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人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

『売れっ子プロデューサーが選ぶ2019年の年間ベスト10』(いしわたり淳治 選)において「ズルいよ ズルいね」(=LOVE)が6位になったこと 

「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系、1月19日)の「売れっ子プロデューサーが選ぶ2019年の年間ベスト10」において「ズルいよ ズルいね」(=LOVE)が選ばれました。

売れっ子プロデューサーとして、それぞれの年間ベストテンを作ったのは、いしわたり淳治蔦谷好位置mabanuaです。それぞれ、「us」(milet)、dism「Pretender」(Official髭男)、「愛にできることはまだあるかい」(RADWIMPS)を1位にしています。なお、複数人が選んだ曲がありますので、ランクインした曲の総数は30曲未満です。

「ズルいよ ズルいね」は、いしわたり淳治による年間ベスト10において6位となりました。アイドル曲でランクインした曲は、この曲だけです。

この曲は、=LOVEとしては最新(6th)シングルの表題曲です。一応説明しておくと、=LOVE(以下、イコラブ)は指原莉乃がプロデュースと作詞をしている女性アイドルグループです。


知ったかぶりをしても仕方がないので初めに白状しますと、実は私はこの番組はほとんど見たことがありません。このため、毎年行われているようであるこの企画についても初めて知りました。売れっ子プロデューサーについては、いしわたり淳治が書いたコラムを読んだ記憶があるくらいです。

以下の文章は、このような者が書いていると思って寛大に読んでいただけるとありがたいです。

このランキングについては、以下のモデルプレスの記事にまとめられていますので、放送された内容の概要を把握されたい方は、このブログ記事よりもお勧めです。
https://mdpr.jp/music/detail/1941796

モデルプレスの記事に書かれているようなことを、この番組/企画をよく知らない者が書いてもしかたがないので、知らない者としての観点で書くことにします。以下の内容は、私がよく知っている指原莉乃とイコラブに関することが大部分です。


私は、いしわたり淳治による評価は信頼できると思います。しかしながら、意味が分からなかったことが1つだけあります。モデルプレスの記事タイトルでも使われることになった“秋元康イズム”という言葉です。

この言葉は、指原莉乃への肯定的な評価なのだとは思います。でも、指原莉乃プロデュースが秋元康プロデュースを反面教師にしていると捉える人が少なくないです。そのような人にとっては意味不明であったと思います。どのように反面教師であるかについては、以下の記述の端々から分かると思います。


番組ではベスト10曲を、そのMVを流しながら選者が紹介してしました。番組には関ジャニ∞の他に、古田新太(支配人)、山崎弘也トークゲスト)が出演しました。進行は弘中綾香アナ(テレビ朝日)でした。古田新太はほとんどコメントをしなかったような記憶があります。

私が3つのこのランキングに共通した特徴として捉えたことは、アーティストのメンバーが作詞および/または作曲をしている曲がほとんどであるということです。それがいしわたり淳治による年間ベスト10にもっともよく現れていますので、彼による年間ベストテンを表にします。

いしわたり淳治による年間ベスト10曲の紹介を観ていると、「ズルいよ ズルいね」に「兵、走る」(B'z)に加えた2曲以外では作詞者と作曲者が同じことに気がつきました。表には作詞者と作曲者も記載しました。

B'zのメンバー名もあやふやな私ですから、「ズルいよ ズルいね」以外の9曲について、アーティストと作詞/作曲者の関係を見るために、アーティストがグループである場合にメンバーを調べてみました。すると、メンバーが作詞/作曲者に含まれる、および/または 作詞/作曲者がアーティストに含まれることが分かりました。なお、「キスだけで feat. あいみょん」(柴田隆浩)の場合には、あいみょん菅田将暉がグループを形成しているように見なしました。

この結果は、アーティストが作詞および/または作詞を担当した方が、作品全体として良いものを作れる可能性が高いことの現れであると思います。もちろん、アーティストが作詞、作詞にも優れている場合に限られると思います。


