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記事一覧

人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

WHOのガイドラインが糖分摂取量(1日あたり)を25g以下にするべき というマスコミの報道では、誤解しやすいこと

世界保健機関(WHO)が3月5に発表したガイドラインが、物議を醸しています。あまりにも、難しいと受けた人が多いようです。

しかしながら、そのように受けとめた人が多いならば、マスコミの報道が煽ってしまった可能性があります。WHOが出してる情報を見ると、必ずしも難しいものではないことが分かります。


例えば、以下の読売新聞の記事を読んで、成人が1日に取る糖分を25グラム以下に押さえるべきだというガイドラインのように解釈した人が多いようです。該当する部分を引用します。

世界保健機関(WHO)は4日、成人が1日に取る砂糖をティースプーン6杯分の25グラム程度に抑えることを奨励する砂糖摂取の新指針を発表した。
(中略)
これまでWHOは、食物から取り込む熱量(カロリー)のうち砂糖の割合を10%以下にする目標を掲げてきたが、新指針は5%以下にすることを求めた。これにより成人にとっての適量は、従来の50グラム程度以下から半分に減る。
(後略)

http://www.yomiuri.co.jp/world/20150305-OYT1T50033.html

この記事は、Yahoo!Newsのトップ記事となり、かなりアクセスを得ていました。このため、影響力は大きかったようです。


正しい情報は、“5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる”というものです。例えば、日本経済新聞の記事の第3段落に記載されています。

新指針では引き続き「10%までを推奨する」としつつも、「5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる」と追加した。

1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針 :日本経済新聞

しかし、この記事においても、タイトルは「1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針 」です。また、第1段落における記載は、“砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表した。”です。

読者の中には、記事タイトルしか読まない人がいます。また、上の方の文章しか読まない人もいますし、全部読んだとしても、最初の記載だけが印象に残る人もいます。そのように観点からすると、誤解を招くような記事と見なされる可能性があります。


WHOのプレスリリース(3月4日)では、第1行目において、推奨する数値を10%とし、5%という数値は“additional health benefits”をもたらすものとしています。

4 March 2015 釗 Geneva - A new WHO guideline recommends adults and children reduce their daily intake of free sugars to less than 10% of their total energy intake. A further reduction to below 5% or roughly 25 grams (6 teaspoons) per day would provide additional health benefits.

WHO | WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children

補足するならば、25gという数値は、去年のWHOプレスリリース(3月5日)によると、標準のBMIの大人に対するものようです。したがって、身長、体重、年齢、性別によって、異なる値になると思います。例えば、アメリカ人に対する平均的な値と、日本人に対する平均的な値は異なってくるはずです。

Five per cent of total energy intake is equivalent to around 25 grams (around 6 teaspoons) of sugar per day for an adult of normal Body Mass Index (BMI).

WHO | WHO opens public consultation on draft sugars guideline


WHOのプレスリリースを読むと、3つのことが分かります。これらは、日本のマスコミの記事からは読み取れない、または、読み取りにくいことです。

  1. 10%以下という数値は、過体重、肥満、虫歯になるリスクを減らすための設定。
    • We have solid evidence that keeping intake of free sugars to less than 10% of total energy intake reduces the risk of overweight, obesity and tooth decay,” says Dr Francesco Branca(以下省略)
  2. ガイドラインは、新鮮な果実と野菜、牛乳に含まれる糖分には言及していない
    • The WHO guideline does not refer to the sugars in fresh fruits and vegetables, and sugars naturally present in milk, because there is no reported evidence of adverse effects of consuming these sugars.
    • Free sugars refer to monosaccharides (such as glucose, fructose) and disaccharides (such as sucrose or table sugar) added to foods and drinks by the manufacturer, cook or consumer, and sugars naturally present in honey, syrups, fruit juices and fruit juice concentrates.
  3. ガイドラインは一般の人への啓蒙のためでもあるが、食品加工会社や飲食店への強い要請という意味合いが強いように感じる。

1番目に該当する英文を文字通りに解釈するならば、痩せていて、虫歯予防をしっかりしている人には、必須ではないということになります。

2番目に該当する英文を文字通りに解釈するならば、新鮮な果実と野菜、牛乳は対象外になります。
果汁のジュースと濃縮ジュースは対象内であるが、新鮮な果実は対象内という意味は分かりません。これは、英語における“juice”の意味を、私がシッカリ理解していないためである可能性があります。私は、“juice”は、果汁100%のものだと見なしているのですが、違うのでしょうかね。
確実なことは、フレッシュジュースのスタンドで売られていたとしても、ミキサーにかけた後に、水と砂糖を加えているものは対象内だということです。

3番目に記載したように思うのは、2-2の英文の中に“added to foods and drinks by the manufacturer, cook or consumer”というフレーズがあり、製造業者、料理人、消費者という順番になっているからです。

消費者が行うことは自己責任です。でも、消費者が気をつけても、食品加工会社と料理人における問題認識が十分でなければ、支障をもたらします。甘く感じる飲食物は、少くありません。

一例を記するならば、缶コーヒーには、糖分を控えめにしていることをセールスポイントにしているのもがありますが、全体的には甘いように思います。なお、マックスコーヒー(ジョージア)については、甘いことを十分に認識して飲む人が多いでしょうから、問題はないと思っています。


−−以上−−