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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「HKT48指原莉乃座長公演」(明治座)[2015年4月13日]の感想など

明治座で行われた「HKT48指原莉乃座長公演」[2015年4月13日]を観に行きました。一連の公演は、4月8日(水) から23日(木) まで、15回に渡って行われるものであり、この公演は7回目に該当します。


公演の構成は、第一部が「博多少女歌舞伎『博多の阿国の狸御殿』」、第二部が「HKT48ライブ『踊る!たぬき祭り』」からなっています。第二部のタイトルが『踊る!たぬき祭り』だと知った時には、違和感を感じました。しかし、実際に観ると、第一部から違和感がなく繋がっていました。

第一部と第二部ともに、とても楽しくて、有意義に感じました。機会があれば、また観に行きたいと思います。

念の為に書いておきますと、私は、HKT48の熱烈なファンではありません。この公演を観た大きな理由は、明治座において開催されて、芝居とライブが半分づつであったことです。


ほとんど観客は、楽しんでいたように感じました。もちろん、批判的な意見がある人もいたと思います。でも、それらの人には、こうあるべきだという固定観念が存在する人、または、批判をすることによって、自分が他の人とは違う存在だと感じたい人が、かなり含まれていると思います。

明治座は歴史ある劇場ですが、国立劇場のように格調高い公演だけが行われる箱ではないと思います。むしろ、大衆演劇をかなり受け入れている劇場のように思います。

大衆演劇に必要なのは、細かな技術論ではないと思います。AKB48グループのファンには、ダンスや歌などのスペックを高くして、それを満たさないという理由でメンバーを批判する人がいます。しかし、そのあり方は大衆演劇には馴染まないように思います。大衆演劇においては、スペックについては、必要を満たしていれば十分とされているのではないかと思います。その代わり、もっと重要なことがあると思います。その中で一番重要なことは、観客が楽しませるということだと思います。

HKT48は、AKB48グループの中では、一番、観客を楽しませることに重点をおいているグループだと思います。他のグループのコンサートは、基本的にファンのために作られているようです。これに対して、HKT48の場合は、ファン以外の一般の人も楽しめることも念頭にして作られているようです。その意味では、AKB48グループの中では、明治座で公演をすることに、一番、ふさわしいグループだと思います。


観客の少なくても8割位は、HKT48を中心とするAKBグループのファンなのだろうと思いました。これは、第二部のためにペンライトを持参してきた人の割合からの推測です。

ファンに以外の人にも、第一部は十分に楽しめるものだったと思います。普通の舞台との究極的な大きな違いは、女性キャストがHKT48メンバーであり、AKB48グループの曲がミュージカルにおける音楽のように使われていただけだからです。そして、その流れと世界感が連続した形で、第二部のライブが始まりました。このため、自然に入り込むことが容易だったと思います。

実は、この公演に対する私の若干の不安は、ペンライトを持っていないことでした。私は、AKB48グループのライブに行ったことがないので、持っていないのです。しかし、私の興味はライブより芝居の方なので、無理をして用意する必要はないと判断しました。私の周りにもペンライトを持っていない人が少なからずいたので、それは正解だったと思いました。

第一部については、もしかしたならば、一般の演劇ファンの方が楽しめるのではないかという気もします。AKB48グループのファンには、ドラマのようなジャンルに関心が低い人の割合が一般よりも多いように感じています。このために、AKB村的な不思議な観点において、批判する人がいらっしゃるような印象があります。このことは、一般の演劇ファンにおいては、起きないことだと思います。


今回の公演は、HKT48のことを、ファン以外に知ってもらえるよい機会だったと思います。しかし、チケットが入手する過程が特殊であることによって、機会を十分に活用できなかった可能性があります。

私がこの公演を観に行くことに決めた理由の一つは、チケットを明治座から購入できると考えたことです。しかし、実際はAKB48グループチケットセンターから購入する必要があることが判明したので、どうしようかぁと考えてしまいました。そして、入会手続きの際には、グループにおける推しメンを指定しなくてはならず、再び、どんなもんかなぁと思いました。ともあれ、ビキナーズラックが幸いしたのか、チケットが当りました。でも、驚いたことに、チケットの発券は、公演の3日前でした。これは、転売を防ぐためのようですが、都合が悪い人もいると思います。