それにもかかわらず、指原莉乃がプロデュースと作詞をする「ズルいよ ズルいね」がランクインしたことは、彼女の卓越したコミュニケーション能力がもたらしたのではと思いました。その能力によって、彼女とイコラブのメンバー、そして作品の各要素を担当するクリエーターが擬似的なアーティストを形成したと解釈すれば、この曲がランクインした理由を理解しやすくなると思います。

彼女の意図は、曲に関わるクリエーターに十分に伝わっていると推測します。例えば、メンバーの衣装を担当するオサレカンパニーとは、良好な意思疎通が築かれており、その関係性の基に担当者にデザイン画が渡されています。実は、オサレカンパニーはAKB48グループの位置部門から独立した会社なのですが、彼女は秋元康よりもこの会社を能力を上手く使いこなしているように見えます。

リエーターの才能がより引き出されているのは、振り付けやMV監督も同様だと思います。クリエーターは単なるディスパッチャーとしてのプロデューサーよりも、共により良いものを作ろうとするプロデューサーとの仕事にやりがいを感じるものだと思うからです。このことはもちろん、音楽の分野に限らないことです。


いしわたり淳治による指原莉乃の評価は以下のものです。

物語を創る力、映像描写のカメラワーク、展開、言葉のセンス、たまに書き込まれる哲学的な視点。指原さんは作詞家としてすごく才能があると思います。指原さんは凄く才能があると思います。

作詞家としての彼女の才能は、「ズルいよ ズルいね」の歌詞を載せた曲を聴いたり、歌詞を読んだりすれば分かると思いますので、ここでは具体的には述べません、

彼女の作詞家としての才能は過小評価されがちです。あのAKB48グループのメンバーだったからとか、バラエティータレントであるから、という先入観が妥当な評価を阻害することが稀ではないようだからです。そのような先入観が妥当な評価を阻害していた人も、いしわたり淳治が高く評価しているという認識の基に見直すならば、以前と違うように見える可能性があります。

歌詞はこの曲のMVに表示するように設定できます。その全体をひと目で読みたい場合には、以下のjoysound(カラオケ)のページで見ることができます。
www.joysound.com

上記ページにある歌詞の少し下には、この歌をカラオケで歌う人について、男女別、年代別に示されています(毎週火曜日更新)。現時点では女性の割合が80%であり、女性においては10~20%代が約95%を占めています。若い女性に響く曲であることは、弘中綾香アナ(28歳)の反応からも分かります。いしわたり淳治指原莉乃に高い評価を述べる度に、大きく頷いていたからです。

この曲はイコラブ曲の中でも女性が歌う割合が高い曲です(イコラブ曲全体では67%)。イコラブ曲自体も、女性アイドルグループの曲としては女性が歌う割合が多いです。このことは、もちろん、女性ファンが多いこと(後述)の反映です。

歌詞を読んでピンと来なかった人も、若い女性に好まれる曲であるという認識で歌詞を読み直せば、そう言えばそうなのかなぁと納得するかもしれません。

指原莉乃は、いしわたり淳治が評価するように作詞の才能があるのですが、それだけではありません。まず、イコラブのメンバーに歌割りができるほど音感が優れています。そして、元アイドルであるだけではなく、アイドルヲタであるために、歌うアイドルの気持ちも、それを聞くファンの気持ちも分かります。

歌割りをすることは、メロディーメーカーであるプロデューサーには容易なことなのだろうと推測します。しかしながら、作詞が長所であるプロデューサーが自らの歌詞において、よく知るメンバーの声質と技量を考慮して歌割りできることは大きなアドバンテージです。

「ズルいよ ズルいね」においては全員にソロパートがあり、全員歌唱のパートがないのでソロパートの割合が高いです。このため、全員がダンスだけでなく、歌唱の構成要素として、曲に寄与しています。

このようなあり方は、女性アイドルグループが押しなべて秋元康プロデュースグループのようなものだと思いこんでいる人にとっては驚きかもしれません。


彼女がアイドルヲタの気持ちが分かることは、曲をアイドルファンに響き易くしています。そして、アイドルの気持ちが分かることは、曲をそれを歌うメンバーに響き易くしています。このことは、さらに曲を聴くファンにさらに響き易くします。

