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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

何故、=LOVE(愛称:イコラブ)には若い女性ファンが多いのか?[イコラブにおいて指原莉乃が描く世界は、年配男性プロデューサーが描く世界が少年漫画ならば、少女漫画]

女性アイドルグループ=LOVE(以降、イコラブ)には若い女性ファンが多いようです。

考えて見れば当たり前のことです。イコラブは13~21歳の女性から構成されるグループであり、プロデューサーが25歳である女性である指原莉乃だからです。指原莉乃は若い女性のリアルを理解しており、その彼女がイコラブに向けて曲を作っているので、若い女性に響くことも当たり前のことです。


それでは何故、女性アイドルグループに今までに曲を提供してきたプロデューサーのほとんどが男性なのでしょうか?例えば、秋元康つんく♂です。

秋元康は今年のゴールデンウィークで還暦を迎えます。そして、つんく♂はその10歳下です。したがって、彼らの曲が描く若者、特に女性は想像に基づくものです。もちろん、若者のあり方にはいつの時代でも変わらない普遍性があります。しかしながら、その時代を反映するリアルな部分を彼らが実感として感じることは難しいと思います。

このように、彼らが若い女性アイドルグループの曲をプロデュースすることには、ハンディがあります。でも、今まではそれに優るアドバンテージがありました。若い女性アイドルグループのファンのほとんどが男性だったからです。これらの男性ファンが女性アイドルグループに欲することを、男性プロデューサーが理解することは容易いです。


ところが、最近は若いファンにおける女性の割合が増えてきました。今でも、女性アイドルを疑似恋愛の対象として大量の金額を消費するファンにおいては、男性が多いです。しかしながら、ファンの数の割合においては女性がかなり増えています。

ちなみに、指原莉乃のファンは全体的には男性が多いですが、若い年代に限るならば女性が多いです。彼女がAKB48選抜総選挙において3年連続4回もトップとなれたのは、若くない男性ファンのお陰です。でも、彼女がタレントとして成功していることは、若い女性ファンの寄与が大きいです。

この変化は、男性プロデューサーが有するアドバンテージを減らし、女性プロデューサーが有するアドバンテージを増やしました。しかも、指原莉乃はアイドルとしてファンに接しているので、若い男性ファンが望むことも十分に理解しています。


年配の男性によるプロデュースの世界観と指原莉乃プロデュースにおける世界観はかなり違います。簡単に言えば少年漫画と少女漫画の違いです。このため、同じことを題材にしても曲、そしてMVなどを含む作品においてかなり違いが生まれます。

少年漫画における女性キャラは、少女漫画に比べるとプロトタイプ化されているように感じます。特に、ヒロインは理想化される傾向があります。これに対して、少女漫画における女性キャラは、リアルを反映して創造されていると思います。そうでないと、読者に受け入れられることが難しいからです。


少し話はズレますが、秋元康によるドラマ「マジすか学園」は女子校におけるヤンキードラマです。そこでは物理的な戦いが描かます。しかしながら、少女漫画におけるエグさは物理的ではありません。

秋元康は戦わせることが好きです。AKB48グループにおいてはメンバーを無用に競わせることをプロモーションに用いてきました。このことは、彼がプロデュースするアイドルオーディション番組「ラストアイドル」(テレビ朝日)にも継承されています。

この番組のファーストシーズンにおいては、ラストアイドルという名前でCDデビューさせるアイドルグループのメンバーを撰ぶためにバトルが行われました。そして、セカンドシーズンでは、CDデビューをしたグループ(LaLuceに後に改名)にバトルに敗れたアイドル候補達から作られた4グループを加えた5グループが、セカンドシングルの表題曲をかけて総当り戦のバトルを行いました(各グループの曲は異なるプロデューサー*1がプロデュース)。判定方式は秋元康流の不可解なものでした。相応しいグループ/曲を撰ぶよりもバトルを面白くすることに優先度があると思いました。

表題曲を獲得したのは彼がプロデュースした「君のAchoo!」(シュークリームロケッツ)でした。でも、最も視聴者人気を得たものは指原莉乃がプロデュースした「この恋はトランジット 」(Someday Somewhere)でした。

MVを観ると「君のAchoo!」は、年配の男性の女性アイドルに対する見方を反映しているように感じます。そこには、若い女性を不完全な存在であると見なすことが混入しているようにも見えます。これに対して、「この恋はトランジット 」は若い女性が好ましいと思うアイドル感を表しているように見えます。

