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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

ハイコンテクストのアイドルである指原莉乃

AKB48選抜選挙2015において、指原莉乃が1位になりました。彼女は一昨年にも1位になっていますので、2回目のトップになります。ちなみに、去年は2位でした。


指原莉乃は、アイドルとしては、極めてカワイイわけではありません。このため、彼女が1位になったことを不思議に思う人もいるようです。でも、AKB48選抜選挙2015は美人コンテストではありません。人気コンテストに近いものです。

どのような集団においても、一番人気がある女性が、一番の美人であるというわけではありません。それは、アイドルの集団においても同様です。

指原莉乃が人気があることは、彼女に関するマスコミによる記事が大量に書かれることからも、よく分かります。彼女は、AKB48グループのメンバーと卒業メンバーの中では、突出して記事になることが多いです。彼女の場合、記者会見の後に、一つのメディアから違った切り口による複数の記事が書かれることは、稀ではありません。

このことは、彼女が記事を書きたくなる存在であることも影響していると思います。しかし、大きな理由は、彼女についての記事に需要があると判断している、つまり、人気があると判断しているということだと思います。


今回は、指原莉乃の人気を、彼女がハイコンテクストのアイドルであるという観点で解説します。このハイコンテクストという概念は、ローコンテクストという概念と一対ものです。

まず、この2つの概念を、日米の文化を例にして、何となく分かるという程度に、説明します(厳密性はありません)。

日本文化はハイコンテクストであり、アメリカ文化はローコンテクストです。アメリカ文化は多くの人に分かりやすいようです。例えば、ヒットしたアメリカ映画は、世界中で多くの観客が観ることになります。アメリカ文化に比べると、日本文化は、国外の人に説明することは容易ではありません。

日本文化の説明が比較的に容易なのは、日本に興味がある人に対してです。これに対して、自国のあり方に絶対的な価値感を持っている人には、説明は困難です。でも、このような人にとっても、アメリカ映画は分かりやすいようです。

最近は、日本文化に興味を持つ外国人が以前よりも増えてきました。外国人観光客の一部において、日本のB級グルメに興味を持つような人さえ、いるような時代になってきました。しかしながら、このような傾向は、日本が経済的に発展して、リスペクトされる存在になってから起きたことです。

日本が、そのような存在になる前には、分からなければ、劣っているものと即断する欧米人は、かなりいたと思います。このため、日本文化を説明することを初めから諦めてしまっていた人が多かった時代が、かなり続いていたと思います。

音楽を例に取れば、三味線が奏でる音楽は、西洋音楽固定観念からは外れているのではないかと思います。このため、日本が遅れている国であるという思い込みが強い時代では、理解しようとする価値がないものと判断した人が欧米人が、かなりいたと思います。おそらく、民謡も同様に判断されたと思います。

日本文化を十分に理解するためには、実際に、観たり、聴いたり、食べたりする必要があります。そして、そのような意欲を持つ段階に至るまでには、言葉による説明が必要になります。

そのような説明の多くは、日本語で書かれています。しかし、日本語が分かる人は、英語、スペイン語、中国語などに比べるならば、かなり少ないです。このことが、日本文化を理解する人の割合を、さらに低くしています。


ある程度の準備ができましたので、ハイコンテクスト/ローコンテクストのアイドルについて話を始めます。ローコンテクストのアイドルの方が説明が容易なのでこちらから説明します。ローコンテクストのアイドルは、簡単にいえば、カワイイアイドルです。カワイサには、説明が不要である、ある程度の普遍性があるからです。

日本に比べると、中国はローコンテクストの国なのだと思います。広い国ですから、ローコンテクストにおける基準において、ザクザクとやらないと上手く行かないのだろうと推測します。さらに、中国人は日本人よりも、容姿を高く評価する傾向が強いです。このため、アイドルにおいては、容姿が良いことが極端に重要視されるようです。

その中国において、AKB48グループで一番人気があるメンバーは、渡辺麻友です。

現在のAKB48グループには、彼女よりも容姿に優れたメンバーは、少なからずいいます。しかし、AKB48が初めて中国に知れ渡った時代における選択肢の中では、一番カワイイ存在であったのだろうと推測します(現在のメンバーに限定)。

AKB48グループのメンバー数が増えた現在では、選択肢はかなり増えました。しかし、彼女は現在でも、一番人気であり続けているようです。このことには、彼らの現実的な選択肢は、それほどは増えていないことが関係していると思います。大部分の人にとっては、知名度が高いメンバーしか、選択肢にはならないからです。


今年のAKB48選抜総選挙において3位であった渡辺麻友の得票は、約16万5千票です。この内の8万票が中国票が主である海外票だという説があります。これに対して、1位であった指原莉乃(得票:約19万5千票)における海外票は、約2万5千票くらいであるという説があります。これが正しければ、国内票では、指原莉乃渡辺麻友の得票になっています。

