はてなDiaryから移行してみました。
記事一覧

人によっては「夏かし」と呼ばれているものです。

「RAGAZZE!~少女たちよ!▽AKB48、モー娘。ももクロ大集合!」(3月28日、NHK)の概要と、イコラブのMV再生回数への効果など

NHK総合で放送された「RAGAZZE!~少女たちよ!▽AKB48、モー娘。ももクロ大集合!」(2020年3月28日、23:00~23:59)を観ました。

番組では、タイトルが含む3つの主要な女性アイドルグループの他に、4グループが紹介されました。具体的には、=LOVE(通称:イコラブ)、たこやきレインボー、BEYOOOOONDS,フィロソフィーのダンス(あいうえお順)です。

MCはカズレーザーが務めました。番組は彼と出演者(朝日奈央、DJ KOO、青井実NHK))がライブのダイジェストを観て歓談する形式でした。

ライブは番組のちょうど1ヶ月前にNHKホールで行われました。当初は観客を入れての公開録画の予定でしたが、新型コロナの影響で無観客となりました。観覧の案内によると、全体で3時間半のステージ(18:30~22:00)であったようです。
https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0335987/

番組の見逃し視聴は現時点でも、合法な手段でできるらしいです(詳しくは知りませんので、ご興味の方はお調べください)。それから、4月11日にはBSにおいて2時間版が放送されるようです(22:30~24:30)。
https://www.nhk.jp/p/ts/XQL2VVPGKJ/

出演順などについて表に示しました。主要グループには約9分が割り当てられました。

他の4組は“覚えておくべきガールズグループ”として続けて紹介されました。それぞれに、約7分の時間が割り当てられ、最初の1分には紹介者による紹介のビデオが流されました。

各グループの紹介者は、フィロソフィーのダンス徳井健太平成ノブシコブシ)、=LOVEが古川優香(人気Youtuber)、たこやきレインボー南明奈、BEYOOOOONDSがDJ KOOでした。BEYOOOOONDSの時間が比較的に長かったのは、紹介者が出演者だったためだと思います。


以下、イコラブ以外の3組について簡単に説明し、その後にイコラブについて詳細に説明します。そして、このブログ記事の後半では、この番組での紹介がもたらしたイコラブ表題曲MV再生回数への効果について記載します。

たこやきレインボーは、ももいろクローバーZと同様にスターダスト系です。今までご存じなかった人は、とりあえずは、ももいろクローバーZの大阪版だと捉えるとよいかもしれません。2012年に活動を始め、2013年にはメジャーでCDデビューをしていますので、女性アイドルグループとしては古参の方だと思います。

これに対して、BEYOOOOONDS(ハロプロ)は2018年に活動を始め、2019年にメジャーデビューをしましたので、最近のグループです。ハロプロなので実力はあるのですが、曲のはじめに寸劇が入るなどアーティスト的でない要素も売り物にしているようです。

このことは、アーティスト路線となった現在のモーニング娘ハロプロ)しか知らない人には不思議かもしれません。でも、モーニング娘は元々はバラエティー番組「ASAYAN」(テレビ東京、1995~2002年)が生み出したグループあり、ミニモニのような企画色が強いユニットもありましたので、先祖返りと言えるかもしれません。

フィロソフィーのダンスについては、今回初めて知りました。歌は上手いです。ですが…、放送されたダイジェストライブを観ると、女性アイドルグループと呼ぶのは微妙なところだと思います。音楽の部類もソウルやファンクなどで、女性アイドルグループとしては特殊です。若い女性アーティストグループをアイドルと称すると機会が増えますので、そのような趣旨でのアイドルなのかもしれません。


=LOVE(以下、イコラブ)は今の時代には珍しい正統派アイドルです。

まず、多くの人がイコラブに対して最初に持つ印象は“可愛い”ということだと思います。ビジュアル的だけでなく、衣装も可愛いです。可愛いだけかと油断してステージを観ると歌とダンスも上手いので圧倒されます。