前置きが長くなりましたが、公演の内容について記載します。第一部について主に記載して、第二部についての記載は簡単に行います。

この中には、芝居のあらすじの記載もあります。ドラマの愛好家の感覚では、ある程度の筋書きが明かされることは、大きな問題をもたらすことではありません。おそらく、大衆演劇においても同様だと推測します。あらすじを知ることが大きな支障になる方は、これ以上を読まないことをお勧めします。


第一部である「博多少女歌舞伎『博多の阿国の狸御殿』」の舞台は、豊臣秀吉(高木稟)が関白となっている時代の京都です。主人公であるキヌタ(指原莉乃)は狸であり、たぬ蔵一家の一員です。たぬ蔵を演じるのは、岡森諦です。

一家におけるメス狸たちの役割は、色気を使って京の男どもから金を巻き上げることです。その金は、たぬ蔵一家における重要なイベントである「たぬき祭り」の資金になるようです。

キヌタと、彼女の妹分である おはぎ(矢吹奈子)は、メス狸の主流派ではありません。おそらく、キスタは通常営業よりも「たぬき祭り」で活躍するのだと思います。主流派のリーダーは、お黒(多田愛佳)であり、その他のメス狸を演じるのは、森保まどか田島芽瑠坂口理子村重杏奈朝長美桜です。

たぬ蔵一家におけるその他のメンバーとしては、メス狸たちの用心棒をつとめるポン太(酒井敏也)がいます。彼は、キヌタと おはぎ と行動を共にすることが多いようです。


京では、博多の阿国(宮脇咲良)の一座による娘歌舞伎が評判になっています。阿国がこの劇のヒロインです。

この一座における阿国以外の中心メンバーは、お菊(兒玉遥)とお梅(今田美奈)です。この他のメンバーを演じるのは、本村碧唯松岡菜摘穴井千尋植木南央熊沢世莉奈です。メンバーには、正規メンバーと研究生がいるようです。一座の運営としては、座頭(犬飼淳治)と番頭(岩本達郎)がいます。

この記事において役が記載していないHKT48メンバーの役と、第二部におけるセットリストは、以下のページに記載がありますので、ご参照ください。


キヌタは、阿国一座、特に阿国に憧れおり、メンバーになるオーディションを受けます。しかし、狸だあることがバレてしまい、狸汁にされそうになります。彼女を助けたのは、阿国でした。キヌタが自分たちのファンであることが分かったからです。そして、二人の間には友情が芽生えていきます。

ところが、阿国は、お忍びで芝居を観に来ていた秀吉に見初められて、妾になることになってしまいます。阿国は、本当は望んではいません。しかし、災害を被った博多には多額の資金が必要であり、多額の復興資金を与えると約束されると、断ることができませんでした。

このことを知ったキヌタは、阿国を救うために駆けつけます。たぬ蔵一家も、彼女に加勢するために駆けつけます。キヌタは、阿国の夢の中の存在である王子に変身して、阿国を助け出します。しかし、キヌタ以外のたぬ蔵一家は、捉えられてしまいます。

最終的には、お黒?の言葉に心を動かされた秀吉によって、たぬ蔵一家と一座は許されます。それだけでなく、阿国には復興資金が与えられます。

芝居は、阿国一座が博多へ旅立つ場面で終わります。この少し前に、キヌタに感謝する一座のメンバーによって、彼女の夢は叶えられます。それは、一座のセンターになって踊ることでした。


よく出来た脚本だと思います。特に、指原莉乃HKT48のことを知っている人は、実際のことと関連付けると、より面白く感じると思います。

モーニング娘の有名なヲタであった指原莉乃は、AKB48の48人枠が埋まったあとに、AKB48に加入しました。彼女は研究生から出発しますが、やがて正規メンバーに昇進して、選抜総選挙において4位にまでたどり着きます。彼女は文春砲を浴びますが、異動したHKT48における貢献が評価されて、第5回AKB48選抜総選挙において一位となります。そして、彼女がセンターとなった「恋するフォーチュンクッキー」は、大ヒットしました。キヌタは、一座に憧れて、オーディションを受け、たぬき汁にされそうになりながらも、最後にはセンターとして踊ります。この設定は、指原莉乃を念頭にして作られたと思います。

