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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

2016年夏の参議院選挙は、合区が採用された選挙制度で行われることが、ほぼ確実になった件

来年の夏の参議院選挙には、合区が採用された選挙制度で行われることが、ほぼ確実になりました。

具体的に合区になるのは、鳥取県島根県徳島県高知県です。現在、4県の定数は2ですが、新しい選挙制度では、2つの合区の定数が2になります。結果的に、合区に関しては、参議院の定数は4減ります。

全体としては、10増10減になります。単独の都道県において、5都道県(東京、北海道、兵庫、愛知、福岡)では定数を2増やし、3県(新潟、宮城、長野)では定数を2減らすからです。


今まで、最大会派である自民党は、合区に反対していました。しかし、これでは永田町においてさえ民意が得られないと判断し、合区の規模が小さい4野党案(維新の党、次世代の党、日本を元気にする会、新党改革)を受け入れることにしたようです。

なお、民主党公明党は「10合区案」において合意していますが、採決において自民党の票が大きく割れない限りは、2合区である4野党案が成立する見込みです。


2010年国勢調査を基にした1票の格差は、4野党案(2合区)では、最大で2・974倍となります。最大格差が4.77倍だった13年の参議院選挙よりも、かなりの格差是正になります。次の国勢調査(2015年10月1日現在で実施)では、3倍を超えるでしょうから(公表は2016年)、その前に成立したほうが印象がよいです。

1票の格差差の解消という意味では、公明民主案(10合区)では、2倍以下(1.953倍)になります。

公明/民主案の方が、格差是正としては望ましいですが、今回は4野党案で良いと思っています。合区を導入すること自体に意義があると思うからです。反発する人が少ない2合区でとりあえずは出発し、それ以降のことは、合区を採用した選挙制度において参議院選を行った後でよいと思います。目標を高することによって紛糾し、何も解決しないことは、政治の世界ではよくあることだからです。

 公明党案は(1)富山・岐阜、奈良・和歌山、香川・愛媛、大分・宮崎を合区して定数維持(2)秋田・山形、石川・福井、山梨・長野、島根・鳥取、徳島・高知、佐賀・長崎は合区して定数を各2減(3)北海道、埼玉、東京、愛知、兵庫、福岡の定数を各2増――。

公明、参院選「10合区」の独自案発表 他党との調整加速 :日本経済新聞


2合区の方が今回は良いと考える大きな理由は、選挙制度に関心が薄い方人にも分かり易いことがあります。対象になる4県は、人口が少ない県としては、トップ4だからです。1位と2位が鳥取(約58.9万人)と島根(約71.1万人)、3位と4位は高知(76.4約万人)と徳島(約78.5万人)です。合区のペアの人口には、大きな差はありません。

これに対して、第5位である福井県(約82.2万人)の合区対象となる石川県(約 117.0万人)は、第14位です。人口差が25万ほどありますし、100万以上の人口を有する石川県を合区の対象とすることに違和感を感じる人は多いと思います。このようなことから、合区を2よりも増やすことは、かなりハードルが高いと思います。

今回、2合区の方で良いとする理由には、人口が少ない県は人口を減らさないために頑張っているのに対して、定数を増やす候補になっている県は、人口を増やす方向のことに予算を使っているからです。私の解釈では、前者は格差是正に努めているのに対して、後者は格差を増やすことに努めています。

とはいえ、鳥取県は人口60万人を切っています。また、島根県は、2015年の国勢調査では、70万人を割ることがほぼ確実なので、やむなしという見解です[付加情報*1]。


合区の対象となる4県民の方の中には、反対の人達が少なくないと思います。しかし、その度合は県によって違いと思います。

一票の格差が話題になる度に、取り上げられてきた鳥取県では、他3県に比べるならば、仕方なしと考える人は多いかもしれません。ある程度の覚悟はできていたと推測するからです。

一票の格差に関しては、「鳥取問題」という言葉があります。これは、鳥取県にリスペクトをしていることが、格差是正のネックになっていることを意味しています。この認識については、鳥取県においても、度合いは分かりませんが、理解されていると思います。

また、両県には交流があることも、合区への反発を少なくすると考えます。島根県の県庁がある松江市と、鳥取県第1の商都である米子市は近いです。岡山駅から松江駅に向かう特急は、米子駅経由です。そして、米子駅から松江駅への所要時間は約25分です。

それから、両県を対象にする地方紙もあります。


この2県に比べると、高知と徳島の両県は、交流が少ないです。県境はほとんど山間部であるために、その近くには、大きな自治体はありません。この合区は、衆議院比例区における比例南関東ブロック(神奈川、千葉、山梨)のようなものかもしれせん(説明:*2)。

両県の人達には、合区が鳥取と島根と1つだけだと狙い撃ち感があるために、自分たちも引き込まれたという感がある人があると思います。


合区の対象となる県の自民党議員は、猛反対しているようです。このような既得権益を守ろうとするあり方を見てしまうと、かえって、合区は必要であるように感じてしまします。

この他、福井県の西川知事は、山崎正昭参院議長に、「合区」に反対する提言を渡しました(7月8日)。これは、8県の知事の連名によるものです。具体的には、鳥取、島根、高知(以上、2合区の対象)、福井、山形、石川、奈良、宮崎(以上、10合区の対象)の連名です。これに関しては、福井県の人口は5番目に少ないことを、再記するに留めます。


ーー以上ーー

*1: 相模原市(神奈川県)の人口は島根県よりも多いです。さらに、高知県も射程距離に入っています。2015年6月1日の推計人口では、差は1万人以下です(高知県:732,528人、相模原市:723,764人)。そして、船橋市の人口は鳥取県の人口よりも多いです。両自治体共に、人口が増えていることをプラスに考えているようです。

*2:神奈川と千葉はアクアラインで繋がっているだけ。神奈川と山梨の県境は山間部。東京と山梨のつながりの方が強い。