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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

視聴率2.8%を記録した「HEAT」を、同じく超・視聴率であった「戦う!書店ガール」と対比させてみる

現在放送されている「HEAT」(フジテレビ、火22)の最新話(第6話)[2015年8月11日]が、2.8%を記録しました。日刊スポーツの記事によると、プライムタイム(午後7〜11時)の連続ドラマ(テレビ東京を除く)では、今世紀最低を記録したとのことです。なお、主演は、AKIRA(EXILE)です。

どんな話だったのだろうと興味を持ち、番組のサイトで見逃し配信を探したのですが、見当たりませんでした。こんなところにも、視聴率が低くなる一因があるように思います。なお、現時点における単純平均視聴率(各話の視聴率の平均)は、4.05%です。


この超・視聴率を、AKB48ファンの一部は朗報と考えたようです。別に、ファン同士が仲が悪いわけではありません。前の期(2015.4-6)のドラマ「戦う!書店ガール」の単純平均視聴率も極めて悪く(5.08%)、そのW主演の一人を渡辺麻友AKB48)を務めていたからです。このドラマより、視聴率が低いドラマの出現により、このドラマの惨敗が忘れ去られるかもしれないと考えたのだろうと思います。

「戦う!書店ガール」5.08%という単純平均視聴率は、現時点の「HEAT」よりも、1%も上です。しかし、このドラマが終了時点では、2010年代に放送された22時始まりのドラマでは、最低でした。21時始まりのドラマを含めても、「夫のカノジョ」(2013年10-12月、TBS)[平均視聴率:3.84%]と「家族のうた」(2012年4-6月、フジテレビ)[3.85%]についで3番目でした。

このような、超・低視聴率であるならば、当然、マスコミが大きく報道したはずなのですが、何故か、そうではありませんでした。このため、「HEAT」の件が報道される際に言及されることによって、「戦う!書店ガール」の超・視聴率であった事実に、初めて気がついた人もいたと思います。でも、このような被害?を被っても、以下のことを考えると、仕方がないことだと思います。

「HEAT」が超・低視聴率となった要因の一つには、「戦う!書店ガール」の超・低視聴率もあったと思います。普通の人にとっては、AKIRA渡辺麻友も役者が本職でないことは、同じだからです。このため、渡辺麻友で「戦う!書店ガール」がダメだったので、「HEAT」をダメだろうと推測した人もいたと推測します。

なお、AKIRAの名誉のために記しておきますが…、渡辺麻友がゴールデンタームのドラマに出演するのは、このドラマが初めてしたが、AKIRAは3度目でしたので、実績はありました。前の2度は、「GTO」(フジテレビ、2012年7-9月)と「ビブリア古書堂の事件手帖」(フジテレビ、2013年1-3月)です。前者では、主演をしています。また、後者では主人公・篠川栞子(剛力彩芽)の相手役・五浦大輔でしたので、主役級でした。そして、両者ともに、単純平均視聴率は10%を超えていました。

もう一つ、付け加えるならば、渡辺麻友には、マイナス・イメージになる役はできないという制約があります。彼女は、AKB48グループでは、お姫様扱いをされているからです。これに対して、AKIRAには、ある程度の制約があるとしても、渡辺麻友ほどではないと思います。


ネットを見ると、「HEAT」が不振である原因には、AKIRAEXILE)の演技が酷いとだという意見があるようです。確かに、私も、彼の演技が上手い方ではないことは知っていますが、許容できないほど酷いという印象はありません。

彼が「GTO」で演じた鬼塚英吉はハマり役でした。このため、彼の演技力に対する議論はあまりなかったように思います。

ビブリア古書堂の事件手帖」で演じた古書店員・五浦大輔は、原作(三上延)における設定である背が高いこと以外は、彼に向いている役ではありませんでした。でも、彼よりも違和感があったのは、篠川栞子への剛力彩芽への起用です。おそらく、原作のドラマ化は、剛力彩芽を起用することを前提にして企画されたのだと推測します。

そんな剛力彩芽も、最近の演技には支障を感じません。少なくても、「天使と悪魔-未解決事件匿名交渉課-」(テレビ朝日、2015年4-6月)の演技は良かったです。もちろん、「ビブリア古書堂の事件手帖」とは違って、彼女に適した役に配されるようになったこともあると思います。

