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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「心のプラカード」(AKB48) の失敗の原因は、まがい物感と、情報発信力のなさ

AKB48の「心のプラカード」(2014年8月27日発売)の売上げが不調です。AKB48のシングルとしては、歴史的に低調だと思います。


「心のプラカード」の初週の売り上げは、1,005,774枚でした。このことにより、かろうじて、初週でミリオンを超えました。しかし、第2週と第3週の売り上げは、それぞれ、21,546枚(週間5位)と7,834枚(週間14位)になりました。これは、私がかき集めたデータによると、AKB48のシングル(2010年以降)の中では最低です。なお、第4週の売り上げ(4,257枚[22位])は、かろうじて最下位だけは免れました*1

「心のプラカード」の4週目までの売り上げは、1,039,411枚です。もし、これ以降、売り上げが単調に減少するならば、総売り上げは、「桜の木になろう」(2011年2月16日発売)と「Beginner」(2010年10月27日発売)の間に着地する可能性が高いです。

「心のプラカード」のセンターを務める渡辺麻友は、「恋するフォーチュンクッキー」(2013年8月21日発売)を意識したようです。でも、この曲のCD売り上げとの比較は、もはや無意味になりました。「恋するフォーチュンクッキー」(センター:指原莉乃)の売り上げは154万枚に達しているからです。そして、「心のプラカード」の5週以降の売上が、50万枚以上になる可能性は極めて低いです。


AKB48が得意としないデジタルダウンロード販売iTunesレコチョク)では、「心のプラカード」は、「恋するフォーチュンクッキー」に著しく劣ります。

「心のプラカード」のiTunesのおける売り上げ(デイリー)の最高順位は、「The Natsu Style」を参照するならば、4位です。これは、配信(2014年8月20日)から3日目と4日目に記録されました。その後は順位を下げ、21日目においてトップ20を外れました。

これに対して、「恋するフォーチュンクッキー」の場合は、配信から4週間の間においては、ほとんど1位でした。1位を取れなかった日は、2日間だけでした。その2日間(8日目、9日目)は、配信限定曲に一位を譲って2位でした。

「心のプラカード」は、レコチョクにおいても芳しくありません。先々週(9/17〜9/23)の順位は35位です。思いがけないことが起きない限り、今後、順位が著しく上がる可能性は少ないです。このため、興味の対象は、「恋するフォーチュンクッキー」に逆転される時期になっています。ちなみに、「恋するフォーチュンクッキー」の先々週の順位は、45位でした。


「心のプラカード」の失敗は、大きく言って2つあると思います。一つは“まがい物感”があることです。“まがい物感”の源泉は、プロモーションが「恋するフォーチュンクッキー」の二番煎じであることです。そして、もう一つは、「心のプラカード」のセンターを務める渡辺麻友の情報発信能力が、「恋するフォーチュンクッキー」のセンターを務める指原莉乃に比べると、著しく乏しいことです。この他に、渡辺麻友は、選抜の他のメンバーを引き立てる力も劣っていますが、これについては述べません。


初めに、「心のプラカード」の“まがい物感”について説明します。このためには、「恋するフォーチュンクッキー」が一般層に受け入れられた理由を説明すると、分かりやすくなると思います。

恋するフォーチュンクッキー」は、音楽の力がある曲です。ネットを見ると、この曲によって勇気づけれた人がかなりいることが分かります。それに加えて、この曲のMVを見ると元気を貰えるとするという人もいます。

恋するフォーチュンクッキー」は、多くの団体(企業、自治体、学校)によるMVが多数作られることにより、一般層にも深く広まっていきました。このことは、通常のAKB48の曲とは大きく違います。

AKB48の曲は、連続ミリオンセラーを続けています。でも、一般層の受け止め方は、特典付きで売れているというものであり、AKB48の曲を評価対象から除いている人もいます。しかし、この曲は多数のMVのお陰で、多くの人が聞く機会ができました。そして、聞いてみたらば良い曲だったと感じた人が多いようです。

多くのMVが作られるキッカケは、AKB48グループのスタッフによる「Staff Ver.」(2013年7月19日公開 )の面白さを、多くの人が発見したことです。この動画(Youtube)は、5日間で、100万回再生されています。このことにより、この曲に合わせて踊った動画が、たくさんネットに投稿されました。これが、多くのMVが作られることに繋がりました。

恋するフォーチュンクッキー」の振り付けは、必ずしも簡単ではありません。しかし、センターを指原莉乃が務めているために、ハードルが低くなりました。踊りがさほど上手くないというイメージがある彼女に踊れるならば、自分でも踊れると思った人もいたようだからです。これに加えて、篠田麻里子大島優子がバリエーションを加えて踊ったことが、さらにハードルを低くしました。少しくらい違ってもOKだという認識をもたらしたからです。


これに対して、「心のプラカード」の音楽の力について、語られることはありません。でも、「恋するフォーチュンクッキー」と同様に、「Staff Ver.」(2014年8月4日)を作られました。このことにより、MVをつくることを一般層に促すためです。

このことは「心のプラカード」に、本質では勝負をせずに、形をプランドに似せて作る“まがい物”に似たイメージをもたらしました。この曲の「Staff Ver.」には、「恋するフォーチュンクッキー」の「Staff Ver.」に感じたオリジナリティーが欠けているだけではなく、面白さの発見が起きなかったようです。事実、再生数は、現時点(2014年9月30日)でも、100万回に届いていません。

「心のプラカード」の振付は、踊りやすいように簡単であるとアピールされました。しかし、一般層はうながされたから踊るわけではありません。また、踊りやすいから踊るわけでもありません。踊りやすい振付にしたことは、例えば、純粋な砂糖の甘さを使ったのではなく、人工甘味料を使っているような感じをもたらしました。


