はてなDiaryから移行してみました。
記事一覧

人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「日本人とテレビ 2015」(NHK)という調査結果(2015年7月7日発表)についての、私なりの解説

「日本人とテレビ 2015」という調査結果が、NHK放送文化研究所・世論調査部から発表されました(平成27年7月7日)。結果の概要を、ネットで見ることができます。

対象は、全国の16歳以上の男女を対象に行われ(2015年2月27日(金)〜3月8日)、3,600人の中の2,442人から回答がありました。5年前の調査との比較にも、重点が置かれています。

大雑把にまとめるならば、この5年間でインターネットの存在感は増え、テレビ、新聞の存在感は減りました。この調査はNHKによるものなので、テレビを中心に行われ、まとめられています。以下、8個の調査項目から、私の関心がある5つを抜粋して、私なりに解説します。


【調査8 一番に欠かせないメディア】

テレビを一番に欠かせないメディアとする割合は、55%(2010年)から50%(2015年)に減っています。インターネットは14%から23%に増え、新聞は14%から11%に減っています。5年前においては、インターネットと新聞の割合は同じだったのですが、2015ではダブルスコアがついています。

テレビは、1割減っただけであり、インターネットにダブルスコアをつけています。このため、大きな減少ではないように感じるかも知れません。

しかし、若い年代(16〜19歳、20代、30代)では、インターネットが上回っています。特に、20代においては、ダブルスコアになっています(インターネット:54%、テレビ:25%)。

全世代の平均において、テレビが上回っているのは、50代と60代における結果の影響です。この年代では、テレビが強く(64%、65%)、インターネットが弱い(6%、2%未満)からです。10年後には、年代が一つズレますから、回答者が同じ答えをしたとしても、全世代平均における、2つのメディアの差は縮まります。



【調査1 テレビ視聴時間】

テレビの視聴時間は、5年間に減っています。「長時間」(4時間以上)と「普通」(2〜4時間)は、それぞれ、40%から37%と、21%から19%に、減っています。これに対して、「短時間」(30分〜2時間)と「ほとんど、まったく見ない」(〜30分)は、それぞれ、35%から38%と、4%から6%に、増えています。

「ほとんど、まったく見ない」を年代別に見ると、20代から60代までにおいて、増えています。特に、20代では、8%から16%に倍増しています。

「短時間」も合計した値では、16歳から19歳においても増えていおり、減っている年代は70歳以上のみになります。特に、20代においては、48%から67%に増えています。ざっくり言えば、1/2から2/3に急増しています。

この合計値(2015年)は、50代までは、50%以上です。全年代における値が44%に留まった原因は、60代と70代以上において少ないためです(29%と20%)。


【調査4 メディア別接触頻度】

テレビの利用の仕方については、リアルタイム視聴から録画視聴に流る傾向があります。以下、「メディア別接触頻度」が「毎日のように」と答えた人の割合に注目します。

テレビ(録画したものを見る場合は除く)は、84%から79%に減っているのに対して、録画したテレビ番組は、8%から16%に増えています。

ちなみに、インターネット(メイルは除く)は27%から38%に増えており、新聞は68%から58%に減っています。

年代別においては、テレビ(録画したものを見る場合は除く)は、20代において減少が1番大きいです(79%->64%)。30代と40代においても、10%近く減っています (81%->72%、89%->79%)。

録画したテレビ番組の視聴は、70歳以上を除くと、10%以上増えています。極端に増えた16〜19歳(47%->81%)[解説なし]を除くと、一番増えた年代は50代(25%増加、30%->55%)であり、これに40代(16%増加、46%->62%)が続きます。40代と50%を中心にして、録画視聴の有用性を発見した人が多いと、推測します。

今回、録画視聴における「毎日のように」が倍増したことについては、不思議に思った方がいらっしゃったかも知れません。録画は、ビデオテープの時代からできていたからです。

私は、テレビには、観る価値があるコンテンツがあるが、リアルタイム視聴の必要性がある番組が実は少ないことに、この五年間に多くの人が気がついたのだろうと推測します。テレビ番組をコンテンツとする視点は、Youtubeなどの動画コンテンツが増え、観ることが多くなったことによって、広まったと思います。

私の場合、最近の2ヶ月におけるリアルタイム視聴は、ほぼ、旅行中に限られています。旅先にはPCを持って行きませんので、テレビを観ることしか、時間の潰し方がないことが起きるのです。特に田舎において、天気が悪い場合が該当します。