仮に、「ビブリア古書堂の事件手帖」のおけるAKIRAの演技に問題があったとしても、それから2年半が経ちましたので、少しは向上している可能性があります。また、そんなにヒドければ、余程のことがなければ、フジテレビがドラマに主演させるとも思えません。余程のこととは、フジテレビとEXILEと間に、何か「特別な事情」があった場合です。

「特別な事情」という言葉が浮かんだのは、「戦う!書店ガール」において渡辺麻友が起用されたことには、フジテレビとAKB48の間に、それがあったからです。

その「特別な事情」とは、6月6日には、AKB48選抜総選挙2015の開票があり、その中継は今年もフジテレビが行うことになっていたことです。フジテレビは、AKB48選抜総選挙2014における中継の宣伝を、前年のトップである指原莉乃を邪道、渡辺麻友を王道と位置づけて、行っています。結果はフジテレビの思惑通り、渡辺麻友がトップになりました。今年も、フジテレビは、AKB48選抜総選挙の結果には思惑があった可能性がありますし、少なくも、ドラマとの相乗効果は狙っていたと思います。

このような「特別な事情」があったので、ドラマの主演の選択肢は渡辺麻友しかありませんでした。つまり、このドラマは、ドラマに適した配役がされるものではなく、主演に合わせてドラマが作られる部類のものだったということです。「戦う!書店ガール」には原作(碧野圭)がありましたので、彼女に合うように変えることが、ある程度は行われたと思います。


渡辺麻友には、演技には大きな支障はありませんが、問題があるのは、上で述べたように、演じられる役に制約があることです。

一般的に、アイドルが、ドラマに出演する場合には、制限があります。悪いイメージついてしまう役は、アイドルであることを望むファンを失う可能性があるので、避けられるからです。

このことは、AKB48の他のメンバーも同様ですが、ギリギリのところまで頑張っています。例えば、「戦う!書店ガール」にも、(バーターで)出演した木崎ゆりあは、「GTO」の第3話ではキスシーンがありましたし、その直前にはかなり厳しい場面を演じています。その場面は、記載することが不快ですので、ご興味がある方は、「GTO 第3話 木崎ゆりあ 監禁」で検索ください。

渡辺麻友の場合は、もともと制約が強かったと思いますが、AKB48選抜総選挙2014においてトップになることにより、その制約が強まりました。それだけではなく、風当たりが強くない脇役から始めることができなくなりました。このため、「戦う!書店ガール」では北村亜紀への起用になりました。

北村亜紀は、祖父のコネで書店に入社し、自分勝手で、協調性がありません。そして、祖父のコネで本の著者の握手会を実現させ、彼女に好意を持つ人のコネで、イベントを実現させます。普通ならば、褒められた人物ではありませんが、AKB48内の地位に相応しく、初回ではキラキラ演出がされていました。役に相応しく演出することは、まずかったのだろうと思います。


「戦う!書店ガール」の件から類推すると、「HEAT」は、AKIRAが主役(池上タツヤ)を演じることを前提に作られたのだろうと思います。そして、彼が演じる役は、俳優経験が少ない彼には、演じることが難しかったのだろうと推測します。「ビブリア古書堂の事件手帖」において、篠川栞子に剛力彩芽が配されたのと同じようなことだと思います。

もちろん、主役級でなければ、彼に相応しい役は作れたと思います。しかし、彼には、渡辺麻友と同じように、主役級以外は演じることができないという制約があったのだろうと推測します。

もしかしたらば、EXILEのメンバーには、池上タツヤを演じるのに妥当なメンバーはいたかもしれません。なお、他のメンバーで私が知っているのは、「戦力外捜査官」(日本テレビ、2014年1月-3月)において、主人公(武井咲)のお相手・設楽恭介を演じたTAKAHIROだけです。設楽恭介の設定は、琉球空手と書道ができる彼には合っていました。


でも、どんな「特別な事情」によって主人公が選ばれたとしても、ドラマが良い物になり、ある程度の視聴率が確保できれば、批判は収まります。しかし、ドラマが良いかどうかは別にして、残念ながら、「戦う!書店ガール」も「HEAT」も、視聴率としては惨敗しました。AKB48/EXILEのメンバーを起用することによって得られる視聴者よりも、AKB48/EXILEのメンバーを起用することによって失う視聴者の方が多かったということになります。以下、私は、EXILEについては詳しくないので、「戦う!書店ガール」についてのみ、解説します。


