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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「Mステーション30周年企画 皆がマネした振り付け 30年を9分で」(2016年1月22日)について、スペック重視という観点で記載する。

ミュージックステーション」(2016年1月22日[金]、テレビ朝日)において、「Mステーション30周年企画 皆がマネした振り付け 30年を9分で」というコーナーが有りました。選ばれていた曲は22曲()でした。

22曲の「皆がマネした振り付け 」というタイトルになっています。でも、中には、曲は思い浮かぶものの、フリは思い浮かばないものもありました。

はじめは、「皆」というものがダンスが上手い人であり、私がそれに該当していないためかもしれないと思いました。しかし、「行くぜっ!怪盗少女」(ももいろクローバーZ)が入っていることから、色々と配慮があるような選考に、見えてきました。

行くぜっ!怪盗少女」は、一般的には、百田夏菜子のエビ反りジャンプのイメージが強いです。このワザは、彼女の身体能力があるから可能であり、普通の人が試みたならば、かなり危険です。ということは、本当に「皆がマネした振り付け 」ならば、この曲は選ばれていなかったはずです。そして、このような配慮が適用されたのは、1曲だけだとも思えません。

ともあれ、このようなことはよくあることですから、テレビ朝日さんが候補を挙げてくれたと判断して、これから7つの曲を選んでみました。

発売年 アーティスト Mステによる記載
2014 ようかい体操第一 Dream5 ラッキィ池田が「小学3~4年生の男の子」をイメージして振付
2013 恋するフォーチュンクッキー AKB48 パパイヤ鈴木曰く「指原をいかに可愛くみせるか」が振付のコンセプト
2010 ミスター KARA ヒップダンスのポイントはフラフープをやる要領で!
2009 女々しくて ゴールデンボンバー 「踊れると忘年会が盛り上がる曲2015」1位
2003 Choo Choo TRAIN EXILE 冒頭のダンスはEXILEが反時計回り ZOOは時計回り
2002 Yeah! めっちゃホリディ 松浦亜弥 はるな愛はこの振付をモノマネしてブレイク
1989 淋しい熱帯魚 WINK サビの振付は のちに「大魔神ポーズ」と呼ばれた

この7曲は、前の3曲、中の2曲、後の2曲に分けられると思います。前3曲はダンス、後2曲は歌フリです。これを合わせた5曲は、曲全体におけるダンス/歌フリが注目されているのですが、中2曲(女々しくて、Choo Choo TRAIN)は少し違います。

「女々しくて」(2009年)は右手を突き上げて行うジャンプなどの幾つかのポーズが特徴的であり、それを覚えていれば、一緒に盛り上がれるという曲だと思います。「Choo Choo TRAIN」(2003年)の特徴は、冒頭で行うグルグル廻りのムーブメントです。これを大人数でシンクロして行えれば、とりあえず芸になるという、使い勝手が良い、ある意味で偉大な発明です。


他の5曲に話を移します。前世紀の歌手にはダンスは必要ありませんでした。そして、彼らに必要とされたことは、歌を歌うことでした。
段々と、直立不動で歌う歌手は減ってきましたが、手の動きをするとしても、歌フリという部類のものでした。また、脚を動かす事はありましたが、それはリズムを取る程度でした。

手の振りで思い浮かぶのは、麻丘めぐみの「私の彼は左きき」(1973年)です。なお、この時代、女性歌手が歌う時には、脚は広げることはありませんでした。

淋しい熱帯魚」(1989年)も、麻丘めぐみの「私の彼は左きき」に比べれば著しく複雑ですが、うたフリであることは同じです。それから、この時代では、女性歌手が不自然に脚を閉じて踊ることは、なくなりました。


いつの間にかアーティストと呼ばれるようになった彼らの評価項目(スペック)にはダンスが加わります。何がそれをもたらしたかというと、モーニング娘です。もう少し、具体的には、振付師の夏まゆみさんです。