さらに、何曲かを聞くと、楽曲なども優れていることも分かります。歌詞は言葉を操るのが上手く、メンバーの年代に近い指原莉乃(プロデューサー)が作詞しています。歌詞の内容が女性に響きやすいので、ファンは在宅(遠征に行きにくい中高生などを含む)も含めれば若い女性が多いようです。

コミュニケーション能力が高い彼女がプロデュースしているので、編曲、振り付け、衣装、MVの担当者に彼女の意図が十分伝わっており、それらの要素が(付加的要素ではなく)楽曲と一体的に融合した作品となっています。例えば、オサレカンパニー(AKB48から分社化)に依頼している衣装は、彼女がデザイン画などを併せて趣旨を説明しているので、単なるディスパッチャーが依頼するよりも、各メンバーに合わせたより可愛い衣装がとなっています。

これらのことは、古川優香による紹介(以下に抜粋)からも分かります。

皆んなかわいい正統派アイドルだけど、ライブになると生歌もダンスもすごくキレキレでギャップがあって、すごいカッコ良い。衣装もすっごく可愛い。指原莉乃さんがプロデューサー・作詞しており、特に「ズルいよ ズルいね」の歌詞が好き。「不幸になってほしいなんて思ってないよ。だから幸せにならないで」という歌詞があって、女の子の心に刺さる。SNSで可愛い写真を投稿していて、女の子が憧れる女の子だなと思う。私は齊藤なぎさ推し。

女性アイドルにとって重要なことは、ビジュアル、歌、ダンス、楽曲であることだと思います。このバランスがよいと、正統派アイドルグループと言われるのだろうと思います。モーニング娘は歌、ダンスに重点がおかれているために、アスリート的な感じがします。

ハロプロモーニング娘以外のグループも、Berryz工房℃-ute(共に解散)から類推するとアーティスト的な傾向が強いと思います。しかしながら、この2グループには熱心なファンはいたのですが、母艦ほどは注目を浴びませんでした。BEYOOOOONDSの路線はそのような現実への対処なのかもしれません。

その戦略が良かったのかどうか分かりませんが、BEYOOOOONDSのデビュー曲はオリコンの年間売上ランキング(2019年)で55位になりました。モーニング娘の最新曲(67th)は48位でしたので、母艦以外のグループとしてはかなりの成功を収めたと思います。


本筋に戻りますと、イコラブはなぜ、テレビ出演が少ないのだろうと不思議られているグループです。CD売上は右肩上がりで増えて、最新シングル(6th)「ズルいよ ズルいね」はオリコンの年間売上ランキングにおいて43位になりました(初週での週間1位(売上と総合)も獲得。ビルボードも同様)。さらに、アイドルの間でも人気があるようです。

それにも関わらず、イコラブがテレビの出演などでは報われない状況にあるのは何故かと言うと、大きな要因には、マスコミやテレビ関係者における時代の勝ち馬に乗るが、その他には関心が薄い傾向があると思います。彼らの多くには、少し前まではAKB48を報道/起用すれば十分であるという意識があったように見えます。なお、現在では、その対象は坂道系に移っています。

さらに、イコラブにとって不運なのは、イコラブのファンが多い層は、マスコミとテレビにおいて決定権を持つ層(中年以上の男性)とは真逆なことです。彼らは自分達にとって面白くなければ、仕事の対象の候補にしないことがほとんどなのだろうと思います。


「ズルいよ ズルいね」(センター:齊藤なぎさ)はそのような人たちも、程度はともあれ、関心を持つような部類の歌だろうと思います。イコラブにはオシャレで明るいイメージなのですが、この歌は失恋の曲であり、MVも普遍性がある雨や涙のイメージで作られているので、今までよりも広い範囲の人のアンテナにひっかかったようです。

