には次のような記載があります。

(2)世界自然遺産登録後の観光客の推移
小笠原諸島を訪れる観光客数は、平成23 年6 月の世界自然遺産登録後、マスコミ
によるPR効果で小笠原の認知度が向上したこと等から、大幅に増加している。
[ア] おがさわら丸による観光客の増加
おがさわら丸による乗船客数は、世界自然遺産登録前の平成22 年度は23,004 人で
あったが、登録後の平成23 年度には30,822 人、平成24 年度は31,910 人と大幅に増
加している。
また、観光目的で訪れる乗船客数(観光客数)は、平成22 年度が13,572 人であっ
たのに対して、登録後の平成23 年度には21,854 人、平成24 年度は、22,643 人とな
っている。

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/07ogasawara/common/pdf/25_h25gaiyou.pdf

でも、観光客の増加が1.7倍であることは、穏やかな増加だとも言えます。このような増加に留まったのは、交通手段が「おがさわら丸」に限られているからです。もし、小笠原が湘南海岸(神奈川県)のようにアクセスが良い場所にあったのならば、1年間だけで、小笠原の自然は瀕死の状態になったと想像します。

「おがさわら丸」を運行する小笠原海運としては、できるだけ多くの乗客を運んだ方が儲かります。しかし、この会社が行ったことは反対のことでした。世界遺産になった次の年(2012年)の6月から、乗客数を減らしています。2等の乗客数を810名から543名に減らして、全体の乗客数を769名にしたのです。


小笠原諸島世界遺産に登録された後、「おがさわら丸」は、ほぼ満席の状況が続いたようです。それでも、客層が今までと同じならば、大きな問題はなかったと思います。しかしながら、世界遺産になったことにより、シニア層の観光客が増えました。今回も旅でも、スーツケースを持った乗客をかなり見かけました。小笠原の観光客は、海のアクティビティが好きな人と、私のような島好きな人だけではなくなったのです。

このような新しい乗客層の中には、「おがさわら丸」の旅を厳しいと感じた人が少なくなかったようです。また、貧乏旅を共に耐えるような雰囲気もなくなったのではないかと、(勝手に)推測します。このような状況の変化に対応するために、小笠原海運は、2等の定員を減らすと共に、備品もグレードアップ(敷き->マットレス、掛け->掛け布)したそうです。

この結果、観光客が減ったかというと、そうでもないようです。観光客のピークは今までどおり、夏にあるのですが、他の時期にも客が増えたからです。世界遺産であることに魅力を感じた新たな客層は、夏に観光する必要はありません。そして、これらの人の中には、仕事を引退した人が含まれており、夏休み以外の時期に旅することが可能だからです。観光業者にとっても、観光客が夏以外にも分散されることは、都合がいいです。例えば、宿泊施設では、部屋の稼働率が高くなります。


「おがさわら丸」における長時間の移動は、予想よりも快適でした。定員が少なくなり、一人あたりのスベースが増えたことに、私も恩恵を受けたのだと思います。船内のレストランについては、著しく混むと予想していたのですが、普通に混んでいる状態でした。設備は、予想していたよりも充実していました。無料の貴重品ボックスは、非常に助かりました。それから、船のスタッフ従業員の方は、規律を持っていると同時に、好感を感じる人がほとんどでした。

なによりも、海の景色は長い間観ていても飽ませんでした。日差しを避けたい場合にはAデッキ、日差しが欲しくなったらば上の階にある屋根のない場所を選べます。たまには、デッキスナックから観る眺めも悪く無いです。


夏の間は船も宿も既に満員でしょうから、このブログ記事を読んで行きたくなっても、実現可能になるのは、秋以降になると思います。個人で行くならば、便利なのは、小笠原の中心地である大村地区(父島)での宿泊です。贅沢を言わなければ、ひと通りのものを買うことができ、オシャレなカフェもあります。大きな選択肢は、母島に行くかどうかだと思います。

父島母島だけに連泊するのならば、小笠原海運による「おがまるパック」が便利だと思います。なお、私は検討はしましたが、条件が合わなくて、利用していません。


−−以上−−