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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

巡視船「おおすみ」と、マスコミが釣り船と呼んでいた「とびうお」が衝突した事故 に関する調査報告書が発表されたました。

昨年1月に、広島県沖の瀬戸内海において、海上自衛隊輸送艦おおすみ」と、マスコミが釣り船と呼んでいた「とびうお」が衝突する事故がありました(2014年1月15日)。“マスコミが釣り船と呼んでいた”と記したのは、実際は、お客を乗せて営業している船ではなく、個人所有のプレジャーボートだったからです。

この件に関する調査報告書が、国から報告されました(2015年2月9日)。この調査報告書は、運輸安全委員会の以下のページからアクセスできます。


当時、この件についての正確な情報を持ち、客観的に判断することが出来る人の大部分は、「とびうお」に問題があったと見なしたようです。何故ならば、この日は天候がよく、大きな船である「おおすみ」は遠くからも見えたはずだからです。そして、進路を変更することは、「とびうお」の方が容易だったからです。

しかしながら、マスコミは、当初から「おおすみ」に問題があるように報道しました。これは、マスコミの従来からのあり方を踏襲したものだと思われます。


政府や大企業が個人に対して被害をもたらした場合、被害者側の主張がほとんど聞き入れられない時代がありました。この時代におけるマスコミの役割は、個人のサイドに立ち、政府や大企業を批判することでした。その時代には、そのようなマスコミの姿勢が大きく評価されたのだろうと思います。でも、時代は変わりました。

今の時代には、政府や大企業に責任がないような場合でも、クレームを行う個人が増えてきました。その一部は、クレーマーという部類の人達です。中には、職業的にクレーマーをしているような人も、存在するようです。

このような時代において、確証もなしに政府や大企業を批判することは間違えです。


マスコミは、1%も「おおすみ」に問題がないことはありえないと考え、当初から「おおすみ」に非があるという立場をとっても、問題は起きないと判断した可能性があります。しかし、時間が経るについて、「とびうお」に不利な情報が見つかり始めました。「とびうお」が本来の意味における釣り船でないことも、その一つでした。

おおすみ」に過失があるする報道を、マスコミは改めませんでした。今回の調査報告書を報道する記事の大部分においても、当初と同じように「釣り船」という表現が使われています。


調査報告書における「4.2 原因」を簡単にまとめるならば、以下の2つになります。

  1. 「とびうお」は、進路をかえて「おおすみ」に接近した。
  2. おおすみ」は衝突を回避しようと努めたが失敗した。

この他に、「4.3 その他判明した安全に関する事項」には、以下の様な記載があります。

おおすみは)、より早い段階での減速、より大幅な減速を行うなど、海上自衛隊通知文書に基づき、小型船との接近に対応し得る余裕のある航行をするか、航行指針に基づき、衝突予防の見地から注意喚起信号を活用していれば、本事故の発生を回避できた可能性があると考えられる。


普通に解釈すれば、原因を作ったのは「とびうお」であり、理想的なことを行っていれば、「おおすみ」が事故を回避できた可能性があるという調査結果だと思います。でも、この報告書の解釈は、メディアによって違います。それが一番わかり易い、記事のタイトルを記載します。


一番正確な記載は、「とびうお」を「プレジャーボート」として正確に記載している産経新聞だと思います。次に、正確な記載は、「とびうお」の進路を変えて接近したことだけを記載した朝日新聞だと思います。問題の根源は釣り船にあるので、簡略した記載にすると、こうなると思います。

読売新聞と、毎日新聞は、「とびうお」が接近したということと、「おおすみ」が回避ができた可能性を、同列にして記載していますので、やや恣意性を感じます。テレビ朝日は、原因をもたらした大小を無視して、「双方に原因」 と記載していますので、かなり恣意的な報道だと思います。

マスコミは、度合いの違いを無視して議論することがあります。テレビ朝日の記載には、これが現れたと思います。このようなあり方が現れた最近の例は、二人の日本人がISILに拘束されて、最終的に殺害された事件です。二人が助かる可能性は皆無でありませんでしたが、かなり少なかったと思います。しかしながら、一部のマスコミは、この可能性あったという事実に単純化して、日本政府の対処を批判しています。


「とびうお」のプレジャーボートの船長が「おおすみ」に接近した動機は分かりません。船長が亡くなったからです。なお、船に詳しい人の推測の中には、巡視船をからかうために近づいたという説がありました。ただ、推測の域を出ません。


【タイトルを引用した記事】