「戦う!書店ガール」のW主演の一人に渡辺麻友に起用したことが、視聴率的に大きなプラスにならなかったことを、AKB48グループのファンと、それ以外(以下、一般層)に分けて、説明します。

まず、一般層は、渡辺麻友に対する関心は薄いと思います。このことは、彼女がAKB48選抜総選挙2014の結果、センターを務めた「心のプラカード」が一般層に響かなかったことから、容易に推測されたはずです。なお、「心のプラカード」は大ヒットした「恋するフォーチュンクッキー」(センター:指原莉乃)の二匹目のドジョウを狙ったものです。フジテレビとしては、渡辺麻友AKB48選抜総選挙2014でトップであったことで期待したのかもしれませんが、この結果には、フジテレビが貢献したことをスッカリ忘れていたようです。

AKB48グループのファンは、フジテレビが期待するほどには、「戦う!書店ガール」には関心を持っていなかったと思います。AKB48グループのファンは、基本的に各メンバーのファンの集合体だからです。多くのメンバーに関心を持つDDと呼ばれる人達もいるのですが、少数派ではないかと思います。このため、「戦う!書店ガール」の大きな関心を持ったのは、主に渡辺麻友のファンだけだと推測します。彼女がAKB48選抜総選挙2014においてトップになった直後ならば、状況は違ったかもしれません。でも、1年間の間に、彼女のAKB48グループへの大きな貢献が乏しかったことにより、AKB48グループのファンは通常営業に戻っていたと思います。

それでも、渡辺麻友AKB48選抜総選挙2015では約16万5千票を得ていますので、彼女のファンが観ただけでも視聴率が1%くらい上がったと推測する方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、彼女の得票の半数弱は中国票を中心にした海外票でした。また、ご存知のように、AKB48選抜総選挙は、CDを買えば複数投票することができます。このため、彼女のファンは得票数に比べるとかなり少ないと思います。

フジテレビが、このようなAKB48グループの事情を知っていれば、渡辺麻友を起用しても、脚本などに恵まれなければ、高い視聴率は望めないことは予想できたはずです。しかし、このように書いている私も、EXILEの事情を理解しているわけではありませんので、フジテレビが、AKB48グループの事情を把握していなくても、不思議なことではありません。しかしながら、今後は、どのテレビ局も、AKB48グループのメンバーをドラマの主役級に配することは、個人的に評価が高いメンバー以外は、及び腰になると推測します。


さて、「HEAT」について多くの人が気にしていることは、打ち切りがあるかどうかです。「戦う!書店ガール」は、全10話の予定であったようですが、9話で打ち切りになりました。8話で打ち切られる可能性があったかもしれませんが、例の「特別な事情」が影響して、9話まで放送されました可能性があります。何故ならば、8話(6月2日)はAKB48選抜総選挙(6月6日)よりも前であるために、8話打ち切りになると、開票の中継番組の視聴率に悪影響ある可能性あったからです。

近年では、8話で打ち切られたドラマに、前出の「夫のカノジョ」と「家族のうた」があります。「HEAT」の単純平均視聴率は、この2つのドラマと同レベルなので、何も事情がなかれば、8話で打ち切られる可能性が高いです。しかしながら、打ち切りが難しい事情があります。続編となる映画「DRAGON」(仮題)が決定しているからです。でも、打ち切りを行わないと、傷を深くする効果があります。最悪の場合、このドラマ枠から、スポンサーが撤退する可能性もあります。


しかしながら、2013年の大晦日のように、EXILEに神風が吹くかもしれません。

前日に発表された日本レコード大賞は、EXILEの曲でしたが、多くの人が知らない曲でした。そして、多くの人が予想していたのは、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)でした。この時から、世間はAKB48に好意的になり、EXILEには逆風が吹きました。普段はAKB48は、理由がなくても叩かれる対象になりがちですから、極めて稀な現象が起きたのです。しかし、この稀な現象は1日しか続きませんでした。それを、終わらせたのは、紅白歌合戦における、大島優子による卒業宣言でした。

彼女の公共の場を使った卒業宣言により、「恋するフォーチュンクッキー」に対する同情的な気持ちは、大部分の人から忘れ去られたようです。これと同時に、多くの人によるEXILEへの関心は薄れ、結果として、逆風は収まりました。


ーー以上ーー