さらに、女性による歌詞であること、女性によって歌われることで、女性に響きやすい曲になります。このことが、イコラブが女性アイドルグループとしては女性ファンが多いことをもたらしています。

イコラブの現場では女性の割合が4割だとされており、その度合は少しずつ増えているようです。私はネットでの観測に基づいて、実際のファンはやや女性の方が多い、例えば55%くらいではないかと推測しています。

現場ではそれよりも低いのは、例えば、中高生のファンは遠い現場に参戦することなどが難しいからです。これを助長していることは、ある程度以上の集客が予想できて、ある程度以上の頻度でイベントを開けるような所が、今のところは東名阪と福岡市のみであることです。とはいえ、前回のツアーでは仙台にも訪れており、春のツアーでは栃木、茨城、群馬でのライブもあるように、活動範囲は徐々に広がっています。


いしわたり淳治は「出発点とゴールがちゃんと見えている人の歌詞」「こう聞かせたいがよく分かる」「40歳の男の人の歌詞とか、40歳の女性の歌詞とか書いているとこを見てみたいと思います。」と付け加えています。この言葉は、彼が42歳であることを合わせると意味合いを推測しやすいです。

私は彼の言葉は、40歳くらいの男女にも同様に響く曲もプロデュースすると、作詞家としての才能をより妥当に評価されるという指原莉乃への示唆かもしれないとも思っています。もちろん、オファーがあるのならばイコラブ以外へのプロデュース曲の提供という形でもありえると思います。

イコラブ曲は弘中綾香の世代には響くものだと思います。しかしながら、それより10歳上である関ジャニ∞世代(30歳後半)にはそれほどではないと思います。

もちろん、いしわたり淳治による高評価を評価を知ってからこの曲を聞くならば、響く可能性が高まると思います。ネットでも、今までもイコラブのことは知っていたけど、この番組を観てからイコラブ曲を聞くと良い曲が多いことが初めて分かったという感想のtweetを見かけました。

いしわたり淳治の年代になると響く割合はさらに減ると思います。6位という評価をするほど彼に伝わったのは、彼が曲を評価する立場であることに加えて、この曲が今までのイコラブ曲に比べると高い年代向けであるためだと推測します


指原莉乃のイコラブにおける作詞とプロデュースが現時点では実力通りの評価を得ていない要因は、前述のように彼女が過小評価を受けがちなことだけではありません。イコラブのターゲットが若い年代であることも影響していると思います。何故ならば、テレビへの出演や雑誌への掲載についての決定権を持っているのは若い年代ではないからです。

決定権を持っている年代は、いい加減に推測するならば、35代後半、特に40代前半以上だと思います。ちなみに、番組で年間ベスト10を作った売れっ子プロデューサーは、42歳のいしわたり淳治の他は、43歳の蔦谷好位置、35歳のmabanuaです。


イコラブに関わる人、例えばイコラブ運営はほとんど彼よりも年上ですから、もう少し上の年代をターゲットにすることを望んでいるかもしれません。もちろん、より上の年代の方が、よりお金を使ってくれることも考慮の中に入っていると思います。

しかしながら、指原莉乃がイコラブをプロデュースしているのは、アイドルヲタあり、アイドルであった彼女が理想とするグループを実現するためです。この辺が放送作家出身である秋元康との大きな違いです。

彼女は現実を観ながらも基本的には理想を貫いていくと思います。故に、自分の作詞家としての評価をあげるために、イコラブのターゲットの年代を無理に上げることはないと思います。


指原莉乃秋元康にはない能力を活かして曲作りをしていけばよいと私は思います。それは、時代感覚と時代に合った言葉を検知する能力です。郷愁と望郷に満ちた曲をアイドルグループに歌わせることは彼に任せればよいのです。

そうすれば、やがて時代の方が彼女に追いつくような気がします。そして、その代表的な出来事として、いしわたり淳治による6位が印されることになるかもしれません。


ーーー以上ーーー