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記事一覧

人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

取材を必要としない話題(例:バラエティー番組)について、既存メディアはネットメディアに優っているのだろうか?[「ワイドナショー」において扱われた指原莉乃のディナーショーの話題を例にして]

一部の既存メディアにとって、ネットメディアは敵対陣営であると実感したのは、週刊文春によるビジネスジャーナル(サイゾー系メディア)についての記事においてです。この記事では、『NHK特集、「貧困の子」がネット上に高額購入品&札束の写真をアップ』(ビジネスジャーナル)という記事を根拠にして、ビジネスジャーナルを運営しているサイゾーと、サイゾーが運営している多数のメディアを批判をしています。

shukan.bunshun.jp

ビジネスジャーナルの該当記事においては、実際にはなかったNHKとのメールのやり取りを実際のものとして創作しています。通常ならば、「NHK関係者によると」などという記載方法をしてクレームをかわすのでしょうが、そのようなスキルもない記者が書いた可能性があります。

ビジネスジャーナルのエンタメ記事には、これまでも問題がある記事は少なくありませんでした。例えば、AKB48関係の記事にはひどいものが目につきました。でも、アンチAKB48の立場をとっている週刊文春にとっては、あえて取り上げる必要を感じないものであったのかもしれません。
例えば、以下の記事では「今まで会った女性芸能人のなかで、5本の指に入るブスのうち、ほとんどがAKB」というテレビ関係者の声を根拠の一つにしています。でも、そんなテレビ関係者が実際に存在するならば、彼が知っている女性芸能人の数は非常に限られているように思います。普通に芸能人を知っているのならば、この観点における強敵はかなりいることが分かるはずだからです。
http://biz-journal.jp/2016/07/post_15973.html

週刊文春の記事では、ビジネスジャーナルの他に、同様にネットメディアであるJcastも批判しています。そして、最後には以下のようになっています。

BJ事件で剥がされたネットメディアの“化けの皮”。その信頼回復への道のりは険しそうだ。

『ビジネスジャーナル』の貧困女子高生報道にあったこれだけの問題 | 特集 - 週刊文春WEB

このことから、ビジネスジャーナルの件はあくまでは話の前フリであり、実際の目的はネットメディアを批判することのようにも見えます。そして、週刊文春のネットメディアに対する反発の根源は、取材費をかけないで記事を書いていることにあるように見えます。


ビジネスジャーナルの問題の一つには、「...関係者」によるという記載などによって論を進めることです。でも、これは既存メディアから受け継いだものです、上記の文春記事でもネットメディア関係者、サイゾー関係者が登場します。

「...関係者」という情報は、立場上の名前を出して発言できないが、匿名という条件において教えてくれた情報だと思います。既存メディアの発足当初は、「...関係者」という情報のほとんどが該当したのかもしれません。しかしながら、ネットで多くの情報が流通するようになってくると、該当しないものの割合が思ったより多いと感じる人が増えてきたように思います。
この結果、最近に仕事に就いた記者の中には、メディアによっては「...関係者」というフレーズを、でっち上げた情報を書く前の常套句という認識がある人が生まれていても不思議ではありません。


週刊文春にとっては嬉しくないことかもしれませんが、最近は、取材をしなくても書ける記事が増えてきました。政府や自治体や企業が情報をネットに公開するようになったからです。

このようにネットで公開できることになったことは、情報を出し手にも受け手にも大きなプラスになっています。既存メディアのフィルターがかかっていない情報を、出し手は伝えることができ、受けては受けることができるようになったからです。

かつては、1つの件について複数の新聞社の記事を読む必要があるとされていました。これには、より深く知るためである側面もあったでしょうが、1つの新聞だけの情報では的確な認識を得ることが難しかったからでもあったと思います。新聞社にはそれぞれの見方があり、紙面は限られているからです。