「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系、1月19日)の「売れっ子プロデューサーが選ぶ2019年の年間ベスト10」という企画における、いしわたり淳治によるランキングにおいて6位なったこと[参照*1]にも、この曲の特徴がプラスに寄与したと推測します。

「RAGAZZE!~少女たちよ!▽AKB48、モー娘。ももクロ大集合!」でイコラブが取り上げられたことも、「ズルいよ ズルいね」の効果だと思います。もちろん、ライブダイジェストに含まれる2曲にこの曲が含まれています。

__
(上のMVは、左が「ズルいよ ズルいね」、右が「手遅れcaution」)

「ズルいよ ズルいね」の他にライブダイジェストに含まれていた曲は、3th表題曲である「手遅れcaution」でした。収録で披露された他の曲は分かりません(記載をどこかで見かけた記憶があったので、このブログ記事を書くために見つけようとしたのですが、見つかりませんでした。)。

イコラブの表題曲から2曲を普通に選ぶならば、最新曲である「ズルいよ ズルいね」の他は、1st表題曲である「=LOVE」か4th表題曲である「Want you!Want you!」が妥当だったと思います。それぞれ、イコラブのアンセム(国歌の意味)とされている曲と、明るくてオシャレであってイコラブのイメージを最もよく体現している曲だからです。

「Want you!Want you!」はイコラブの表題曲の中で、公式MV(Youtube)が最も再生されている曲です。表題曲MVの累積再生回数の推移グラフを付録として最後に掲載します。

しかしながら、5thシングルまでセンターを務めていた髙松瞳は現在は休養中です。このため、5thまでの表題曲で彼女のイメージが最も薄い「手遅れcaution」が選ばれたのではないかと推測します。この曲は何故か、野口衣織の代表曲と見なされているからです。

「手遅れcaution」はイコラブらしい曲でありません。「=LOVE」と2nd表題曲「僕らの制服クリスマス」が王道的アイドル曲であるので、3rdも王道的アイドル曲であると、そのような曲しかできないのかとdisる口実にされる可能性があったので、もっと多様なことができることを示すために作られたような曲です。1stと2nd表題曲が球威がある"ど真ん中"のストレートならば、この曲は打者を仰け反らしてしまうような思いっきりの変化球です。

ライブダイジェストの曲として「ズルいよ ズルいね」と「手遅れcaution」が選ばれたことには、イコラブが番組視聴者のより多くの関心をえるためには良かったと思います。ライブでなく画面を通すと王道的な曲の球威は伝わらずに、物足りなく感じる可能性があったと思うからです。今回は、無観客のライブだったので、なおさらそうだったのではと推測します。


イコラブにおける「RAGAZZE!~少女たちよ!▽AKB48、モー娘。ももクロ大集合!」.効果を見るために、表題曲MV(1st~6th)の再生回数の推移をグラフに示します。

このグラフは3月21日を起点にした累積再生回数を示します。なお、累積再生回数の観測は、毎日、22時半頃に行っています。

5thシングルついてはCDに搭載されている通常版ではなく、CD発売後に公開されたダンス&リップver.を対象にしました。こちらのほうが累積再生回数が多く、現在の再生回数/日では圧倒的に多いからです。


このグラフを見ると、どの表題曲も番組の恩恵を得たことがわかります、放送があった28日を境にして曲線における傾きが急増しているからです。

しかしながら、出演効果の度合いは曲によってかなりの違いがあります。特にライブダイジェストに含まれていた2曲においては大きな違いあります。

効果の大きさは大が1曲、中が2曲、小が3曲に分かれました。

大きな効果があったMVは「ズルいよ ズルいね」です。再生回数/日を番組放送前の1週間(3月21日 -> 28日)に対して平均すると3120回/日でしたが、3月28日 -> 29日には約12000回増えたからです。効果は日が経つにごとにすこしづつ薄れてきているようですが、4月4日 -> 5日でも約5650回増えています。