その系列(ハロプロ)である松浦亜弥による「Yeah! めっちゃホリディ」(2002年)の歌フリは、かなり高度です。でも、ギリギリで歌フリに入ると思います。なお、この歌フリが有名になったことには、はるな愛による、“エアあやや”の功績が大きいです。

ダンスというスペックは段々と重要視されるようになってきました。やがて、歌わないメンバーを備えるグループも増えていきます。代表的なのは、パフォーマーという部類の人達がいるEXILEではないかと思います。前世紀でも、SPEEDのようにダンスに基本的に専念するメンバーが居るグループもいたのですが、EXILEにおいてはシステム化したように思います。


さて、ダンスがアーティストのスペックに加わったのはよいのですが、これとともに、アーティストは高いスペックを満たすべきであり、それが劣っている者はアーティストとし相応しくないといとする、少し面倒な人達も生まれてきました。

それらの部類の格好の批判の対象になるのは、AKB48です。その人達は、AKB48は、アーティストという言葉に似つかわしくないと主張します。

でも、私はアイドルは、妥当なレベルのスペックを満たせば十分だと、思っています。そして、極めて高いスペックは、必要でないと思っています。そもそも、アーティストという言葉は、小池聰行(オリコン創業者)が拡大適用した言葉なので…。


さて、日本以上にスペックを重視する国は韓国のようです。そこでは、アイドルグループのメンバーも十分にスペックを獲得してからデビューできるようです。それらの韓流アイドルが日本でも流行ったのが2010年頃であり、その代表が少女時代とKARAでした。Mステの22曲の中には、少女時代の「Gee」も上げられていましたが、私は「ミスター」(KARA)(2010年)を選びました。

「ミスター」の特徴は、なんといってもヒップダンスです。もちろん品がないと考える人もいました。日本のアイドルグループがこれをやったのならば、大きな批判を浴びたのでしょうが、別の国のグループなので、許容されたということなのだろうと思います。

なお、日本のアイドルグループの曲でも、パンツ(下着ではありません)を見せることが指定されていたと思われるものは、それまでもありました(「チュッ! 夏パ〜ティ」(三人祭)[石川梨華加護亜依松浦亜弥](2001)、「スカート、ひらり」(AKB48)(2006)です。腰をふるのか、パンツを見せるのかは、それぞれのお国柄なのだろうと思います。


恋するフォーチュンクッキー」(2003年)は、スペック重視の風潮へのアンチテーゼとも受け取けとれる曲です。センターを務めるのが指原莉乃の一般的なイメージは、それほど可愛くなく、歌が上手いわけでもなく、ダンスが上手くない、というものだからです。なお、実際の彼女の歌は、普通に上手いです。「Yeah! めっちゃホリディ」も、少なくても、はるな愛レベルには踊れます。

このようなイメージは通常はマイナスですが、「恋するフォーチュンクッキー」においては、このこともプラスに働きました。通常、ダンスに興味を持つことは女性の方が多く、また、難しいダンスができる年代は限られています(例:「ミスター」)。でも、彼女がセンターを務めることにより、踊ることを妨げるハードルが低くなりました。結果として、男女を問わず、広い年代の人がこの曲を踊ることを促進しました。

恋するフォーチュンクッキー」については、AKB48の曲でなければよかったとか、AKB48でも他のメンバーがセンターであった方がよかったと主張する人がいます。でも、この曲は、秋元康が、指原莉乃がセンターを務めることを念頭にして、作ったものです。スペック重視の人達が好むようなアーティストのためには、生まれなかった曲です*1


「ようかい体操第一」(2014年)は、子供向けのアニメ「妖怪ウォッチ 」の関連曲であり、体操の様式になっています。体操は多くの人によって行なわれることが、その趣旨を満たすことであり、その上手い下手は問われません。したがって、スペック重視の方々の批判を浴びる部類のものではありません。


ーー以上ーー

*1:少し話しはずれますが、ゴールデンタイムに放送されるドラマの題材の幅が深夜ドラマよりも狭いのは、容姿というスペックを重視する人達も視聴者として念頭にしているためです。