指原莉乃の中国票が、渡辺麻友に比べて少ないのは何故かと言うと、彼女の魅力は、そのあり方と言葉にあるからです。その理解は、日本語が分からないと難しいです。したがって、指原莉乃はハイコンテクストのアイドルです。

例えば、twitterのフォロワーは、指原莉乃の方が圧倒的に多いです。しかし、中国では、日本語は分かる人の割合は少ないです。また、頑張って日本のことを知ろうとする人の割合も少ないです。上でも説明しましたように、自分たちの文化に絶対感を持っている人達は、ハイコンテクストのものを理解しようとする傾向が少ないです。そして、古くから東アジアの大国である中国の人達は、絶対感を持っています。

2人の中国における人気の差よりも、中国票数の差は少ないようです。これは、比較的豊かな人の方が、指原莉乃のファンの割合が多いためだとされています。このことは、比較的に豊かな人の方が一般層に比べると、ハイコンテクストのものを知ろうとする意欲があり、それらにアクセスする機会が多いことの反映だと思います。


AKB48グループは、乃木坂46に比べると、ハイコンテクストなアイドルグループです。容姿の平均レベルでは、明らかに乃木坂46が優ってるのですが、AKB48グループは、乃木坂46にはないコンテクストを提供しています。しかしながら、AKB48グループのファンの大部分が、指原莉乃のようなハイコンテクストのアイドルを好んでいるかというと、そうではありません。

AKB48グループのファンにおいても、ローコンテクストのアイドルを好む人が多い一番の要因は、メンバーを疑似恋愛の対象にしている人の割合が、他のアイドルグループよりも多いことだと思います。これらの人達には、メンバーのスペックにこだわる人が多いです。その中で一番重要視されることが、容姿です。

これらの人達は、現代の女性とは異なる古典的な女性像をメンバーに求める人が多いです。そのような特性を持っていると想像するためには、容姿が良いメンバーの方が適しているようです。

このように、AKB48は、コンセプトとしてはハイコンテクストのアイドルグループなのですが、コアなファンの多くはローコンテクストを求めるという、不思議なグループです。

ローコンテクストのアイドルが好みならば、乃木坂46に鞍替することが、簡単な対処策のように感じます。しかし、AKB48に愛着があるために離れない人もいます。それらの人の中の、古きAKB48の懐かしむ人の中には、ローコンテクストのアイドル以外は認めない保守的な傾向がある人も含まれています。


指原莉乃は、AKB48グループの中でも、突出してハイコンテクストなメンバーです。彼女のあり方を認めようとしない人が存在する背景には、彼女のこれまでの歩みが関係しています。彼女は、渡辺麻友などの神7(オリジナル)のメンバーとは異なり、研究生から正規メンバーに昇格しています。このため、古き時代を懐かしむ人が思い浮かべるAKB48には、彼女は存在しません。

彼女が注目を浴びていない時代には、彼女のファンである理由を説明しても分かってもらえない時代があったようです。このため、彼女のファンであっても、公言しないファンもいたようです。

現在の指原莉乃は、AKB48を代表するメンバーになりました。このため、彼女の魅力を説明しやすくなってきました。日本文化を説明しやすくなったことと同じようです。もちろん、上述のように、ローコンテクストのアイドル以外は認めない保守的な人に対しては、無為なことです。

このような経緯などが影響して、彼女のファンは、彼女の良さをAKB48村以外に発信することにも、それほどは積極的でないところがあるように見えます。このことは、ファンの年齢層が高いために、他の人にとって有益な情報のみを発信する傾向も助長しているようです。

この点においては、渡辺麻友のファンは、対照的です。彼女のファンは、彼女の良さは誰でも分かってもらえるという認識が強いようだからです。また、年齢層が低いために、受け手にとって有益な情報のみを発信するという意識が少ない人が含まれているように見えます。

しかしながら、彼らの情報発信は、それほどはプラスの効果になってはいないようです。発信する情報には、「まゆゆカワイイ」のような部類の説明性が低いものが多いように見えるからです。このような情報発信は、彼女のことをよく知っているAKB48村の住人に対しては効果がありますが、一般の人にとっては情報量がないからです。

さて、渡辺麻友は、指原莉乃との比較においては、ローコンテクストであることがアピールポイントになります。しかしながら、例えば、容姿において千年に一人とされる橋本環奈との比較においては、アピールポイントにはなりません。むしろ、指原莉乃のハイコンテクストさの方が、強力なアピールがあります。

このように、ハイコンテクストという概念が、相対的評価でないことが、一般層における人気においては、指原莉乃にとってプラスになっています。

ハイコンテクストのものが十分な評価を得るためには、ある程度以上の認知度が必要になります。指原莉乃の場合は、今年のAKB48選抜総選挙において1位になったことにより、認知度が閾値を超えるような状況になったと思います。これは、1位になった際の公約であった水着ライブに対する反応をみることにより、私が感じたことです。

なお、AKB48グループのメンバーの知名度については、最近、しらべぇが「マインドソナー」を使っています。

結果は、指原莉乃が1位であり、80.6%でした。


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