もちろん、情況の変化によって中間的な存在である既存メディアの必要性がなくなったわけではありません。ニュースがあることを知らせる役目においては、今も既存メディアは重要だからです。

もし、既存メディアがこれを自らの役割の一つであると捉えているならば、ネットニュースにする場合には、情報のソースを示すはずです。しかしながら実際にはそうではないのは、情報のソースは記載しないという伝統が残っていると共に、自らの記事が読者の最終目的地であるという認識が強いからだと推測します。


既存メディアによるニュースサイトにおける元記事とYahoo!Newsに転載された記事のどちらの記事が読まれることが多いかというと、おそらく転載記事だと推測します。多くのメディアによって報道される話題については、Yahoo!Newsにおいてトピックとして纏められることがあり、複数のメディアの記事を読めるだけでなく、情報ソースへのリンクがされていることがあるからです。

このような話題については、ネットメディアも記事を書くことができます。でも、既存メディアにもまだアドバンテージはあります。プレス発表に足を運ぶことによって、早く情報を得ることができる場合があるからです。このアドバンテージが存在するのは、政府や自治体におけるネットへの情報の開示がプレス発表などよりも遅れることが少なくないためです。


このような既存メディアにおけるアドバンテージがない部類の記事ものあります。テレビで放送されたことについての記事です。なお、番組の内容を事前にプレス発表する場合は別です。

最近になって多くなった記事は、バラエティー番組のおけるタレントのやり取りや発言についてです。番組を観た人にとっては必要が少ないのですが、見れない場合や見逃してしまう場合もあります。また放送される前には、自分の興味があることが話題になることが分からない場合もあります。それから、他の人に紹介するためにも便利です。


記事になることが多い番組にはワイドナショー(フジテレビ、日曜昼前)があります。この番組では、幾つかの話題をMCの東野幸治、コメンテーターの松本人志、そしてゲストコメンテーター(3人)が談義します。とりあえず、談義と記しましたが、例えば下町の集会場においておっさんたちが雑談をしていることに近いかもしれません。それから、「おっさんたち」としたのは、ゲストコメンテーターには年配の男性の割合が多いからです。

ワイドナショー」は人気番組であり、録画視聴も含めれば多くの人が見ている番組です。このため、この番組おける話題についてのネット記事(ネットメディアor既存メディア)を評価すれば、多くの人とって分かりやすいと思います。なお、「ワイドナショー」の記事には「...関係者」が入り込む必要性はありません。


このブログ記事では、11月6日の冒頭における指原莉乃のディナーショー(11月20日、グランドプリンスホテル新高輪)についての談義を実例とします(ゲストコメンテーター:指原莉乃HKT48小藪千豊古舘伊知郎)。ちなみにこのチケットは、昼と夜の両方共に売り切れており、落選者が多かったようです。ネットでは「落選祭り」という言葉が使われていました。

指原莉乃は出演者とって弄りやすく、場に合わせて振る舞うことができるので番組では重宝されています。ゲストコメンテーターとして最も出演しているだけでなく、安倍総理が出演するなど重要な回には出演することが多いです。

今回の彼女の役目には、冒頭に上手く弄られることによって、古舘伊知郎を迎えるための番組側の士気を高めることも含まれていたと思います。ある意味で、話題は松本人志などのテンションが上がれるならばどんな話題でもよく、ツッコミ易い話題として彼女のディナーショーが選ばれたのだと思います。


番組では、他の芸能人のディナーショーの値段が表に示され、彼女のディナーショーの値段(34500円)が、妥当であることが示されました。イベントの値段は需要と供給と経費によって決まります。そして、チケットが売り切れたことは、値段が妥当であったことの証明になっています。

ディナーショーは同然のことながら、ディナーショー付きです。また、給仕する人たちへの人件費や会場代もかかります。そして、会場である飛天の間の会場代は安くはないはずです。このため、ディナーショーについてよく知っている人の多くは、妥当な値段の範囲にあると判断していたと思います。ディナーショー事情を知らない人にとっては、その相場などを知る良い機会なったかもしれません。


