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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「部活中に目が合うなって思ってたんだ」(イコラブ[=LOVE])のリップシーンのみのMVがシンプルで新鮮であり、本来のMVのあり方を呈しているように感じたこと[サードシングル「手遅れcaution」c/w]

女性アイドルグループ=LOVE(以降、イコラブ)のサードシングルCDのカップリング曲「部活中に目が合うなって思ってたんだ」*1のMVが公開されました(2018年5月7日の夜)。なお、CDの表題曲は「手遅れcaution」であり、5月16日に発売されます。


曲は8月の爽やかなラブソングであり、主人公はある女の子に片思いをしている男の子です。彼は、遠くから眺めていただけであった女の子に水飲み場で偶然に遭遇する僥倖に恵まれたのですが、初めてのときめきに戸惑ってしまい好意的認知を得るに留まってしまいます。途中を省略すると、曲の最後には「僕から話しかける」いう決心に至ります。

曲はイコラブのプロデューサーである指原莉乃がプロデュースしたものす。彼女による歌詞には瑞々しさが溢れています。その瑞々しさが、彼の好意が報われてほしいという気持ちを私にもたらしました。

彼女の今までのプロデュース曲と同様に、音への言葉の載せ方上手く、彼女の意向に沿ったアレンジには躍動感があります。なお、秋元康が作詞したと勘違いしている人もいるようですが、還暦を迎えた彼には、ど真ん中への直球で勝負できるだけの球威はないのではと私は思っています。


MVはリップシーンだけです。でもそれが、かえって効果的になっています。具体的には、曲を口づさむメンバー12人が歌割りに合わせて代わる代わる一人づつバストアップで映されています。

メンバーは自然なフリで自分のパートを表しています。これは振付師によって施されることが多い日常ではされないような動きとは違います。そして、カメラは、彼女達の表情と自然なフリをより良く捉えるために控えめに軽やかに動き、違和感を感せない心地よさを感じます。

彼女達はこちらの方を見て口づさんでいるので、表情が分かりやすいだけでなく、メンバーと目が合っているような錯覚を覚えることもあります。「目が合う」という意味において、このMVは曲の主旨に合っているように思います。


このMVは評判がとても良いです。構成からセンターは髙松瞳であることは分かるのですが、彼女の映りは突出してはおらず、どのメンバーもほぼ均等に映されていることも一因になっていると思います。これを可能にしたのが、指原莉乃によってされていた歌割りです。

それから、このMVを通じて、MVと振付の最も重要な役目は曲の良さを伝えるであることを再認識できたという意味において、好感を持った人もいるようです。最近は、ダンスとしての振付や、映像作品としてのMVが多いようだからです。

それらのことは、もちろん、エンターテイメントとしてはプラスになるのだと思います。しかしながら、全ての曲に一様に必須であるわけではありません。そのように思い込んでそれ以外を否定する人を見かけることが時々あるのですが、私は違和感を感じます。

とはいえ、このMVがCDパッケージに含まれるMVがであったならば、批判を被る可能性があったと思います。そうならなかったのは、このMVが通常とは違って、Youtubeで公開してCDのPRをすることを意図して作られたからです。CDに含まれていなくても、MVがあることよって、ごにょごにょして得たものを鑑賞しなくてもよくなりますし、薦めやすくもなりますので、ファンにはありがたいと思います。

この辺の事情を指原莉乃は以下のようにtweetしています。

イコラブのカップリング曲 「部活中に目が合うなって思ってたんだ」リップMVが解禁されました〜 今回はカップリングMVがつくれなかったのでリップverをyoutube用に製作

https://twitter.com/345__chan/status/993462325268041729

制作費の都合でMVがつくれなかったんですが、youtubeでのPR用に、と私の希望をスタッフがしっかり再現してくれました!ドキュメンタリーチームにマジ感謝卍

https://twitter.com/345__chan/status/993462327713320960

CD「手遅れcaution」に収録されている3曲は、いずれも趣きがかなり違います。「部活中に目が合うなって思ってたんだ」が「明」であるなら、表題曲である「手遅れcaution」は「暗」です。