再生回数は「この恋はトランジット 」の方が多いですが、この2曲を再生回数によって単純に比較することは難しいです。「この恋はトランジット 」の方がShort versionですが公開が早く、「君のAchoo!」はfull versionだからです。分かることは、「君のAchoo!」が、表題曲におけるマスコミなどの扱いから期待されるほどの再生数を現時点では得ていないことです(興味のある方は再生回数推移図を参照してください。)。


「この恋はトランジット 」は王道的なアイドルソングです。この意味では、イコラブのデビューシングル「=LOVE」(2017年9月6日発売)とセカンドシングル「僕らの制服クリスマス」(2017年12月6日発売)の表題曲と同系列です。
ちなみに、指原莉乃自身は、これらの曲に一度も“王道”という曲を使ったことはなないと思います。彼女の表現は、“普通の曲”(普通のアイドルソングという意味)というものです。

「僕らの制服クリスマス」は制服を着る年代の男の子を主人公にしています。同じ年代の若者に共感を得ただけでなく、既にこの年代が思い出になった人達にもこういうクリスマスを過ごしたかったという思いを抱かせたようです。

この男の子に感じる好ましさが何かであるについては、セカンドシングルの時点では実感としては分かりませんでした。それが分かったのは、サードシングル「手遅れcaution」(2018年5月16日発売)のカップリング曲「部活中に目が合うなって思ってたんだ」を聴いてからです。

この曲の主人公はとてつもなく爽やかです。曲の最後(以下に記載)を聴くと、彼の告白が成功してほしいと思わず願ってしまいます。

部活中に目が合うなって思ってたんだ。
神様のプレゼント、突然のときめき。
明日になったら僕から話しかける。
大事にしてた秘密の決心、ずっと好きでした。

この男の子の爽やかさは、少年漫画には存在するのが難しく、少女漫画にのみに存在しえるように私は思います。このような男の子に告白されたいという女の子の気持ちに応えるものが少女漫画だからです(例:「君に届け」の風早翔太くん)。これに対して男の子のリアルを反映する少年漫画においては、かえって難しいような気がします。


サードシングルもう一つのカップリング曲は、「樹愛羅、助けに来たぞ」(作曲:ヒャダイン)です。曲は、題名と作曲者から想像する通りの曲なので、指原莉乃の以下のtweetを紹介するに留めます。

ヒャダインさんに超絶感謝。。こんなに想像通りの曲が来るなんて!ヒャダインさんのおかげでスラスラ書けた〜!

https://twitter.com/345__chan/status/990216705660960769


表題曲である「手遅れcaution」は、これまでの表題曲などを「明」と表すのならば「暗」です。それから想像される世界の1つを描いたMV(三石直和監督)を観て、今までとの違いに驚いた人が多いようです(様々な少女漫画があるということです)。なお、セカンドシングルのカップリング曲である「記憶のどこかで」も「暗」なのですが、MVはありません。

「手遅れcaution」のMVは、(上の括弧で触れてしまったように)女子校を舞台に描く少女漫画的ドラマと説明すれば、若干の誤解は起きるかもしれませんが、分かりやすいと思います。描かれるものは恋愛事情であり、女子校という閉社会ゆえに起きえる可能性が高くなるものです。ちなみに、女子校においては、身近な者のほとんどが女性であり、男性はぼぼ男性教師だけです。そして、男性教師には独身だけでなく既婚者もいます。

MVが描く女子校には普通に波乱要素はあるのですが、教習が終わった教育実習生(大谷映美里諸橋沙夏)と生徒(他のメンバー)の談笑はなごやかです。男性教師が写す記念写真では、女生徒はできるだけ可愛く映ろうと努めます。もちろん、「マジすか学園」のようなヤンキー女子高生は登場しません。

女性徒の一部は教育実習生に憧れているようであり、自分も同じように母校に教育実習生として訪れることを夢みたかもしれません。今まで受け継がれたきた幸福な循環はこれからも続いたのかもしれません。でも、ある人物による黒い意図によってMVの世界は暗転します。

その人物が誰であり、何が起きたかを知りたい方は、MVを観ていだきたいと思います。

ブログ記事を終えるにあたって一つだけ追記しておきたいことは、MVではガラスは割れるのですが、割ったのではないことです。職員室にある写真を写したスマホを届けようとしたならば、ガラスが介在したので割れただけです。少年漫画のように、学校中のガラスを叩き割るような生徒はいません。何故、この記載が必要と感じたかについては、あえて説明をしません。


ーー以上ーー