松本人志は。始めは値段が高いとツッコんでいました。でも、相場を説明されると妥当な値段だと理解したようです。その後は、何を唄うのか?などとツッコんでいました。でも、このツッコミの感覚は、元宝塚のタレントやコロッケに、ディナーショーにおいて何を唄うのだと尋ねるのと同じです。

実は、彼女はAKB48メンバーとしては5番目にソロデビューしています。ファースシングルは15万以上(オリコン週間2位)、セカントシングルは8万5千枚以上売れています。どちらも、握手だけで売れる枚数をかなり上回っています。

当然のことながら、松本人志において指原莉乃について見えているのは、バラエティー番組で共演している際の姿だけだと思います。そして、AKB48グループのイベントやHKT48のイベントでソロで唄っている姿は、見えていないと思います。ちなみに、私が一回観たHKT48 指原莉乃座長公演」(2015年4月、明治座)では、彼女は川の流れのように(作詞:秋元康)をソロで唄っていました。


ワイドナショーにおけるディナーショーの話題に関しては、4つのメディアがネット記事にしています。内訳は、既存メディア(サンスポ、スポニチ)が2つ、ネットメディアが2つ(MusicVoice、ロケットニュース24)です。

既存メディアの記事のタイトルは、フジテレビと同じ系列であるサンスポ松本人志、指原のディナーショーに「クソ高い…何を歌うの?」』であり、スポニチ『松ちゃん、さしこの高額!?ディナーショーに「クソ高い 歌代なんぼやねん」』です。どちらも、松本人志がディナーショーの相場を知る前のツッコミを記事にしています。これらのタイトルから、松本人志指原莉乃をdisったと解釈した人もいると思います。また、料金が妥当だと彼が理解したことを想像できない人が多いと思います。

http://www.sanspo.com/geino/news/20161106/owa16110615540003-n1.html
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/11/06/kiji/K20161106013672720.html


このように、スポーツ新聞の記事には、意図的に事実と違うことを印象づける操作がされているようにも見えます。このことは、もちろん、指原莉乃についてはマイナスになります。これに対して、以下のネットメディアの記事は、意図を加えずに報じています。

MusicVoiceの記事のタイトルは、松本人志「誰に洗脳されてる?」指原のディナーショーイジり倒す』です。少なくとも、松本人志がdisたのではなく、弄ったことが分かります。記事には松本人志が「そうか。それでも3万とるんやな、そうかそうか」と納得したことが書いています。そして、「誰に洗脳されてる?」は、彼がディナーショーの相場を理解した後のツッコミです。
http://www.musicvoice.jp/news/20161107051738/

ロケットニュース24の記事のタイトルは、指原莉乃のディナーショーが高すぎるのは本当か? 他の歌手の価格も調べてみた結果 』です。調べた結果は、以下のように、妥当であるという結論になっています。

しかも指原さんは今をトキめくアイドル。さらに飛天の間といえば『FNS歌謡祭』や『日本有線大賞』でも使用される会場。それらを考えると、3万円代はディナーショーの中では妥当のように思えるのだが……皆さんはいかがだろうか。

指原莉乃のディナーショーが高すぎるのは本当か? 他の歌手の価格も調べてみた結果 | ロケットニュース24

この実例においては、スポーツ新聞よりもネットメディアの方が妥当な記事を書いていることが分かります。


もちろん、全てのネットメディアがこのように良質の記事を書くとは限りません。例えば、サイゾー系のメディア(一部を除く)が記事にしたのならば、どんなものかという記事になった可能性があります。

週刊文春としては、自分達がスポーツ新聞と同じ陣営に入れられることは面白くないかもしれません。しかしながら、週刊文春はビジネスジャーナルを批判することによって、ネットニュースは概して問題があるという印象を与えていますので、強く主張できるようなことではないように思います。


ーー以上ーー