もう一つのカップリング曲「樹愛羅、助けに来たぞ」は、タイトルと作曲者がヒャダインであることから想像される通りの曲です。このような様々な趣きの曲があり得ることは、プロデューサーがセンターだけでなく全てのメンバーのそれぞれの個性を活かしたいと考えていることの反映だと思います。


CDパッケージに含まれている意味のMVが存在するのは表題曲だけです。そのMVは印象的でああり、イコラブメンバーの演技力が遺憾なく発揮されています*2。しかしながら、印象が強いことは、曲のイメージが固定化されてしまう可能性も孕んでいます。

これに対して「部活中に目が合うなって思ってたんだ」においては、想像において自由に羽ばたくことができます。普通のMVであったならば部活が限定されることもあったと思うのですが、このMVではそのようなことはありません。


CDに収録されていないことをアドバンテージとすることは、マイナスをプラスに変える「逆転力」ともいえます。これが、指原莉乃が成功した要因の一つであると思います。

今回のMVは彼女が、HKT48のはじめてのコンサートツアー「HKT48 九州7県ツアー 〜可愛い子には旅をさせよ」(2014年1~3月21日) のセットリストの最初に「ザ☆ピ~ス!」(モーニング娘。)を持ってきて、多くの人を驚かせたことを思い出させました。AKB48系のグループはコンサートなどにおいて、秋元康の曲以外を歌うことはなかったようですが、彼女はHKT48は持ち歌が少ないという理由付けで可能にしました。

ラジオで流されただけであった「部活中に目が合うなって思ってたんだ」がステージで初披露された『「手遅れcaution」リリース直前SPライブイベント』(5月4~6日、銀河劇場、全5公演)においても、彼女のセットリスト(カバー曲を含む)は威力を発揮しました。カバー曲の選択が良かっただけでなく、3パターンのセットリストは、少なくないファンの複数公演への参戦を促したようです。

twitterを参考にして判断すると、カバー曲で最も注目されたのは大谷映美里がセンターを務めた「ジッパー」(NMB48 チームN 3rd Stage)のように見えました。サイドを務めた音嶋莉沙佐竹のん乃も大きな自信を得たようでした。これまでとは違う、セクシーでありながらも可愛い曲を演じられたことと、カメコさんが撮影した多くの写真がtwitterで広まったからだと思います。


披露された「部活中に目が合うなって思ってたんだ」においては一部のメンバー(センターであった髙松瞳など)は、部活はテニス部と指定されたようですが、その他は各自の最良に任されていたようです。ちなみに、瀧脇笙古は文化系の部活(料理部?)にしようとしたのですが、分かりづらいので帰宅部にしたそうです。

歌詞に「強い日差し照りつける校庭を走る君を見つけ」とありますので、女の子は運動部である可能性が高いと思います。でも、声量が必要な演劇部や合唱部である可能性もあります。ちなみに、齊藤なぎさが声量を増やすために歌いながら走っているという書き込みをネットで見つけました。

瀧脇笙古がステージでの披露において帰宅部としたことは、想像の翼を拡げやすくするために良かったと思います。なお、彼女は実際にはテニス部であったようです。実際に文化系部に所属していたメンバーとしては、齊藤なぎさが演劇部、諸橋沙夏吹奏楽部、音嶋莉沙茶道部であったと聞いたことがある気がするのですが、情報ソースを忘れてしまったので確認をとれませんでした(その程度の情報だと思ってください)。


ーー以上ーー

*1:作詞:指原莉乃、作曲:NaO/MATCH、編曲:古川貴浩、MV監督:ZUMI

*2:問題をあえて指摘するならば、髙松瞳がセンターであることが分かりづらいことくらいだと思います。