中程度の効果があったMVは 「Want you! Want you!」(4th)と「探せダイヤモンドリリー」(5th)でした。両方ともに番組放送前1週間の再生回数/日は約2200回増/日でしたが、3月28日 -> 29日にはそれぞれ約6300回と約5800回増えています。なお、「Want you! Want you!」が上回ったのは最初に2日だけであり、3日目以降は「探せダイヤモンドリリー」が上回っています。4月6日 -> 7日にはそれぞれ約3190回と約5650回増えています。

小程度の効果があったMVは「=LOVE」、「僕らの制服クリスマス」、「手遅れcaution」であり、それぞれ1st~3rdの表題曲です。番組放送前1週間の再生回数/日では、「=LOVE」と「僕らの制服クリスマス」は約930~940回/日であり、「手遅れcaution」は約615回/日でした。

3月28日 -> 29日では、3曲の中のトップが「=LOVE」(約3400回)、次が「手遅れcaution」(約3100回)、3番手が「僕らの制服クリスマス」(約2400回)でした。「僕らの制服クリスマス」は季節外れであるために効果が少なかったのだろうと思います。

しかしながら、3月30日 -> 31日以降になると「僕らの制服クリスマス」がトップとなり、4月3日 -> 4日以降では「手遅れcaution」が3曲中の3番手に定着します。4月6日 -> 7日の増加は、「僕らの制服クリスマス」が約1650回、「=LOVE」が約1550回、「手遅れcaution」が約1200回でした。


「手遅れcaution」に対する番組の効果が他の曲に比べて少ないことに驚いた方がいたかもしれません。番組終了後には"イコラブ”と共に"手遅れcaution”がトレンド(twitter?)に入ったようだからです。これは「手遅れcaution」の好むような人にはtwitterにおいて声が大きい人の割合が多いためかもしれません*2

それから、思い込みが強い人が含まれているのかもしれません。この曲のMVの再生回数が急増したとツブヤイていた人がいたからです。とはいえ、その実感は、この曲の他には関心が薄い人には妥当だったのだと思います。何故ならば、放送前におけるMV再生回数/日の平均値では6つの表題曲中で「手遅れcaution」が最も少なかったので、この平均値に対する3月28日 -> 29日の再生回数の比では最も高かった(5.03倍)からです。


【付録】
本文中において予告したように、イコラブの表題曲MVの累積再生回数の推移(2018年9月18日以降)をグラフに示します。これを見ると分かるように、長い間トップであった「僕らの制服クリスマス」を「Want you!Want you!」が2月末に上回りました。

グラフからは見て取りにくいと思いますが、「ズルいよ ズルいね」はMV累積再生回数において、現時点では「=LOVE」よりも多くなっています。現状の勢いが続くと、現在の3番手から、やがてはトップになる可能性が高いです。

「手遅れcaution」は今のところは5番手です。しかしながら、その勢いは6番手の「探せダイヤモンドリリー」よりも弱いので、やがては後退する可能性が高いと思います。

解説を加えておくと、曲が良いこととMVの累積再生回数には正の相関がありますが、相関が極めて高いわけではありません。ありがちなことは、MVを何度も繰り返して観ることを妨げる要素があると再生回数が伸びないことです。
該当要素の1つは、ドラマ仕立てであることです。ドラマ仕立てであると、通常的なMVよりもメンバーの映り方の差が大きくなります。イメージの良い役とそうではない役がある場合はなおさらです。
このため、熱烈なファンは熱を入れてtwitterなどで語るけれど、再生回数があまり伸びないという現象が起きえます。


ーー以上ーー

*1:「『売れっ子プロデューサーが選ぶ2019年の年間ベスト10』(いしわたり淳治 選)において「ズルいよ ズルいね」(=LOVE)が6位になったこと」(夏かしのブログ)http://natuka-shinobu.hatenablog.com/entry/2020/01/24/152936 

*2:野口衣織は声がでかく、憑依的な歌い方をします