【調査6 メディアの効用比較(役に立つメディア】

各ジャンルの番組において、どのメディアが1番役に立っているかについての調査もされています。ジャンルは、報道、娯楽、解説、習慣(2015に新設)、慰安、交流、情報、教養に分けられています。上に示した順番は、テレビが多く選ばれている順です。なお、テレビの場合、娯楽には、ドラマと、バラエティーの大部分が入っていると推測します。

「報道」の場合、2015年においては、テレビが65%、インターネットが17%、新聞が14%です。2010年においては、それぞれ、71%、9%、15%、でしたから、テレビは1割減り、インターネットは倍増し、新聞は微減しています。新聞がインターネットに逆転されたことは、「一番に欠かせないメディア」の調査と同じです。

テレビの割合は、「情報」(35%をキープ)以外のジャンルでは、5年前よりも値が減少しています。値が一番減ったジャンルは「報道」(71%->65%)であり、一番割合が減ったジャンルは「交流」(43%->38%)です。なお、「交流」においては、インターネットが11%から17%に増えています。


「報道」について話を戻すと、テレビの値が減った要因の一つは、バラエティー性が高いことに、視聴者が気づき始めたことがあると、私は推測しています。テレビは、動画を多用して、臨場感が高い演出をしているのですが、本質的ではなく、必要がないことが少なくないのです。

例えば、容疑者の輸送をヘリコプターで追いかけることは典型的です。災害や事件の被害者が入院している病院の前や、容疑者の自宅の前で報道することも同様です。

台風などの場合にも、よく考えると必要性が乏しい報道をします。特に思うのが、風雨が強い屋外において、記者に報道させることです。報道する場所には、人が行かない、風の強い、海辺や岬であることが稀ではありません。


【調査7 メディアの特性比較(ニュースや情報を知るうえで)】

伝達力(2015年新設)、わかりやすさ、速報性、関心を広げる、信頼性、詳細性、探しやすさ、という7つの観点において、最も該当するメディアが選ばれています。観点の順番は、2015年の調査において、テレビが選ばれた割合が多い順です。

2010年にも調査されている6項目の中で、テレビが選ばれた割合が増えたものはありません。これは、新聞も同様です。これに対して、インターネットは、全ての項目において、割合を増やしています。

2015年においては、テレビは、「探しやすさ」以外の項目において、トップになっています。特に、伝達力(76%)、わかりやすさ(68%)、速報性(65%)においては、過半数を超えています。

伝達力には、臨場感などが関係しています。しかし、上で触れたように、これを駆使した報道には、必要性がないものも含まれており、場合においては弊害も起きます。

「探しやすさ」においては、インターネット(59%)、新聞(18%)に続いて、テレビ(14%)は3位になっています。この原因は、テレビでは、提供される順番でしか情報を受けられないことだと、思います。これに対して、インターネットでは、選択の自由度が著しく大きく、また、検索が容易です。

新聞が選ばれた割合が一番多いのは、信頼性と詳細性です。しかし、2010年には、テレビを若干だけ下回っていただけですが(36% vs 37%)、2015年では差を付けられました(30% vs 39%)。また。詳細性においては、2015年には若干、上回っていましたが(36% vs 35%)、2015には差を付けられました(30% vs 35%)。さらに、インターネット(29%)と僅差になりました。

「速報性」については、年代別にテレビとインターネットが比較されています(2015年)。まず、全年代に渡っては、テレビ(65%)が インターネット(25%)をかなり上回っています。

しかし、30代までの年代では、ほぼ同程度です。特に、16〜19歳においては、両者ともに47%で並んでいます。若い年代の方が、情報を得る能力に長けている割合が多いためだと推測します。

例えば、台風情報の場合、インターネットならば、気象庁のサイトの情報が更新される時間を知っていれば、最新の情報を得ることができます。しかし、テレビでは、放送の都合に合わせて報道しますので、タイムラグが起きます。また、古い情報を報道していることもあります。これは、準備に時間がかかるためだと推測します。

「詳細性」については、年代別のデータが示されていません。しかし、全年代に渡った値がそれほど変わりませんので(テレビ:35%、インターネット:29%)、若い年代においては、インターネットが上回っている可能性が高いです。

例えば、気象庁のサイトでは、アクセスした時点における、レーダーによる雨量の分布図、雨量の分布予報図を得ることができます。新聞、テレビが提供する古典的な天気予報よりは、比べようもないほど詳細な情報です。これらの情報は特に、広い自治体の中心部から離れている地域の場合において、有用です。なお、天気予報は当たらないという主張している人の割合は、このような情報を知らない人において、より多いようです。


ーー以上ーー