次に、指原莉乃渡辺麻友の情報発信力の差について述べます。指原莉乃は、AKB48グループのメンバーの中でも、情報発信の力が極めて高いメンバーです。研究生出身の彼女は、この能力がなれば、去年のAKB48選抜総選挙でトップになることはなかったと推測されます。

これに対して、渡辺麻友にはこれらの能力はありません。彼女はAKB村の学校の優等生ですが、学校ではそのような科目はありませんでした。しかし、初めから正規メンバーである彼女の場合は、優等生であれば機会が与えられてきましたので、これらの能力は必要ではありませんでした。

今年のAKB48選抜総選挙でも、渡辺麻友は、速報の時点では指原莉乃に続いて2位でしたが、AKB48劇場支配人である湯浅氏によるAKB48箱推し票を誘導する後押しもあり、1位になることができました。しかし、そのようなことが可能なのは、AKB48選抜総選挙がAKB村のイベントだからです。


恋するフォーチュンクッキー」の成功には、指原莉乃の情報発信の力が大きく貢献しました。まず、この曲のタイトルさえ公表されていない時点から、この曲は話題になりました。秋元康に「指原音頭」だと言われたという彼女の発言(2013年6月13日)が、大きく報道されたからです。この注目の中で、博多において4000人のエキストラを動員して行われたMVの撮影(6月22日)も、大きく報道されました。

そして、この曲がどんな曲であることを知りたい多くの人が、「音楽の日」(6月29日、TBS)における初披露を見守りました。このあとも、この曲は、篠田麻里子板野友美のそれぞれの卒業に着目した番組において披露されました。このように、この曲に関する話題は、発売日まで途切れることはありませんでした。つまり、2ヶ月間に渡るプロモーションが行われたことになります。

これに対して渡辺麻友は、「心のプラカード」についての情報発信を、自らは行うことがありませんでした。彼女には、正統派のアイドルという自負があるようです。このため、指原莉乃のように情報発信をする必要がないという意識があるのかもしれません。

しかし、渡辺麻友が正統派であるといっても、それはAKB48においてです。そのAKB48は、おまけ付きのCDによりミリオンセラーを続けることにより、国民的アイドルグループとされている、異端のグループです。彼女は異端のグループにおける正統派なのです。

渡辺麻友は、かつての松浦亜弥のように大衆に広く支持されたアイドルではありません。むしろ、一般層の支持と知名度は、指原莉乃のほうが高いです。これは、彼女が一般層の支持を得て、去年のAKB48選抜総選挙においてトップになったことから分かります。


このように考えていくと、「心のプラカード」の失敗の本質は、一般層へのアピールが弱い渡辺麻友がセンターであるのにもかかわらず、一般層にアピールするプロモーション戦略をとったAKB48運営にあることが分かります。なぜ、そのような明らかな失敗をしたかについて、不思議に思う方もいらっしゃると思います。でも、最近のAKB48運営は、失敗を多発させています。一番わかり易い例が、「AKB48グループ ペナントレース」(開催期間:4月22日〜10月31日)です。


AKB48グループ ペナントレース」は、AKB48グループの各グループを構成させるチームレベルで競わせるものです。AKB48運営には、必要以上にメンバーを競わせることを好む人いるようです。これらの人が、今回は、チーム同士を競わせることにしたのだと思います。なお、ペナントレースと称しても、優勝旗(ペナント)はなかったようです。ペナントレースと命名したのは、AKB48運営において野球好き人がいるからだと思います。

AKB48グループ ペナントレース」に関しては、AKB48グループのファンのほとんどは、興味を持っていないようでした。ルールについても、興味を持たれませんでした。このイベントの趣旨は、AKB48のチームに勝たせることにより、箔を付けさせることだと認識する人がかなりいました。それが難しくなれば、ルールが変えられるだろうという認識を持っている人にとっては、ルールは興味の対象外だったと思います。

そして、このイベントの中止が、9月23日になり、湯浅氏により突然に発表されました。終了の1ヶ月前における中止は驚きでした。そして、この時点において、トップであったチームは、チームK4(HKT48)でした。

湯浅氏は、AKB48選抜総選挙の最中に 「僕の想いとしてはその山をまた1つ越えていきたいと思いますし、AKB48の支配人としてはぜひとも博多から1位を奪還したいと思っております」 「なんとか博多から1位を奪い返す! これに尽きると思います」 と発言しています。このことから、「AKB48グループ ペナントレース」においても、博多(HKT48)のチームが1位ではマズかったのだろうと思います。


 「AKB48グループ ペナントレース」は、AKB村のイベントでしたから、上手く行かなくなってから、中止することができました。しかしながら、AKB48のシングル曲には、一般層の人も関わってくるので、帳じりを合わせることができません。結果的に、「心のプラカード」が失敗したことは、分かる人には分かってしまいました。

それでも、「心のプラカード」はミリオンセラーになりましたので、AKB48運営としては、「セーフ」(野球用語)なのだろうと思います。マスコミは、ミリオンセラーになったか否かにしか関心がないからです。そして、マスコミが関心があるのはオリコンの売り上げであり、デジタルダウンロード販売iTunesレコチョク)は関心外です。マスコミが気づいて、報道しなければ、「セーフ」なのです。

あとは、AKB48グループのファンが、この曲の失敗に気が付かないフリをしてくれればOKという認識なのだと思います。しかし、「心のプラカード」の失敗を、存在しないことにしてしまうと、AKB48グループの未来は暗いと思います。AKB48運営が、これからも失敗を重ね続けて行く可能性があるからです。少くてもそのことは、姉妹グループにとってはマイナスになると思います。


−−以上−−

*1:最下位は、「ラブラドール・レトリバー」(2014年5月21日発売)