指原莉乃以外のHKT48メンバーの中で一番成功しているのは、阿国を演じる宮脇咲良です。彼女については、将来的にはAKB48に引き抜かれる可能性があると考える人がいます。AKB48運営は、自らメンバーを育てることに力を入れず、姉妹グループから人材を引き抜いて対処することがよくあるからです。AKB48の運営やファンの多くは、姉妹グループのメンバーがAKB48に引き抜かれることを、名誉なことだと思っているようです。これは、秀吉が自分の妾になることを、阿国が望んでいると思い込んでいることと似ています。

その他に、たぬ蔵一家における お黒(多田愛佳)のあり方と、彼女のキヌタとの関係性は、多田愛佳のあり方を思い浮かべさせます。

芝居の脚本・演出は、横内謙介です。でも、このような実際のことを反映した脚本が、彼だけでは書けるとは思えません。おそらく、指原莉乃も参加した打ち合わせが、何度かあったのだと推測します。特に、劇中で使われる曲の選択には、彼女の考えが大きく反映されている、または、彼女が選んだものである可能性があると思います。


芝居において一番活躍するのは、指原莉乃です。彼女は、キヌタの他に、白馬に乗って現れる王子(プルシェンコ)としても登場します。男装の姿と、手を使わずに馬に乗るあり方は、見事でした。

彼女の扱いが大きいことに、不満を感じるHKT48ファンもいるようですが、座長公演とはそういうものです。そして、今回の明治座は彼女がいることにより、ありえた公演です。世間における彼女の評価は、HKT48ファンが考えているよりも大きいのです。

私は、この二人のメンバー以外にも、十分に持ち場はあったと思います。特に、兒玉遥と同じように、一座の中心人物を演じた今田美奈は、大きな注目を浴びたと思います。HKT48では、できるだけ多くのメンバーに機会を与えるように気を配っています。今回は、彼女に順番がやってきたということだと思います。


第二部「HKT48ライブ『踊る!たぬき祭り』」では、歌は全て生歌でした。AKB48グループの歌は口パクであると決めつけて批判する人がいらっしゃるようなので、あえて強調しておくことにします。

ステージでは、明治座における舞台装置が大きく活用されていました。このため、通常のライブよりも、見応えがあったではないかと、推測します。

第二部は、“たぬき祭り”からはじまりました。歌のトップバッターは、白いロングドレスで現れた指原莉乃でした。曲は、「川の流れのように」(美空ひばり)です。彼女の歌を聞いて、意外に歌が上手いと思った人は、少なくないと思います。もちろん、美空ひばりと比較したならば、違う評価になるわけですが、作詞家した秋元康がOKを出しているのですから、何も問題がないはずです。

この他に彼女が主に歌った曲は、宮脇咲良と歌った「君の名は希望」(乃木坂46)でした。指原莉乃が歌った最初のパートは、とても良く、正直言って、この曲を初めて良い曲だと思いました*1宮脇咲良の歌は、歌として成立していましたが、まだこれからだと思いました。この2曲のほかは、大人数で歌う歌でした。


セットリストについては、上でリンクしたページに記載されています。私が観た日も、ほぼ同じだったと思います。この記事によると本編では11曲、アンコールでは3曲になっています(AKB48グループのファンによるセットリストでは、「Overture」の加えて、本編を12曲としているものがあります。)。

全体としては、他の出演者も踊りなどに参加した曲は、さらに盛り上がりました。彼らは楽しそうであり、実際に今回の公演は彼らにとって刺激的であり、楽しいものであるようです。


ーー以上ーー

*1:乃木坂46ファンは怒られるかも知れませんが、私はこの歌は、少人数で歌うほうが適していると思っています。